12/26放送分 Fly High Green Wings

12/26放送のFly High Green Wings!は、チームのキャプテンと副キャプテン、三好紗弥香選手と柿沼杏奈選手がスタジオに来てくれてリーグ前半戦の感想と後半戦への意気込みを語ってくれました。

リーグ後半戦のスタートとなった柏エンゼルクロス、プレステージ・インターナショナル・アランマーレ戦に勝利し、2連勝スタートとなったグリーンウイングス。勝負はここから!全員バレーで高みを掴みましょう!

最高の瞬間と最高の誕生日を掴むために…リーグ後半戦、スタート!!

リーグは、皇后杯、年末年始の中断期間を終えて再開する。首位・柏エンゼルクロスを3ポイント差で追いかける群馬銀行グリーンウイングスは、初のリーグ優勝に向け厳しい戦いを勝ち抜いていかなければならない。そんな大事な戦いが始まるのを前に頼もしい選手が戻ってきた。小林愛里だ。力強いアタックが魅力の彼女は、およそ1年に及ぶケガとの戦いを乗り越えたくましさを身に付け戻ってきた。そして、彼女の復帰には、チームメイトの支えもあった。リーグ優勝という未知なる場所へたどり着くために、グリーンウイングスはさらに力強いバレーボールを見せてくれるだろう。

小林愛里は、茨城・日立二高から加入した2年目のウィングスパイカーだ。グリーンウイングスのVリーグ初挑戦となった2015/16シーズンには、早くから内定選手として帯同し、力強いスパイクでチームの攻撃を支えた。正式入部の2016年春以降も、チームの得点源として期待され、本人もその期待に応えようとトレーニングを続けてきた。そんな中、小林をケガが襲う。

昨シーズン途中となる2017年冬。夜、ベッドから起き上がり、移動しようとした際、崩れ落ちた。足に力が入らず、歩けない。全く味わったことのない感覚だった。これまでも、足に痛みは感じていたが、筋肉痛か何かの類と思い、「休めば治るだろう。」と感じていた矢先だった。だが、診断を受けた結果は、左足すねの疲労骨折。骨が砕けた状態だった。そして、ここから彼女はケガに悩まされる日々が続く。治りかけてきた夏には、今度は、右足の甲に疲労骨折が判明。バレーができない日々に、「早くバレーがやりたい。」「何のためにここに来たのか。」「自分は何をしているんだ。」と、苛立ちや焦りが続いた。

だが、そんな彼女を支えたのが、一番近くにいるチームメイトだった。ある日、小林がコートに立った時、高卒同期入部の寺坂茜が「一緒にコートにいてくれて楽しかったよ。」と声をかけてくれた。嬉しかった。そして、ケガを乗り越えて、バレーボールがしたいと思った。「みんなが、自然な形で『早く戻ってきて』『早く出ようよ』と気にかけて、声をかけてくれるのがうれしかった。見捨てられていないんだなって思えたんです。」と、小林はチームメイトの温かさに再びバレーボールに向かう力を与えてもらった。

コートに立てなかった間も漫然と過ごしていたわけではない。今まで、バレーボールを始めたころから常にチームの中心としてコートに立つのが当たり前だったが、コート外からバレーボールを見る時間を過ごし、新たにバレーボールを学ぶことができた。また、そこで感じたことをチームメイトに伝えるなど、これまでできなかった役割を果たすこともできるようになった。ゲーム中も、コートには立てないが、積極的にチームメイトに声をかけたり、サポートをすることで雰囲気作りに励んだ。ケガで苦しんだのは、小林にも、チームにも辛い事だったが、彼女にとっては今後、さらに選手としてのランクを上げるための時間でもあったのではないだろうか。

復帰戦となった、12月10日のブレス浜松戦では、途中出場し、第3セットからはスタートメンバーとしてコートに立った。個人の技術成績は高いものではなかったが、「チームの流れを変えるために声掛けをしたり、どうやったら仲間にスパイクを決めさせられるかを考えてプレーしました。」とケガの間に学んだこと、感じたことを活かそうとプレーした。そして、小林の思い、各選手の思いがひとつになったグリーンウイングスは、2セットを失い、敗色濃厚だった状況から盛り返し、連敗阻止、年内ラストゲームで勝利と大きな1勝を挙げることができたのだ。

チームは、初のリーグ優勝へ向け、再開するリーグ後半戦に挑んでいく。そして、小林も巻き返しへ向け本格的な復帰となる。

小林は、「試合に出られれば、スパイクで相手ブロッカーと勝負したい。それと、ケガの間に学んだ打ち分けることなど攻撃の多彩さも表現したい。それに、ムードメーカとして声掛けも頑張って、チームや仲間を支えたい。」と、リーグ戦への意気込みを語ってくれた。もちろん、今のグリーンウイングスは、多彩な攻撃陣をそろえるチームとなっていて、期待の大きな小林と言えどもレギュラーが約束されている立場ではない。それでも、小林は「いい意味で切磋琢磨していきたい。お互いが『あの選手の様にこうしたい!』と思えるプレーが出せ合えればチームのためになる。」と話す。そして、「だから、私も誰にも負けない自分の強さで勝負したい。そうじゃないと生き残れないですから。」と強い決意を口にした。

これまでの彼女は、自分自身を語ることで精いっぱいだったが、この1年の経験を経て、見る世界、感じる部分、思う事柄が格段に広がり、自分の事だけでなく、勝利のために、チームや仲間に自分ができることが何なのか、そして、Vリーガーとしての自分ということを語れる選手に成長したと思った。ケガは、選手生命を奪う大きな要因になる。一方で、乗り越えることができ、支えることができた時には、選手に、チームにより大きな力を与えるのだと、彼女の言葉を通じて感じた。

そして、リーグが再開する。そんな、リーグ後半戦へ向け、小林は、こんな思いを口にした。

「リーグ最終戦が誕生日なので、試合に出て、勝ちたいです。」

今シーズン、最終戦の2月17日、柏エンゼルクロス戦は、小林愛里の20歳のバースデーだ。ならば、そんな彼女の誕生日に、リーグ優勝という最高のプレゼントを付けようじゃないか。もちろん、簡単ではない、だが、今のグリーンウイングスには、それができる力が十分にある。今までにない最高の誕生日を迎えたいのは小林だけではない。だからこそ、チーム、応援団、ファン、皆が一体となったバレーボールで、リーグ後半戦を戦い抜こうではないか。

17/18 VCL2・山形大会

13日土曜 柏エンゼルクロス戦、14日日曜 プレステージ・アランマーレ戦