保護猫と暮らす人は、家族に迎え入れる思いが様々あり、猫たちもそれは同じこと。きょうだいや親子のように寄り添う姿をSNS上で見せている猫たちにも、そこに到達するまでには、いろいろな葛藤が。猫たちを見守ってきた飼い主さんの思いとは。
【写真】「こんなん泣いてまう…」もう1匹のパパがわり”たぬ”が“しま子”と寄り添ったら? まるで親子のよう
■母から受けた愛を思い出し子猫に注ぐ、その姿は父のよう
5匹の保護猫と同居している飼い主さんは、今年6月に子猫を見つける。“しま子”と名付けられた子猫は好奇心旺盛で、迎えた当初は先住猫たちを怖がらせていた。しかし、少しづつ一緒の時間を過ごすことで、心の距離も近づき、今ではそれぞれがしま子を見守っている。
母との複雑な関係を過去に持つ“たぬたぬ”。母猫が大好きでそばを離れなかったが、自然の摂理で距離を置かれ、時に激しく怒られることもあったという。
「たぬは、自分が受け入れられないことが理解できないようで、怒られても大好きな母親にくっついていこうとします。と同時に、そんな状況にストレスを感じているようで、もともと筋肉質で、喧嘩が強い猫だったので、他の猫たちに当たって、ストレス解消をしているような姿が見られました」
母猫が亡くなると、たぬたぬは飼い主さんを母のように慕い、ほぼ毎晩布団で一緒に寝たり、そばにいることで心の安定を保っていたように感じたという。喧嘩っ早く、兄弟には敬遠されている存在だったたぬたぬ。
子猫がゆえに飼い主さんに甘えるしま子に対して、はじめは冷や冷やしながらそれぞれの様子をうかがっていたという。その心配を裏切るように、たぬたぬはしま子を優しく受け入れた。
「他の猫であれば、威嚇したり、猫パンチしたりするたぬが、スッと寄ってきたしま子の毛づくろいを始めたんです。しま子も嬉しいようで、たぬの姿を見つけると、トトトと駆け寄って身をすり寄せるようになりました」
■時には厳しく指導? 仏の心で妹を見守る兄猫
たぬたぬの兄弟の“ボヨヨン”。最初はしま子が怖いようで、しま子が興味深げに近づくと逃げたり威嚇したりしていたという。
飼い主さん宅での生活も慣れてきたしま子は、飼い主さんの布団の上を何周も走ったり、椅子から布団へジャンプしたりとおてんばぶりを発揮。先住猫たちにも臆することなく向かっていく。
たぬたぬとしま子の様子を見ていくうちに、しま子が怖い存在とは思わなくなったのだろうか。ある時から、仏のような心で接している様子が見られるように。
寝ているボヨヨンの頭や顔を触り「遊んで」とせがむしま子に、怒ることもせず、じっくり耐える姿があった。しかしちょっとしま子が調子に乗り、暴れて蹴りを入れると、手加減しつつも“教育の甘噛み”をするボヨヨン。優しく諭す様子にSNSでも「こんな先輩がいるなら安心」と、ボヨヨンの指導に絶賛の声が寄せられていた。
保護猫のなかには、人間が想像もしなかったような生き方をしてきた猫もいる。きょうだいであっても、母から受けた愛情は平等ではない場合も。しかし、それぞれの中に残る母に愛を思い出しながら、新しい家族へ接しているのかもしれない。突然やってきた子猫の存在は、猫たちの平穏な暮らしに刺激を与えているようだ。
(提供:オリコン) |
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たぬたぬに寄り添って寝るしま子(@nekotoixtusho) |
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