HI!心呼吸 6月15日(月)

M1>   Fling(フライング)  /   タイリース

 

今週もこのコーナーでごゆっくりと♪

夏が近づくと、なぜか聴きたくなる声がある。

『タイリース』

2001年にリリースされたアルバム『2000 Watts』に収録された

「フライング」は、派手ではないけれど、じんわりと身体に染み込んでくるような1曲。

彼はロサンゼルス、

しかも“ワッツ暴動”で知られるWatts地区の出身。

決して恵まれた環境ではなかったという話は、このアルバムを聴いていると、

音の隙間から自然と伝わってくる。

モデルとして成功し、「トミー・ヒルフィガー」の広告にも登場しながら、

どこかストリートの空気を失っていない。

それがタイリースの魅力なのかもしれない。

この「フライング」は、甘くベルベットのような歌声と、

心地よく流れるベースラインが印象的なミディアムナンバー。

暑さを忘れさせるというより、

夏の熱を静かに受け入れてくれるような曲だ。

 

 

 

 

 

M2>     Showya   / The Ray Mann Three(レイ・マン・スリー)

 

音楽には、“好き”を通り越して、

“憧れ”が滲み出てしまう瞬間がある。

オーストラリア・シドニー出身の3人組、

『The Ray Mann Three』の音を聴いていると、そんなことを思う。

彼らの作品には「ディアンジェロ」への深いリスペクトが静かに流れている。

90年代以降のR&B、そして“ネオ・ソウル”という潮流を語る上で、

ディアンジェロの存在はやはり特別。その空気感を受け継ぎながらも、

ただの模倣では終わらない。

2012年にリリースされたアルバム『Sketches』は、彼らなりの解釈で、

ブラック・ミュージックを丁寧に再構築している。

中でも「Showya」。

ゆっくりと身体に入り込んでくるスロー・グルーヴ。

乾いた夜風みたいなギター。

少しだけファンクの匂いを漂わせながら、時折、AORの陰影も覗かせる。

派手さではなく、“質感”で聴かせる音楽。