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石原さとみ、吉田鋼太郎が対談
 ドラマや映画、舞台で活躍し、当代きっての“色気”を持つ女優・俳優である石原さとみと吉田鋼太郎が対談。舞台『アジアの女』(9月6日~)で演出も手掛ける吉田は、主演の石原をどう料理するつもりなのか? お互いの魅力から、正反対とも言える舞台への向き合い方についても語った。

【写真】色気たっぷりの“くびれ”、惜しげもなくボディライン見せる石原さとみ

■「個性がなくて悩んでいた時期が長かった」、石原さとみは今や“原色の女優”に

 劇作家・長塚圭史の戯曲を、石原さとみ主演、吉田鋼太郎演出・出演で贈る舞台『アジアの女』。大災害によって崩壊した町。半壊した家に住み続ける兄・晃郎(山内圭哉)と、かつて精神を病んでいた妹・麻希子(石原さとみ)、そして書けない作家・一ノ瀬(吉田鋼太郎)、さらに家から出ない兄妹の世話を焼く巡査の村田(矢本悠馬)と、麻希子に近づく女(水口早香)。純粋さと狂気のはざまにいる麻希子をはじめ、様々な人たちの未来が動き出す――。

――お二人は、『アジアの女』のどんな部分に惹かれたのでしょうか?

【吉田鋼太郎】僕は2006年に長塚くんが演出していた初演を観ていて、“薄ぼんやりした”印象を持っていたんです。一回観ただけではわからないような内容だった。そんな印象があった作品だったのですが、もし僕がやるなら、輪郭をはっきりさせないといけないと思ったんです。石原さんという女優は、色に例えるなら、グラデーションがかかっていない原色。非常にはっきりした色を持っている女優さんなので、この作品をやったなら非常に面白いのではと感じました。

【石原さとみ】色々な本を読ませていただいたのですが、一番ワクワクしました。勇気が必要で、がむしゃらというよりは繊細な挑戦が必要な作品。舞台でしかできない表現ができると感じられたので、すごく惹かれました。

――はっきりした色を持っている女優、という吉田さんのお話に対してどんな感想を持ちましたか?

【石原さとみ】すごく納得しました。私自身エンタテインメントが好きだし、色々な監督や演出家の方からも、そういったものを求めていただいているのかなという意識はありました。私、25歳くらいまで、個性がなくて悩んでいた時期が長かったんです。でも今、そうやって原色という色がついたならば、今度はそこから崩していく作業になるのかな、と。その意味では、この作品にはグレーの部分がたくさん描かれると思うので、そこを演じられる人間になれれば、すごく幸せだと思います。

■吉田鋼太郎に感じる“漂う香り”、「とにかく色っぽい方」

――石原さんは映像作品への出演が多く、吉田さんも舞台から『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)のようなドラマまで活躍されています。石原さんは、吉田さんにはどんな印象をお持ちでしたか?

【石原さとみ】舞台も映像の作品も観させていただいていたので、お会いして話をしてみたいとずっと思っていました。お芝居で本格的にご一緒したことはなかったのですが、とにかく色っぽい方だと思っていて。私にとって、“隙と余裕”、“そこにいるだけで漂う香り”というのが、大人の色気を感じる俳優さんのポイントなんですが、鋼太郎さんにはまさにそういう印象がありました。演出家としては、とにかくダメ出しされたいという思いが強いです。

――ダメ出しされたいとは?

【石原さとみ】以前、鋼太郎さんが演出される舞台の稽古を見させていただいたのですが、すごく丁寧に演出されていて、ご一緒したいと思ったんです。私もこの年になってくると、“演出されること”がなかなか難しくなってきたのかなと感じていて。Mではないのですが(笑)、しっかり指摘してほしいですし、成長もしたい。変わりたいと思っていても、実際はダメ出しされることが少なくなってきているんですよね。前回の舞台『密やかな結晶』で鄭(義信)さんの演出を受けたいと希望したのも、ダメ出しが多いと聞いていたからなんです。

【吉田鋼太郎】そう言われると、ひるみますよねぇ。さとみちゃんが僕の稽古を見に来たとき、息遣いとか初歩的なダメ出しについてもメモしていて。それを見たとき、「石原さとみ、ヤベーぞ」と思いました(笑)。(舞台に出演していた)松坂桃李も、「石原さんすごいですね」と言っていたくらい、なかなかできることではない。演出家としてはとても熱心で心強い半面、下手なことは言えないなって怯えてしまいます(笑)。僕はわりと、今日言ったことを翌日にはコロっと変えてしまうし。

