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今でしょ!から10年、林修人気なぜ
 「今でしょ!」流行語大賞受賞から10年経った今も冠番組を複数抱え、「出演本数ランキング」においてもトップ常連になりつつある林修。MCを務める『日曜日の初耳学』(MBS・TBS系)では、「インタビュアー林修」コーナーがネット上でも話題を呼んでおり、若者人気も広げている。これまで吉永小百合、木村拓哉、秋元康、豊川悦司など、名だたるゲストが出演し、デビュー当時の苦悩や知られざる素顔が引き出されている。相手の心を開く林先生の話術と人気持続の秘訣に迫った。

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■ブレイクは“想定内”も、継続は“予想外”「テレビ業界でやりたいことはない(笑)」

 東進ハイスクールのCMフレーズ「今でしょ!」が話題となり、2013年に新語・流行語年間大賞を受賞した林。以降、同予備校講師として授業を行う傍ら、数多くのメディアに出演し、一躍人気タレントへと躍り出たが、自身はこのブレイクを「想定内だった」と振り返る。

「特にはしゃぐこともなく、確率は低いけれどこういうことも起き得るよなと淡々と受け止めていました。こういう形で、こう出れば、こういう扱いになるな、というのは頭で理解できる範囲でしたね。ただ、当初はそんなに長く続かないだろうと思っていました」

 しかし、その予想は外れた。バラエティ番組『ネプリーグ』から情報番組『グッド!モーニング』、競馬番組『週末はウマでしょ!』のみならず、NHKの教育番組『へんてこ生物アカデミー』、さらには冠番組『林修の今、知りたいでしょ!』、『林修のニッポンドリル』ほか、多岐に渡りオファーが止まず、現在に至るまで出演が継続している。

「正直に言えば、僕自身がやりたい仕事は基本的にはないんです。予備校でもそうですし、特にテレビ業界では(笑)。この作ってもらった“神輿”に乗りたい人は世の中に山ほどいるわけですし、お願いしたところで乗れる世界でもないので、乗せてもらえるなら乗ります、と。始まった以上は長く続くように、自分のできることはやり続けてはきましたが、終わったら終わったで仕方がないとも、絶えず思っています」

 中でも、2015年に放送開始した『林先生が驚く初耳学!』(現:日曜日の初耳学/MBS・TBS系)は彼の支持層をさらに広げた。その名の通り、“林先生ですら知らないことを伝える”コンセプトで、それまで講師役や知識人として「何でも答えを知っている」立場で出演することが多かった林が、「これは初耳」「知らなかった」と驚く姿が視聴者の親近感を引き寄せたのだ。

「オファーをいただいた当初は、50歳のオジサンが、その事柄を知っているか知らないかで番組が成立するなら、スゴいなって思いました(笑)。当然まだまだ知らないことは沢山ありますし、知らないからといってプライドが傷つくこともありません。そもそも知の前では絶えず謙虚であるべきですし、新しいことを知れることは喜び以外のなにものでもありません」

■キムタクもトヨエツも心を開く“インタビュアー林修”「結局、会話のコツはよく聞くこと」

 2年前に立ち上がった同番組内の人気コーナー「インタビュアー林修」には、これまで70名を超える錚々たる著名人が出演。バラエティであまり多くを語る印象のないゲストも、林の前では心の内を赤裸々に明かす姿が毎回反響を呼んでいる。

 1月放送の木村拓哉回では、収録終了時間になると木村自ら「もう終わりですか?俺まだ大丈夫ですよ」とインタビュー延長を提案。2週に渡って、ジャニーズJr.時代のやんちゃっぷり、バラエティやコント出演には当初抵抗があったこと、“キムタクブーム”の裏側などがたっぷりと明かされた。

 2月放送の豊川悦司回でも、冒頭では「俳優は素の姿をあまり見せないほうがいい」という考えを持つと話していたが、収録後にはマネージャーが「こんなに喋るトヨエツは見たことない」と驚きを表した。大ヒットドラマ『愛していると言ってくれ』など、ラブストーリーを撮影する際には相手役の写真を常に持ち歩き、撮影後には失恋した気分になることもあるとざっくばらんに打ち明けたのだ。

 この人が出てきてくれたからには、決して失敗は許されない――という緊張感のある面々が並ぶ中、毎回外れなくスターの本音や金言の数々を引き出してしまう「インタビュアー林修」。その反響からかなりの頻度で実施されているが、当初は林も慣れない役回りに苦闘していたという。

「最初は、問答で変な間ができたり、うまくリアクションが取れなかったり、本当に下手だなあ、と思うことの連続でした。放送を見返して相槌がうるさかったので、頷きに変えてみるなど、改善もしました。少しはよくなったと思いますが、まだまだ改善の余地は残されています。結局、会話のコツって『よく聞くこと』だと思うんです。話そうとしないで聞くこと。大体の方は喋りたがりなので、“この人はちゃんと聞いてくれる”って思ってもらうことが大事なんじゃないですかね。」

 インタビュー中には、林の手元に幾多の付箋が付けられたゲストの著書が映り込むことがある。出演作や著書について触れた林の一言がゲストの目つきを変え、“スイッチが入った”と感じる瞬間があるという。

「その回によって準備の仕方は違うんですが、ゲストの方が本を出されている場合はできるだけ読んでから臨むようにしています。準備したうちの9割使えないんですけれど、1割でも本番に活きることがあればいいなっていう思いです。とは言っても、僕は本を読む速度が普通の人よりも異常に速いので、全然苦にはならないのですが(笑)」

 そうは言っても、予備校講師という本業を抱え、多くのレギュラー番組を並行する中、入念な準備を行うのは相当な労力だろう。もともと芸能界やタレント業、インタビュー自体にも興味はなかったと語る林だが、引き受けた仕事に対するプロ意識は人一倍強い。

「僕よりもっと上手いインタビュアーの方がいらっしゃるのに、僕が、仕事として受けてお金ももらっているわけですから、常に満点以上の点を叩き出したいんです。僕は80点も合格っていう考え方は大嫌いで、満点しか合格じゃないんですよ。結果として満点にならないのは仕方ないですが、引き受けた以上、満点を取るために全ての手段は尽くす―それだけですね」

 講師としてのみならず、MCとして、さらにはインタビュアーとして、知の前で絶えず謙虚であり続ける林修。それこそが、10年以上に渡って第一線で活躍し続ける秘訣なのだろう。

(提供:オリコン)
昨年の出演本数ランキングでは、自身最高の4位(479本)に輝いた林修(C)MBS
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