HI!心呼吸 6月25日(木)

M1>   Happy Birthday Darling  /   NORM(ノーム)

 

「誕生日に聴きたくなる優しい歌」

誕生日というのは不思議な日です。若い頃は祝ってもらうことが嬉しかったのですが、

歳を重ねるにつれて「ここまで元気に過ごせたこと」や「支えてくれる人がいること」に感謝する日へと変わっていきます。

そんな誕生日にぴったりの一曲が、ハワイアンシンガー

『ノーム』の「Happy Birthday Darling」

2000年にリリースされたアルバム『Unforgettable Dream』

彼の優しさがそのまま詰まったようなナンバーです。

ノームは1998年のデビュー以来、ハワイのクラブやイベントを中心に人気を集めたハワイアン・レゲエアーティスト。陽気なパーティチューンも魅力ですが、

個人的にはこうしたバラードでこそ彼の良さが際立つように感じます。

特別な歌唱テクニックを見せつけるわけではありません。

派手なアレンジがあるわけでもありません。

それでも不思議と心に残る。

その理由は、彼の歌声にあるのかもしれません。癖がなく、温かく、そして自然体。

まるで気の置けない友人から「おめでとう」と声をかけられているような安心感があります。

 

 

 

 

 

M2>     Angel  /   ジェイク・シマブクロ

 

「誕生日に思い出す人と音楽」今日、またひとつ歳を重ねました。51歳。

若い頃には想像もしなかった年齢ですが、不思議と今が一番楽しいのかもしれません。

家族がいて、仲間がいて、仕事があって、そして好きな音楽がいつもそばにある。

そんなことに改めて感謝したくなる誕生日です。

今日の一曲は、そんな日にぴったりの癒しのサウンド。

ジェイク・シマブクロの「Angel」

ハワイ州ホノルル出身の日系5世。4歳からウクレレを始め、その才能で世界中にウクレレの魅力を届けてきたジェイク。彼の演奏を初めて聴いた時、「ウクレレってこんなに感情を表現できる楽器なんだ」と驚いたことを覚えています。今回ご紹介する「Angel」

2006年にリリースされたアルバム『Gently Weeps』に収録された美しい一曲。

派手さはありません。でも、その分だけ心の奥深くに優しく届いてきます。

忙しい毎日の中で忘れがちな大切なこと。家族のこと。友人のこと。

支えてくれる人たちのこと。そんな存在を思い出させてくれるような温かなメロディーです。実は以前、ジェイクにインタビューをさせていただいたことがあります。

その時に「日本のブラザー」と呼んでくれたことが今でも嬉しくて覚えています。

ただ、ひとつだけ違うのは・・・。あの頃の僕は、今よりだいぶ痩せていたこと(笑)。

 

 

HI!心呼吸 6月24日(水)

M1> 悲しき恋心(Absence Makes The Heart Grow Fonder)  /

ティファニー・アンダース&ボイド・ライス

「音楽好きなら一度は観てほしい映画とサウンドトラック」

映画を観終わったあと、しばらく余韻に浸ってしまう作品・・・ありますよね。

「悲しき恋心(Absence Makes The Heart Grow Fonder)」は、

そんな映画のひとつ『グレイス・オブ・マイ・ハート』のオリジナル・サウンドトラックに収録されている楽曲です。1996年に公開されたこの映画は、シンガーソングライターの 「Carole King」の半生をモチーフにしながら、1950年代から1970年代前半までのアメリカ音楽界を描いた作品。特に60年代ポップスがお好きな方にはたまらない世界が広がっています。作品全体から感じるのは、音楽への深い愛情と徹底したこだわり。

当時の空気感やレコーディング文化、ソングライターたちの情熱が丁寧に描かれていて、まるで音楽史の教科書を映像で見ているような感覚になります。サウンドトラックも実に豪華です。音楽を手掛けたのは「Joni Mitchell」の元夫としても知られる「Larry Klein」

さらに「Burt Bacharach」と「Elvis Costello」 が初めて共作した名曲「God Give Me Strength」も収録されており、音楽ファンなら思わず唸ってしまう内容です。

「悲しき恋心」は「ティファニー・アンダース」と「ボイド・ライス」による美しいデュエット。久しぶりにもう一度、この映画を観たくなってきました。

 

 

 

 

 

