M1> ザ・ブロウワーズ・ドーター / ダミアン・ライス
静かな音楽ほど、心の奥深くまで届くことがありますよね。
アイルランド出身のシンガーソングライター『ダミアン・ライス』
2002年に発表されたデビューアルバム『O(オー)』から。
日本では2003年に紹介されたこの作品。
アコースティックギターを中心としたシンプルなサウンドに、
繊細で、どこか儚さを感じさせる歌声。
まるで目の前で、ひとりの男が静かに物語を語り始めたような、
そんな親密な空気が流れています。
何気ないメロディの奥に隠された、緻密なアレンジ。
ふとした瞬間に加わる音や、予想もしなかった展開に、思わず耳を奪われてしまう。
聴けば聴くほど、新しい発見があるアルバムです。
そして何より魅力的なのが、彼の歌声。
上手く歌おうとか、格好よく聴かせようとか、そんなことよりも、
心の中にある感情をそのまま差し出しているような気がするんです。
切なさも、弱さも、優しさも。
全部ひっくるめて音楽にしてしまう。
そんな不器用な美しさが、ダミアン・ライスにはあります。
M2> Do Right(パステル・メッセージ) / ポール・デイヴィス
音楽にも、その人の人柄って表れますよね。
でしょうか。
『ポール・デイヴィス』は、まさに人柄を感じるようなアーティストのひとり。
アメリカ南部出身のシンガーソングライター。
今日は1980年のアルバム『Paul Davis』から「Do Right」
邦題は「パステル・メッセージ」。
このタイトル、いいですよね。
淡くて、柔らかくて、どこか懐かしい。
曲の雰囲気にもぴったりです。
まず耳を奪われるのが、エレクトリックピアノの心地よいイントロ。
そして、ふわっと広がる美しいコーラス。何とも爽やかで、何とも上品。
この時代のAORには、今聴いても思わず胸がときめくような輝きがあります。
ポール・デイヴィスの歌声には、必要以上に飾り立てない自然な美しさがあるんですよね。
ただ、そこに優しいメロディが流れている。
それだけで十分なんです。
アメリカ南部の音楽をルーツに持ちながら、洗練されたポップスやAORの世界へ。
その絶妙なバランスも、彼ならではの魅力でしょう。
古い音楽を聴いているというより、ずっと大切にしてきた友人に再会するような感覚。

