10日、ザスパはホームで琉球と対戦し、2-1で逆転勝ちした。立ち上がりに先制点を許したが、前半のうちに藤村怜のFKが絶妙なコースを突き、ゴール。早めに同点に追いつけた。そして、決勝点は、後半12分、左サイドから複数人が関わり、百田真登がシュート。相手GKに阻まれるも、こぼれ球を逆サイドから駆け上がってきた貫真郷がしっかりと流し込み、決勝点となる勝ち越しゴールを奪った。
貫にとっては、プロ5年目で初ゴールというメモリアルなゴールになった。
現在のJ2RB大宮アカデミー出身の貫は、早くから活躍が期待されていたが、大宮ではチャンスをつかみきれずにいた。JFL青森に武者修行にも出たが、ザスパに来る前の25年もJ2で出場1試合にとどまるなど苦労していた。
SB/WBながら184センチと高さもあり、イメージに合致したザスパが、百年構想リーグに合わせ獲得、期待も大きく、開幕スタメンでその後も出場機会を得たが、徐々に、スタメン落ち、メンバー外、そして、ケガなどもあり試合から遠ざかる時間の方が長くなってしまった。
26/27シーズンがはじまり、ザスパは監督交代、そして、同ポジションの小西宏登が移籍すると、コンディションも上がってきた貫が、第6節・山口戦からスタメンで復帰した。直近、5試合連続スタメンで、琉球戦ではゴールも生まれるなど、流れを掴んできたように感じる。
第7節・高知戦後に話を聞いた時は、「個人としても、チームとしても踏ん張りどころ、大事な時期なので、今を大切にしたい。」と、この瞬間の重要性を口にしていた。
一方で、自らのプレーには、「守備も攻撃もまだ迷いが部分が結構ある。もっと割り切ってやっていいと思う。」と課題を感じていた。
そんな貫の琉球戦でのゴールには、迷いは一切感じられなかった。鋭く右サイドを駆け上がり、ゴール前に詰め、チャンスを逃さなかった。タラレバ、少しでも迷いがあり、シュートもできず、相手のボールになってカウンターになれば、背後を突かれる危険性、そして、いつもの嫌な形から失点してしまう可能性もあった。だが、迷いを断ち切り、やり切る、決めると割り切った貫のプレーがゴールと勝利に繋がった。
3試合ぶりの勝利で、ザスパは今季3勝目をマーク。しかし、順位は17位。目指す目標からは遠いままだ。それでも、貫自身がこの日のゴールでますます自信を深め、攻守に躍動すれば、現状の差を埋めることも叶わないわけではない。
「沖さんから学んだこともやりつつ、型にはまらず、状況に応じたプレーを組み合わせていけば攻撃もよくなる。沖さんが教えてくれたことも、依田さんが今やっている事も、上手く適応しながらやっていきたい。」
沖田優監督が築いた良さもしっかり活かされている、そして、依田光正監督が始動している部分も、理解が深まり始めている。けが人やコンディションで苦しんでいた選手たちも徐々に戻った来た。そして、貫のように苦労はしたが、輝きを放ってくれる選手も出てきた。
ザスパ全体で言えば、勝ち癖がない、自信がない、流れがないというのも、今の不振の大きな要因だと思う。ただ、それを掴む、手にするのは容易ではない。だから、貫真郷のように、その要素を手にした選手たちが、チームを牽引するような存在になってもらいたいのだ。
ここから5試合は、ホーム戦が僅か1試合、そして、ミッドウィークのゲームも入る。勢い、流れは重要だ。ザスパ浮上のきっかけとする5試合にしなければならない。