M2>   So Far Away   /    キャロル・キング

 

「何度聴いても色褪せない名盤」

『キャロル・キング』の「So Far Away」

収録されているのは、1971年に発表された歴史的名盤『Tapestry(つづれおり)』

このアルバムについては、もはや説明は必要ないかもしれません。

音楽ファンであれば一度は耳にしたことがある作品。

多くのアーティストたちに影響を与え続けている一枚です。

1960年代、数々のヒット曲を生み出すソングライターとして活躍していた「Carole King」

その彼女がシンガーソングライターとして発表した2枚目のソロアルバムが

『Tapestry』でした。全米アルバムチャートでは15週連続1位という驚異的な記録を打ち立て、今なお多くの人々に愛され続けています。このアルバムを聴いていると、

一人の女性が抱える悲しみや孤独、迷い、そして希望までもが自然と伝わってきます。

決して派手ではありません。大きな声で感情をぶつけるわけでもありません。

それでも心の奥深くに静かに入り込み、聴く人それぞれの人生に寄り添ってくれる。

そんな不思議な力を持っています。「So Far Away」もその代表的な一曲。

キャロル・キングの素朴で優しい歌声。飾らないピアノ。だからこそ楽曲そのものの美しさが際立ちます。このアルバムとの出会いが人生を少しだけ豊かにしてくれる。

 

HI!心呼吸 6月23日(火)

M1>   It Looks Like Rain /   ジャン・アーデン

 

「真っ直ぐな歌声が心に響く一枚」

カナダ出身のシンガーソングライター『ジャン・アーデン』

1962年にカルガリーで生まれた彼女は、デビュー当時から高い評価を受け、

新人賞を獲得した実力派アーティスト。

その音楽人生は決して順風満帆ではありませんでした。

14歳で歌い始め、20歳頃にはバンクーバーの路上やカフェで演奏を重ねる日々。

「ジョン・デンバー」や「Karen Carpenter」の音楽に影響を受けながら、

自分のスタイルを少しずつ築き上げていきました。そして30歳を迎えた1992年。

ようやくメジャーデビューを果たします。

そんな彼女が1995年に発表したアルバム『Living Under June』

ジャン・アーデンの魅力がたっぷり詰まった代表作のひとつ。

フォークロックをベースにしながらも、繊細さと力強さが絶妙に共存したサウンド。

派手さで聴かせるのではなく、楽曲そのものの良さと歌声の説得力で聴き手を惹きつけます。特に印象的なのは、その澄みきった歌声。

伸びやかでありながら芯があり、どこか凛とした空気をまとっています。

人生をしっかり歩いてきた人だけが持つような強さが、その歌声には宿っています。

 

 

 

 

 

M2>  River of Life(ポルトガル・ヴァージョン) /  ヘイトー(HEITOR)

 

「ブラジルの風景が見えてくるような一枚」

ブラジル出身のギタリストでありシンガーでもある『ヘイトー』(Heitor)。

1994年にリリースされたセルフタイトル・アルバム『HEITOR』

「River of Life(ポルトガル・ヴァージョン)」

ヘイトーはブラジルを代表するアーティストたちと活動を重ねた実力派ミュージシャン。

「イヴァン・リンス」や「Djavan」らと共演し、

その後はイギリスの人気バンド「Simply Red」の作品にも参加するなど、国境を越えて活躍してきました。そんな彼の音楽を聴いていると、まず感じるのがブラジルへの深い愛情です。

ギターの一音一音がとても丁寧で、派手さを競うのではなく、楽曲そのものを大切に育てているような印象を受けます。郷愁を誘うメロディ。温もりのあるリズム。

そして肩の力を抜いて楽しめる優しい空気感。

聴いているだけで心が穏やかになっていくようです。

ブラジル音楽を軸にしながら、アフリカのリズムやポップス、

ジャズのエッセンスも自然に溶け込み、実に彩り豊かな作品に仕上がっています。

アルバムのラストを飾る「River of Life(ポルトガル・ヴァージョン)」は、その魅力が凝縮されたような一曲。

 

HI!心呼吸 6月22日(月)

M1>   Bring On The Rain  /   ジョ・ディ・メッシーナ

 

