
岩野さんは、桐生出身・在住の45歳。
布を染めて、切って、縫って、つくる手仕事のブランド「ezu」を手掛けています。
岩野さんが服を作り始めたのは、4歳の時。
祖父母・両親が経営していた食堂がとても忙しかったため、小さいころの岩野さんの居場所は食堂のお座敷の限られたスペース。
そのスペースでできる遊びとして、紙を切って貼って作ったお人形のお洋服が、岩野さんが作った最初の服なのだそうです。
その後成長するにつれて、針やミシンが使えるようになり、作る服も徐々に本格的になっていきました。
自分で作った服を着用していた岩野さん。
21歳くらいの時に、「その服どこのブランド?」と聞かれ、自作の服だと伝えると、その方のお店で販売しないかと誘いを受けました。
それまでは自分で作った服を売ることや、ブランドにすることは考えていなかったそうですが、いざ売ってみるとその日の夕方には売れて、それが衝撃であり喜びでもあり、それから服を作って販売するようになりました。

服作りは学校などで学んだわけではありません。
ビンテージのお洋服の糸をほどいて、もう一度編みなおすなどの趣味の中で覚えていったそうです。
染色もこのころから自分で行っていました。
キッチンで小さい鍋で染めていたそうです。
2009年、「RIPPLE YōHINTEN」というブランドを立ち上げました。
そうして県内外だけでなく、国外にまで岩野さんの作品は広がるようになり、2024年ブランド名をezuに変更しました。
洋品店という日本語の趣が海外ではうまく伝わらず、思い切ってシンプルな「ezu」という名前にしたのだそう。
「ezu」は「絵図」からきています。
「これまでの制作活動の中で、お洋服はその1着で人生を変えるくらいのエネルギーを持っていると感じていたので、その人自身が思い描く地図のようなお洋服を作り続けたい、という思いを込めて名付けた」と語ってくれました。
そんなezuでは、シャツやセーター靴下など様々なアイテムを販売しています。
これらはすべて手作りで桐生のまちの縫子さんや編み物屋さん、染物屋さんと一緒に作っているそうです。
その職人さんたちは、15年ほど前にアパレルの制作産業が海外に出たことで工場がつぶれてしまい、他の職業についた人たち。
岩野さんは電話帳からかつての縫製工場をしていたところに電話をかけて職人さんたちにお願いをして回ったそうです。
そんな岩野さんと職人の皆さんの思いが詰まった「ezu」のアイテムは、オンラインショップや毎月1日から7日までの1週間開いている桐生市小曽根町のアトリエで手に取ることができます。
グンマドンナ
今週は桐生を拠点にアパレルブランド「ezu」を手掛ける岩野久美子さんをご紹介しました。
来週は海外進出についてのお話を伺っていきます。
お楽しみに!
