県立自然史博物館に展示されていたクジラの化石が新種と判明

富岡市の県立自然史博物館が所有・展示しているクジラの化石が、すでに絶滅しているインカクジラ属というグループの新種であることがわかりました。

化石はペルーで発見された体長およそ10メートルのクジラのものです。1991年に群馬県が購入して、高崎市の県立歴史博物館で展示、96年からは県立自然史博物館で常設展示しています。購入段階ではナガスクジラの仲間であることまでしか分かっておらず、自然史博物館は世界的なクジラ類化石研究者のニュージーランドの故ユワン・フォーダイス博士と共同研究を行ってきました。

そうした中、同じくペルーで発見されたクジラの化石が2016年に新属のインカクジラ属として報告され、研究の結果、自然史博物館の化石はインカクジラ属の新種と判明しました。学名は博士の名前に由来してインカクジラ・フォーダイセイとしました。県立自然史博物館の担当者は、今回の研究でこれまで知られていなかった過去の生物多様性が明らかになったとしています。この化石には通常は化石として保存されないクジラヒゲの痕跡が保存されていて、絶滅してしまったクジラ類の具体的な生態を明らかにする手がかりになるということです。

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