M1> Don’t Worry / Marty Robbins(マーティ・ロビンス)
音楽の歴史って、時々“失敗”から新しいものが生まれるんですよね。
今日はそんな面白いエピソードを持つ1曲です。
アメリカ・アリゾナ州出身のカントリー・シンガー『マーティ・ロビンス』
1961年のヒット曲、「Don’t Worry」
まず聴こえてくるのは、マーティ・ロビンスの柔らかな歌声。優しいんですよねぇ。
カントリーというジャンルをあまり聴かない方にも、
この声ならスーッと入ってくるんじゃないでしょうか。
ところがこの曲。
途中から……「ん?なんだ、この音?」という瞬間があります。
ブーン……と歪んだ、不思議な低い音。
実はこれ、最初から狙って作った音ではなかったと言われています。
レコーディング中、機材のトラブルによってベースの音が偶然歪んでしまった。
普通なら、「録り直しましょう」となりそうなところですが、
その偶然生まれた音を面白がって、そのままレコードに残した。
すると、そのサウンドが後の“ファズ”と呼ばれる歪んだギター・サウンドへとつながっていくことになります。面白いですよねぇ。
今では当たり前のようにロックで聴く“ギュイーン”という歪んだ音。
その歴史を辿っていくと、1961年のカントリー・ソングに行き着く・・・「Don’t Worry」。
M2> Too Young to Go Steady / Karrin Allyson(カーリン・アリソン)
アメリカ・カンザス州出身のジャズ・シンガー『カーリン・アリソン』
2001年に発表したアルバム
『Ballads: Remembering John Coltrane』から、
「Too Young to Go Steady」
タイトルを訳すと「真剣に付き合うには、まだ若すぎる」。
なんだか可愛らしいタイトルですよね。
この曲をジョン・コルトレーンは、1962年の名盤『Ballads』で演奏しています。
もちろん、そこには歌詞はありません。コルトレーンのサックスが“歌っている”。
それを今度はカーリン・アリソンが、本当の人間の声で歌ってみる。
この聴き比べが面白いんです。
サックスで聴くと、どこか夜の景色。
カーリンの声で聴くと、そこに一人の女性の表情が見えてくる。
一つ一つの言葉に表情があって、気がつくと曲の中へ引き込まれている。
こういう歌を聴くと、「JAZZって難しそう」
なんて思わなくてもいいんだよなぁと思います。
まずはメロディーを楽しめばいい。そして気に入ったら、今度はコルトレーンの演奏を聴いてみる。そこからまた違うJAZZの扉が開くかもしれません。