今週もこのコーナーでごゆっくりと♪

『ジョ・ディ・メッシーナ』

「雨の日だからこそ聴きたいカントリー」

ジョ・ディ・メッシーナという名前を聞いて「懐かしい!」と思う方も多いのではないでしょうか。90年代後半から2000年代にかけて、カントリー・ミュージックの世界で数々のヒットを放った彼女。伝統的なカントリーの魅力を大切にしながらも、

ポップスやソウルの要素を取り入れたサウンドは、当時としてはとても新鮮でした。

カントリーというと少し敷居が高いイメージを持つ方もいるかもしれませんが、

ジョ・ディ・メッシーナの音楽は実に親しみやすい。

軽やかなメロディーの中に、アメリカの風景や人々の暮らしが自然に感じられます。

今日ご紹介する「Bring On The Rain」は、

2000年にリリースされたアルバム『Burn』に収録された一曲。

タイトルは「雨を連れておいで」という意味ですが、

ただ落ち込むだけの雨ではなく、その先にある希望や前向きな気持ちを感じさせてくれる作品です。どんよりとした空の日でも、不思議と心を軽くしてくれる。

そんな力を持った楽曲だと思います。梅雨時。あえてカントリーを選んでみる。

 

 

 

 

 

M2>    ルナス・ロタス  /   ロサーナ(ROSANA)

 

「スペインの風を運んでくれる一枚」

スペイン出身のシンガーソングライター『ロサーナ』

日本ではそれほど知られていないかもしれませんが、スペイン語圏では絶大な人気を誇るアーティストです。彼女の音楽をひと言で表現するなら、

ラテンポップをベースに、レゲエやボサノヴァの心地よさを自然に溶け込ませたサウンド。

どこか開放感があって、肩の力を抜いて楽しめる魅力があります。

1997年にリリースされたセカンドアルバム『Lunas Rotas(ルナス・ロタス)』

この作品はスペイン国内で大ヒットを記録し、

チャート1位を獲得。ラジオでも繰り返しオンエアされ多くの人に愛されました。

ロサーナの魅力は何と言ってもその歌声。

低音が印象的で落ち着きがあり、初めて聴くと「男性ボーカルかな?」と思う方もいるかもしれません。しかし、その深みのある声が楽曲に独特の説得力を与えています。

アルバム全体にはラテンの香りがたっぷりと漂っていますが、

決して派手すぎず、とても聴きやすい。スペイン語が分からなくても、

メロディーやリズムだけで十分に楽しめるのもこの作品の魅力です。

むしろ言葉の意味を超えて、音そのものの美しさを感じられる一枚かもしれません。

 

HI!心呼吸 6月19日(金)

M1>    雨に微笑を  /  ROCKING TIME

 

今週の締めくくりは♪

音楽との出会いって、時々人生の景色を少し変えてしまうことがある。

『ROCKING TIME』 は僕にとってそんなバンドだった。

特にフロントマン「今野英明」さんの歌声。

気づけば、その空気感にすっかり惹き込まれていた。

スカやロックステディをベースにしながら、どこか日本の湿度や、優しさみたいなものも感じさせる。肩の力が抜けていて、でも音楽への愛情はとても深い。

その絶妙なバランスが、ROCKING TIME の魅力だった気がする。

2004年に解散してしまったけれど、今でもふと聴きたくなる。

それって、本当に良い音楽の証なんだろうなと思う。

2003年リリースのアルバム『SUMMER JAMBOREE』は、そんな彼らの心地よさがたっぷり詰まった1枚。

「少年時代」をはじめ、洋邦の名曲たちを、ROCKING TIMEらしい温度感でカバーしている。“上手く聴かせよう”というより、“気持ちよく鳴らそう”そんな空気が流れていて、

それがまたいい。今回選んだ「雨に微笑を」も、まさにそんな1曲。

雨の日なのに、不思議と気持ちが軽くなる。湿った空気の中でふっと笑顔になれます♪

 

 

 

 

 

M2>   Love Me, Please Love Me / Dominique Chagnon(ドミニク・シャニョン)

 