【石原さとみ】そういうのが好きなんです(笑)。私はつか(こうへい)さんの舞台で育ったし、つかさんはそういう方でしたから。でも、それが楽しいんです。

【吉田鋼太郎】その許容量は嬉しいですね。融通の利かない人だと、「昨日言っていたことと違うじゃないですか!」って詰め寄られちゃうから(笑)。

――舞台と映像の大きな違いとはどんなところですか?

【吉田鋼太郎】舞台は、カットがかからない。そこから生まれるものはたくさんあります。長い掛け合いでどんなものが生まれるのか。それが舞台の現場なんですよね。

【石原さとみ】全然違います。舞台は稽古ができる。試せるし、恥もかける。私は稽古の時間が一番好きなんです。稽古だと、正解じゃないものをあえてやってみることができるじゃないですか。遠回りすることで得られるものって、すごく多いと思うんです。

――稽古の場で、俳優さんがアイディアをどんどん出してくるというのは演出家としてはどうなのですか?

【吉田鋼太郎】実際そういうことができる俳優は多くないですが、演出家としてはありがたい。僕も俳優として、提示できる人間でありたいと思っています。共演者という意味でも、しっかり提示してくれる人が相手なら、こちらのエンジンもかかりますよね。僕は絶対に必要なことだと思っています。

――舞台というのは本番が何日も続きますが、日々進化していくものなのですか?

【吉田鋼太郎】普通だと演出家というのは、初日の上演が終わると2~3日様子を見て、次の仕事に行ったりするんです。でも本当は、“常に前日より良いものを”という思いがあるので、千秋楽までいたいものなんですよね。今回、僕は演出だけではなく出演もしているので、毎日現場にいられます。それはすごく良いことだと思うんだけど、役者にとっては嫌かな、と。なぜなら、最後までダメ出しされるから(笑)。

【石原さとみ】私は全然嫌じゃないです(笑)。

【吉田鋼太郎】さとみちゃんは珍しいタイプだと思う。役者にとっては面倒くさいと思いますよ(笑)。でも演出家の立場になると、毎日変えてみたくなるんです。

――俳優にとって、舞台を続けるというのはどんな意味があるのでしょうか?

【吉田鋼太郎】僕は舞台からキャリアをスタートして、舞台しかやっていない時期が長かった。芝居イコール舞台だったので、映像との違いを意識したことはあまりないんです。でも半年ぐらい映像の仕事をして、また舞台に戻ると、やっぱり大変だなと思いますね。セリフの量も半端ないし、汗はかくし声も枯れます。ノイローゼみたいになるし、ストレスだらけですよ(笑)。でも本番になると、快感まではいかないまでも、スッとする。競走馬が走っている感じかな。

【石原さとみ】私にとって舞台は、インプットの場という意味も大きいです。成長するため、発見するため、心と体の筋トレのように感じます。1ヵ月オフをもらうより、1ヵ月稽古していた方が、数倍インプットできる。私はとにかく稽古が好きだし、逆に本番は1日でいいくらい(笑)。

■「みんなで石原さとみを追い詰めていきます」

――今作で石原さんに期待することは?

【吉田鋼太郎】作家の僕、飲んだくれの山内圭哉、警官の矢本悠馬、やり手ババアの水口早香、この人たちは災害の起きた町で、なんの必要もない人物。そのなかで、一人だけ役に立とうとするのがさとみちゃんが演じる麻希子。僕はさておき、芸達者な役者たちがみんなで石原さとみを追い詰めていきます。いじめられた石原さとみが、どういうものを出してくるのか――。明るくても落ち込んでもいい。泣いてもいい。稽古をしてみて生まれてくるものが、新しい石原さとみだったらいいなと思っています。

【石原さとみ】追いつめられたい(笑)。とにかくすべてを出し切って、臨みたいと思っています。

(写真:田中達晃/Pash 文:磯部正和)

(提供:オリコン)
舞台『アジアの女』に出演する石原さとみと吉田鋼太郎(写真:田中達晃/Pash) (C)oricon ME inc.
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