M1> Slow / Rumer
『Rumer』(ルーマー)
2010年にリリースされたデビューアルバム『Seasons of My Soul』に収録されている一曲です。ジャジーで透明感あふれる歌声。
“イノセント・ヴォイス”という表現が、これほど似合うシンガーも珍しいかもしれません。
その歌声は、あのバート・バカラックをも魅了したと言われています。
31歳という決して早くはないデビュー。
でも、その歌声には人生をゆっくり歩いてきた人だけが持つ深みがあります。
彼女はパキスタンで生まれ、幼少期を異国の地で過ごしました。
テレビも新聞もない環境で、家族と歌い、曲を書きながら育った少女。
その後、両親の離婚や母親の病気、そして最愛の母との別れ。
ロンドンでは皿洗いやポップコーン売りなど、さまざまな仕事をしながら音楽への夢を諦めませんでした。
「Slow」は、そんな彼女の人生がようやく穏やかな光に包まれ始めた頃に生まれた楽曲です。だからなのでしょう。
この曲には、悲しみだけではなく、優しさがあります。
暑い夏の日でも、この歌声を聴いていると、不思議と心が静かになっていく。
M2> Still Within the Sound of My Voice (feat. Rumer)
/ Jimmy Webb(ジミー・ウェッブ)
2013年にリリースされたアルバム『Still Within the Sound of My Voice』のタイトル・トラックです。
アメリカのポップス史を語るうえで欠かすことのできない存在『ジミー・ウェッブ』
ソングライターとして数々の名曲を世に送り出し
グラミー賞をはじめ多くの賞に輝いてきた偉大な作曲家です。
この人の音楽が以前よりずっと心に響く年齢になったようです。
20代の頃には気づかなかった感動。
歳を重ねた今だからこそ、その優しさや奥深さが自然と心に入ってくる。
そんな音楽なのかもしれません。
このアルバムは、自らが書いてきた名曲たちを豪華なゲストとともにセルフカバーした特別な一枚。タイトル曲では「ルーマー」を迎え、美しいデュエットを聴かせてくれます。
二人の歌声は決して競い合うことなく、お互いを包み込みながら一つの景色を描いていく。
その美しさに、思わず聴き入ってしまいます。
ほかにも、「マッカーサー・パーク」を「ブライアン・ウィルソン」と再演するなど、聴きどころが満載。
長い年月を経ても、名曲は色あせることなく、新しい命を吹き込まれて再び輝き始めます。



