今週の締めくくりはこんな曲にしてみました。

“国の空気”みたいなものが漂う音楽ってありますよね。

フレンチポップスを聴いていると、特にそれを感じる。

少し気だるくて、どこかロマンチックで、でも肩肘張っていない。

『Dominique Chagnon』の歌声にも、そんな心地いい風が流れています。

NHKの「フランス語会話」で、彼の姿を見たことがある人も多いかもしれない。

柔らかな雰囲気の奥に、実はしっかりとした音楽的なバックボーンを持っている人。

7歳からピアノ、14歳からギター、そして17歳からはベース。

静かに積み重ねてきた音楽の時間が、彼の作品には自然と滲んでいます。

2003年にリリースされたファーストアルバム『C’est La Vie』

日本を拠点に活動しながら、フレンチポップスの伝統を大切にしつつ、

彼らしい新しい感覚も混ぜ込まれている。

今回の「ラブ・ミー・プリーズ・ラブ・ミー」は、そんな空気感がよく伝わってくる

「ミッシェル・ポルナレフ」のカバーの1曲。

フレンチボッサの柔らかなリズム。優しく包み込むような歌声をどうぞ♪

 

HI!心呼吸 6月18日(木)

M1>     Misty / Rene Paulo(レネ・パウロ)

 

忙しない毎日の中で、ふと、“何も考えずに音楽に浸りたい”そんな瞬間ありません?

『Rene Paulo』(レネ・パウロ) のピアノは、まさにそんな時間を運んできてくれる。

1929年、ハワイ・オアフ島生まれ。

幼い頃、母親の弾くピアノに惹かれたことが、彼の音楽人生の始まりだったという。

その後、ジュリアード音楽院へ進み、さらにアメリカ軍の専属ピアニストとして来日。

1950年代には、六本木や銀座でも演奏していたそうだ。

「中村八大」との交流も有名で、当時の日本では“ジャズ・ピアニストの帝王”

と呼ばれていたというから凄い。

でも、彼の演奏を聴いていると、そういう肩書きより先に、“人柄”のようなものが伝わってくる。柔らかくて、穏やかで、どこかあたたかい。

2015年にリリースされた『スターダスト ~ Sweet Melody For Hawaii ~』は、

そんな彼の魅力が静かに詰まった1枚。

ジャズのスタンダードが並んでいるのだけれど、どの曲も、まるでハワイの風をまとっているように聴こえる。

「Misty」名曲中の名曲だけれどRene Paulo が弾くとまた少し景色が変わるから不思議♪

 

 

 

 

 

M2>     カナカ・ワイワイ / Martin Pahinui(マーティン・パヒヌイ)

 

潮風の心地よさの奥に、家族の歴史や、受け継がれてきた文化が静かに息づいている。

『Martin Pahinui』の歌を聴いていると、そんなことを自然と思い出す。

彼の父は、ハワイ音楽を語る上で欠かすことのできない存在、『Gabby Pahinui』(ギャビー・パヒヌイ)“モダン・スラッキー・ギターの父”と呼ばれた伝説のミュージシャン。

かつて、スラッキー・ギターの奏法は、家族の中だけで受け継がれる特別なものだったという。でも、消えかけていたその文化を守るため、ギャビーは初めて、家族以外の人にもその技術を伝え始めた。音楽を“自分たちだけのもの”にしなかった人。

その懐の深さが、今のハワイ音楽へと繋がっている気がする。

そんな父の背中を見て育った「Martin Pahinui」

彼の魅力は、やはりあの温かい歌声だと思う。

今回の「カナカ・ワイワイ」は、どこか祈りのようでもあり、優しく寄り添ってくれるような1曲。賛美歌として歌われてきた背景があるというのも、なんだか納得してしまいます。

2015年リリースのコンピレーション『ハワイアン・スラック・キー・ギター・マスターズ・シリーズ⑱エンドレス・サマー ~ハワイ、永遠の夏~』

この曲は特に清涼感がある。肩の力を抜いて、風に吹かれるように聴きたくなる音楽。

 

HI!心呼吸 6月17日(水)

M1>  For My Lady [feat. The Shirley Horn Trio] /

Toots Thielemans & Shirley Horn(トゥーツ・シールマンス/シャーリー・ホーン)

