【オリコンニュース】
リモートできない、カメラマン窮状
 コロナ禍により、多大な影響を受けるエンタテイメント業界。なかでも、テレビ番組やライブ、映画、演劇などへの影響はよく報道されているが、あまり触れられることがないのが、雑誌や広告等の写真を撮影するカメラマンの窮状だ。問題はあるとはいえ、一部オンラインが可能な他業種に比べ、リモートが不可能なこの仕事。カメラマンに近しい雑誌社、ヘアメイク、ロケバスなども同様だ。緊急事態宣言が解除となっても、すぐに解決するとは思えない現状について、生の声を聞いた。

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■テレビや記者会見はオンラインでも成立、一方で決してリモートできないカメラマン

 いよいよ緊急事態宣言が全都道府県で解除となり、一時期よりは希望が見いだせるようになった。だが、エンタテインメントや文化の中心地・東京では、一部で休業要請が続き、テレビ番組でもリモートがメインとなるなど、影響は計り知れない。だが、情報番組やバラエティーなど、リモートを駆使した構成に制作側も視聴者も慣れてきたことも事実。NHKでは、ドラマすらリモートで撮影する試みも行われた。ほかに、記者会見なども数が減ったとはいえ、ライブ配信やメール、SNSでの情報提供が行われ、そこから記者やライターが原稿を書くこともできる。WEBニュースにあまり変化がないのは、このようにオンラインでコンテンツを生み出すことに、もともとあまり違和感がないせいもある。

 だが一方で、リモートで仕事をすることが難しいのが、写真を撮るスチールカメラマンである。雑誌や広告、WEBなどに掲載する写真を撮影することを生業とする彼らだが、撮影対象は人物、静物、風景など、多岐に及ぶ。とくにエンタテインメントやファッション、広告系の場合は、人物撮影を行うことが圧倒的に多い。人物を撮影する場合、撮影対象に近づく、また複数人の撮影対象同士を近づける、閉じた空間であるスタジオで撮影する、密集したイベント等で撮影する、などがある。まさに3密、ソーシャルディスタンスをとっていては、どうにも仕事にならないのである。もちろん、タレントの自撮りをそのまま雑誌等に掲載することは可能だが、人物グラビアやファッショングラビアとして見たとき、クオリティが遠く及ばないことは自明の理。ドラマの撮影がいっこうに進まないのも、同じ理由だろう。

 コロナ禍について、多大な影響を明かしたエンタメ系カメラマンのK氏は、カメラマン同士で窮状を話し合うべく、Zoomでの会合を行ったという。「私自身、緊急事態宣言発令以降は、ほとんどの仕事がキャンセルになりましたが、他のカメラマンも同様。有名人のグラビア撮影はなくなり、イベントやライブ自体も飛んだので、予定していたツアーパンフレットの撮影もストップしている状態です」。

 もともと、ここ数年で雑誌の休刊が相次ぎ、web媒体がそれに代わったことで、エンタメ系カメラマンの仕事は激減。媒体を介さず、タレント・アーティスト・イベント主催者側から直接請け負う「オフィシャルの仕事」がメインだったそうだ。

 「有名タレントが所属する大手事務所では、4月初旬までは撮影があったものの、5月は一切行わないようです。他もおそらく同じでしょう。自粛期間中に芸能人が3密で撮影していたことがわかれば、世間から叩かれることもある。それだけに、どこも様子見なんだと思います。また、今後もしばらく、タレント同士を近づけた撮影はとてもできない。アイドルなど、メンバー同士が肩を組んだり密着したりする写真はファンから好まれていましたが、それも当分難しくなると思います。さらにライブやイベントは、それ自体がいつ解禁されるかもわからない。先が見えない状況です」。

■「ロケをしていたらクレームが入る」、ロケバス、ヘアメイクも壊滅状態

 一方、ファッション・広告系の撮影をメインとするカメラマンM氏もまた、同様に仕事の依頼はストップしているという。さらに、撮影に関わる様々な業種の窮状も教えてくれた。

 「まず、白ホリゾントのスタジオ(四方が壁に囲まれた密閉されたスタジオ)は、東京都から休業要請も出ており、営業しているところは少ない。ハウススタジオ(家屋風などシチュエーションのあるスタジオ)は窓を開けたりできるので、一部で通販カタログ等の撮影をすることもあるようです。とはいえ、スタジオはある程度人員を雇っているところも多く、人件費が発生する。経営するスタジオのうち、いくつかを閉鎖するという話も聞きますね。また、屋外で行うロケ撮影なら可能と思われますが、都心でモデルを使ったロケをしていたら、クレームが入る可能性がある。だから大手雑誌社などはロケも中止。その分、ロケバスを運営する会社は悲惨です。2ヵ月もその状態が続いていたら、どこも潰れてしまう」。

 また、撮影に関わるヘアメイクも、打撃を受けている職業の一つ。タレントやモデルに近づいてメイクを行うこともあるが、メイク道具を使いまわすことも問題視されている。「メイクで使う筆やパフなども、一度使ったら毎回消毒が必要になるので、メイクさんの負担が非常に増えている。一方で、マスカラなどはメイクさんではなく、モデル自身が施しています。目の粘膜からの感染もありますからね」。

 撮影にまつわる様々な分野に影響が出ていることで、ファッションなどを扱う雑誌社もモデル撮影を中止し、3密が発生しない静物(服など)のみの撮影を行っている。それだけに、通常どおり雑誌を発行することは難しく、発売を遅らせ合併号として発行するところも多いそうだ。「ただ、完全に休刊するとスポンサー料が入らないことになり、雑誌が立ち行かなくなる。だから、なんとかして出さないといけない」という。とはいえ、広告の撮影自体も「コロナの影響でお金が動かず、予算が付けられない。新たな撮影は行いようがない」というから、もはや八方ふさがりと言うほかない。

 このように、テレビやライブ、映画、演劇の窮状など、ニュースで報道される内容以外でも、エンタメ界に大きな影響を及ぼしているコロナ禍。カメラマン両氏とも、持続化給付金の給付は受けられたようで、なんとか現状をしのいでいるようだ。だが、この状況は多少改善するとはいえ、今後も続いていくことに変わりはない。「様子を見ながら、少しずつ再開していくしかない。だが、コロナの影響が完全になくなるわけではないので、これまでのやり方は変わっていくだろう」とM氏。

 生活必需品ではないとはいえ、人々の心や生活を豊かに彩るエンタメやファッション。従来通りとはいかないにせよ、これらに関わる仕事もコロナとの共存の方法を見出し、1日も早く、文化をつないでくれることを願う。

(提供:オリコン)
コロナ禍で、プロカメラマンが多大な影響を受けている
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