HI!心呼吸 6月17日(水)

M1>  For My Lady [feat. The Shirley Horn Trio] /

Toots Thielemans & Shirley Horn(トゥーツ・シールマンス/シャーリー・ホーン)

歳を重ねるほど、“派手さ”よりも、音の奥にある温度に惹かれるようになる。

「トゥーツ・シールマンス」のハーモニカには、まさにそんな深みがある。

1991年リリースのアルバム『For My Lady』

再生した瞬間から、もう空気が変わる。

哀愁をまとったブルース。柔らかいのに、どこか人生を背負ったような音色。

静かに流れていくのに、耳も心も、自然とそこへ引き寄せられていく。

ハーモニカって、こんなにも感情を宿す楽器だったんだと、

改めて思わされる。時折混ざる口笛もまたいい。洒落ているのに、少し切ない。

まるで夜更けの街角みたいな空気が漂っている。

そして、このアルバムをさらに特別なものにしているのが、

Shirley Horn の歌声。決して派手ではない。声量で圧倒するわけでもない。

歌が始まった瞬間、空気の色が変わる。

マイルス・デイビスが彼女を気に入り、「彼女を先に歌わせろ」と言った逸話も、

なんだか分かる気がする。

上手いとか、技術がどうとか、そういう尺度だけでは測れない魅力。

…ただ、ラジオで流したいのに曲が長い。それだけが悩ましい(笑)

 

 

 

 

 

M2>   There You Are  /   Martina McBride(マルティナ・マクブライト)

 

“カントリー・ミュージック”と聞くと、人によっては少し土の匂いがするような、

アメリカ南部の風景を思い浮かべるかもしれない。

でも、時々そのイメージを、静かに覆してくれる曲に出会う。

Martina McBride の「There You Are」もそんな1曲。

1966年カンサス州シャロン生まれ。

カントリー界を代表するシンガーとして、長く愛され続けている彼女だけれど、

その魅力は、ジャンルを超えて届いてくる“声”にある気がする。

力強いのに、どこか繊細。

真っ直ぐなのに、押しつけがましくない。

だからこそ、バラードになるとその歌声がより深く心に残る。

2001年にリリースされた『Greatest Hits』は、彼女にとって初めてのベストアルバム。

5枚の作品を経て辿り着いたその1枚は“ベスト盤”という言葉以上に、

彼女の歩いてきた時間そのものを感じさせる。

その中に収録された「There You Are」。

初めて聴いた時、“これ、本当にカントリー?”

そんなふうに思った。それくらい、美しいメロディと空気感に包まれます♪