歳を重ねるほど、“派手さ”よりも、音の奥にある温度に惹かれるようになる。

「トゥーツ・シールマンス」のハーモニカには、まさにそんな深みがある。

1991年リリースのアルバム『For My Lady』

再生した瞬間から、もう空気が変わる。

哀愁をまとったブルース。柔らかいのに、どこか人生を背負ったような音色。

静かに流れていくのに、耳も心も、自然とそこへ引き寄せられていく。

ハーモニカって、こんなにも感情を宿す楽器だったんだと、

改めて思わされる。時折混ざる口笛もまたいい。洒落ているのに、少し切ない。

まるで夜更けの街角みたいな空気が漂っている。

そして、このアルバムをさらに特別なものにしているのが、

Shirley Horn の歌声。決して派手ではない。声量で圧倒するわけでもない。

歌が始まった瞬間、空気の色が変わる。

マイルス・デイビスが彼女を気に入り、「彼女を先に歌わせろ」と言った逸話も、

なんだか分かる気がする。

上手いとか、技術がどうとか、そういう尺度だけでは測れない魅力。

…ただ、ラジオで流したいのに曲が長い。それだけが悩ましい(笑)

 

 

 

 

 

M2>   There You Are  /   Martina McBride(マルティナ・マクブライト)

 

“カントリー・ミュージック”と聞くと、人によっては少し土の匂いがするような、

アメリカ南部の風景を思い浮かべるかもしれない。

でも、時々そのイメージを、静かに覆してくれる曲に出会う。

Martina McBride の「There You Are」もそんな1曲。

1966年カンサス州シャロン生まれ。

カントリー界を代表するシンガーとして、長く愛され続けている彼女だけれど、

その魅力は、ジャンルを超えて届いてくる“声”にある気がする。

力強いのに、どこか繊細。

真っ直ぐなのに、押しつけがましくない。

だからこそ、バラードになるとその歌声がより深く心に残る。

2001年にリリースされた『Greatest Hits』は、彼女にとって初めてのベストアルバム。

5枚の作品を経て辿り着いたその1枚は“ベスト盤”という言葉以上に、

彼女の歩いてきた時間そのものを感じさせる。

その中に収録された「There You Are」。

初めて聴いた時、“これ、本当にカントリー?”

そんなふうに思った。それくらい、美しいメロディと空気感に包まれます♪

 

 

HI!心呼吸 6月16日(火)

M1>    Happy Ever After  /  Julia Fordham

 

“涼しい音”が聴きたくなる瞬間がある。

派手なサウンドではなく、風がゆっくり抜けていくような音。

そんな気分の時、自然と手が伸びるのが

『Julia Fordham』の「Happy Ever After」

1988年。彼女のデビューアルバム

『Julia Fordham(ときめきの光の中で)』に収録された1曲だ。

初めて聴いた時のことを、今でもよく覚えている。

深く息を含んだようなブレス。少しかすれた低音。

でも、その奥には透明な光みたいな高音がある。“男性ボーカルかな?”

最初は本気でそう思った。けれど、MVに映るショートヘアの彼女を見て、

その声とのギャップに驚いた。

静かなのに、強く印象に残る人だった。

この曲は、シンプルなパーカッションのリズムを軸に進んでいく。

だからこそ、歌声そのものの質感が際立つ。

重なっていくコーラス。少しずつ増していく熱。その瞬間に、身体の奥がゾクッとする。

 

 

 

 

 

M2>   さよならの中で~果てしなき日々 /

Claudio Baglioni(クラウディオ・バリオーニ)

歳を重ねることが、

“渋さ”や“色気”に変わっていく人がいる。

イタリアのシンガー『Claudio Baglioni』(クラウディオ・バリオーニ)を聴いていると、

そんな“大人の格好良さ”を思わずにはいられない。

1951年、ローマ生まれ。「Questo piccolo grande amore」の大ヒットで、

イタリアを代表する存在となった彼は、今もなお多くの人を魅了し続けている。

繊細なのに情熱的。静かに語りかけるように歌ったかと思えば、次の瞬間には、感情を大きく広げてくる。その歌声には、人生そのものが滲んでいる気がする。

さらに、知性を感じさせるメロディと詩。

歳を重ねても変わらないスレンダーな佇まい。

“イタリアンポップス界のジョージ・クルーニー”

なんて呼ばれるのも、なんだか納得してしまう。

1990年に発表されたアルバム

『Oltre』は、そんな彼の魅力が深く詰まった作品。

今でも毎日のように聴き続けるファンがいるというのも頷ける。

歌声の説得力。演奏の美しさ。メロディの重厚感。ただただ圧倒される。

 

 

