18/19シーズン新加入選手 濱邊優愛選手インタビュー 

「負けたくないんです。」

加入してまだ日は浅い。当然、取材の機会も少ないが、話を聞くたびに、彼女はそのフレーズを口にする。

選手としての魅力はこれからコートで見せてくれるだろう。それとともに、気持ちを前面に出してくれる選手は理屈抜きに応援したくなる。苦しい場面、厳しい場面で、チームや仲間を支える大きな力になれるからだ。負けない気持ちを前面に出す濱邊優愛には、そんな存在になってくれることを期待したい。

「性格的に負けず嫌いなんです。」と公言するが、こと、バレーボール選手として、自分への評価となるとあくまで控え目だ。

旭川実業高校時代には、エースとして活躍し、春高をはじめ、主要大会にも出場し、活躍したが、「高さも足りないし、自分の力では、Vリーグなど通用しないと感じていた。」と当時を振り返る。

それでも応援する周りの皆さんの支えや期待もあり、VCL1の仙台へ加入した。

ならばと「やるからには1番になる。」と強い気持ちをもってVリーグの世界に飛び込んだが、加入直後から高卒ルーキーには厳しい現実と向き合わなければならなかった。

加入した仙台は半年ほどで活動が難しくなり、チームの活動が停止する事態に。新たな移籍先となった姫路も半年でチームを離れることになった。高校を卒業し、わずか1年という短い期間で、波乱万丈ともいえる時間を過ごし、今回、グリーンウイングスへやってきた。

今回の移籍にも様々な思いがあった。当時の状況から「逃げたい気持ち」にもなった。しかし、「応援してくれる人、支えてくれる人、評価してくれる人がいるのに、逃げるわけにはいかない。改めてバレーボールをやろうと思った。」と胸の内を明かしてくれた。

気持ちを新たにスタートした濱邊は、「結果が欲しい。」と新シーズンの目標をシンプルに定める。「プロである以上、中身より結果がすべてなので。試合に来られない人は結果しか見ないですから。」と自らに甘えを排除するかのようにドライな目標を口にする。

そして、そんなチームの中での自らの役割については、「自分の武器は、気持ちや雰囲気を出すことだと思う。もちろんプレーで出せるのがいいけど、それ以外でも伝えられたらと思う。」と話す。

「負けたくない」その思いを個人としてだけでなく、チームとしても発揮してくれる濱邊の存在は、年齢やキャリアなど関係なく、グリーンウイングスにとって大きな支えになってくれそうだ。そして、群馬銀行のバレーボールの歴史において気持ちで戦える選手は常にチームを牽引する存在であった。濱邊優愛という選手にはそんな存在になってくれることも期待したい。