群馬県民会館の廃止を山本知事が発表 新しい文化拠点の整備を検討へ


存廃の議論されていた前橋市の群馬県民会館について、山本一太知事は15日、現在の県民会館を廃止すると発表しました。

建物は来年度以降に解体する方針で、今後、周辺エリアを含め新しい文化拠点として整備を検討します。5月22日開会の県議会第二回定例会に、県民会館廃止に関する議案や、新たな拠点整備検討に向けた予算案を提出します。

県民会館は県有施設のあり方見直しで、2020年に「県有施設としては廃止を検討する」という方向性が示されましたが、「慎重に検討すべき」とする県議会の決議や市民団体の反発があり2021年には「当面の間、施設を存続させる」としていました。しかし、その後の検討で利用者数の減少や、改修費用が総額50億円以上の多額となることが分かり、山本知事は廃止を決めたということです。

県では今後、跡地の周辺エリアを含め文化、アート、学びなど多彩な機能を組み合わせたハイブリッド型の新たな文化拠点を検討する方針で、山本知事はライブハウスや多目的スタジオ、新たな図書館などを一例にあげて、「時代のニーズにそった新たな文化拠点を考えることが必要」などと話しました。また県民会館について「多くの県民の文化活動を支えた大切な場所だった。建設から50年が経過し、その役割を終えた」とも話しました。前橋市の小川晶市長にも13日、山本知事が訪問し廃止について説明したということです。

一方、県民会館存続を求めてきた市民団体「群馬県民会館の存続を願う会」と「群馬県民会館を守る会」は、山本知事の廃止方針発表をうけて、「私たちは熟議無しの廃止方針に強く抗議し、改めて県議会での論議及び前橋市との協議を進めることを求める」などとするコメントを発表しました。

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