HI!心呼吸 6月15日(月)

M1>   Fling(フライング)  /   タイリース

 

今週もこのコーナーでごゆっくりと♪

夏が近づくと、なぜか聴きたくなる声がある。

『タイリース』

2001年にリリースされたアルバム『2000 Watts』に収録された

「フライング」は、派手ではないけれど、じんわりと身体に染み込んでくるような1曲。

彼はロサンゼルス、

しかも“ワッツ暴動”で知られるWatts地区の出身。

決して恵まれた環境ではなかったという話は、このアルバムを聴いていると、

音の隙間から自然と伝わってくる。

モデルとして成功し、「トミー・ヒルフィガー」の広告にも登場しながら、

どこかストリートの空気を失っていない。

それがタイリースの魅力なのかもしれない。

この「フライング」は、甘くベルベットのような歌声と、

心地よく流れるベースラインが印象的なミディアムナンバー。

暑さを忘れさせるというより、

夏の熱を静かに受け入れてくれるような曲だ。

 

 

 

 

 

M2>     Showya   / The Ray Mann Three(レイ・マン・スリー)

 

音楽には、“好き”を通り越して、

“憧れ”が滲み出てしまう瞬間がある。

オーストラリア・シドニー出身の3人組、

『The Ray Mann Three』の音を聴いていると、そんなことを思う。

彼らの作品には「ディアンジェロ」への深いリスペクトが静かに流れている。

90年代以降のR&B、そして“ネオ・ソウル”という潮流を語る上で、

ディアンジェロの存在はやはり特別。その空気感を受け継ぎながらも、

ただの模倣では終わらない。

2012年にリリースされたアルバム『Sketches』は、彼らなりの解釈で、

ブラック・ミュージックを丁寧に再構築している。

中でも「Showya」。

ゆっくりと身体に入り込んでくるスロー・グルーヴ。

乾いた夜風みたいなギター。

少しだけファンクの匂いを漂わせながら、時折、AORの陰影も覗かせる。

派手さではなく、“質感”で聴かせる音楽。

 

 

HI!心呼吸 6月12日(金)

M1>   Any Old Time  /   マリア・マルダー

 

今週の締めくくりはこの曲2曲にしてみました♪

『マリア・マルダー』の「Any Old Time」。

1973年リリースのデビューアルバム

『Old Timey Lady』に収録された1曲です。

ブルース、フォーク、ジャズなど、アメリカのルーツミュージックを

自然体で歌いこなすマリア・マルダー。

このアルバムには、そんな彼女の魅力がたっぷり詰まっています。

どこか懐かしく、肩の力が抜けた空気感。

まるで古いアメリカ映画のワンシーンを眺めているような心地よさがあります。

参加ミュージシャンも豪華で「ライ・クーダー」や「ドクター・ジョン」など、

名プレイヤーたちが作品を彩っています。

「Any Old Time」は、派手ではないけれど、じんわりと沁みてくる1曲。

気づけば何度も聴き返したくなる、そんな温もりがあります。

ゆったりとした週末の夜にもぴったり。

ぜひ、リラックスしながら楽しんでみてください。

アメリカンミュージックの懐の深さを痛感できるアルバム。

 

 

 

 

 

M2>   Under The Rainbow   /   ブリンドル

 

今週の締めくくりは♪

ラストにお届けしたのは『ブリンドル』の「Under The Rainbow」

1995年リリースのアルバム

『Bryndle』に収録された1曲です。

ブリンドルは「アンドリュー・ゴールド」「ケニー・エドワーズ」

「カーラ・ボノフ」「ウェンディ・ウォルドマン」の4人によるグループ。

実は70年代初めにも活動していましたが、

当時はアルバムをリリースすることなく解散していました。

その後、それぞれがソロアーティストやソングライターとして活躍。

そして約20年の時を経て、再び集まり完成したのがこのアルバムです。

長い時間を経たからこそ生まれる、やさしい空気感。

懐かしさだけではなく、お互いの経験や個性を尊重しながら音を重ねているのが伝わってきます。特にコーラスワークには、長年変わらない友情や信頼感が自然とにじみ出ています。

「Under The Rainbow」も、そんな彼ららしさが詰まった1曲。

穏やかな風が吹き抜けるようなサウンドに、思わず肩の力が抜けていきます。