M1> Fling(フライング) / タイリース
今週もこのコーナーでごゆっくりと♪
夏が近づくと、なぜか聴きたくなる声がある。
『タイリース』
2001年にリリースされたアルバム『2000 Watts』に収録された
「フライング」は、派手ではないけれど、じんわりと身体に染み込んでくるような1曲。
彼はロサンゼルス、
しかも“ワッツ暴動”で知られるWatts地区の出身。
決して恵まれた環境ではなかったという話は、このアルバムを聴いていると、
音の隙間から自然と伝わってくる。
モデルとして成功し、「トミー・ヒルフィガー」の広告にも登場しながら、
どこかストリートの空気を失っていない。
それがタイリースの魅力なのかもしれない。
この「フライング」は、甘くベルベットのような歌声と、
心地よく流れるベースラインが印象的なミディアムナンバー。
暑さを忘れさせるというより、
夏の熱を静かに受け入れてくれるような曲だ。
M2> Showya / The Ray Mann Three(レイ・マン・スリー)
音楽には、“好き”を通り越して、
“憧れ”が滲み出てしまう瞬間がある。
オーストラリア・シドニー出身の3人組、
『The Ray Mann Three』の音を聴いていると、そんなことを思う。
彼らの作品には「ディアンジェロ」への深いリスペクトが静かに流れている。
90年代以降のR&B、そして“ネオ・ソウル”という潮流を語る上で、
ディアンジェロの存在はやはり特別。その空気感を受け継ぎながらも、
ただの模倣では終わらない。
2012年にリリースされたアルバム『Sketches』は、彼らなりの解釈で、
ブラック・ミュージックを丁寧に再構築している。
中でも「Showya」。
ゆっくりと身体に入り込んでくるスロー・グルーヴ。
乾いた夜風みたいなギター。
少しだけファンクの匂いを漂わせながら、時折、AORの陰影も覗かせる。
派手さではなく、“質感”で聴かせる音楽。



















