【オリコンニュース】
『チェリまほ』で注目、赤楚衛二
 人気BLコミックをドラマ化した『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(通称・チェリまほ/毎週木曜 深夜1:00~ テレビ東京)が、Twitterトレンドで日本1位になるなど、人気を集めている。これまでも『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)などが話題となり、BLをテーマとした作品は珍しいものではなくなってきたが、演じる側はどのように感じているのか? 「戸惑いはなかった」と語るのは、主演の赤楚護二。以前は人を羨み、不安にさいなまれながらも「自分を肯定できるようになった」と明かす彼の、考えの変遷を聞いた。

【写真】バスの中でも「2人の世界!」…見つめ合う赤楚衛二と町田啓太

■男性同士の恋愛にも戸惑いはなし、「人を好きになるのは、深いところでは何も変わらない」

――ドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(テレビ東京)が好評。「ドラマ満足度調査ランキング」(対象:10/20~26放送・オリコン)でも1位となりましたが、反響を受けていかがですか?

【赤楚衛二】「幸せになれた」「キュンキュンした」とか、すごくポジティブな言葉をいただけて、うれしいです。僕の周りでも、いつもは見方が厳しい友だちが「すごく良かった」と言ってくれて。あらためて、素敵な作品に出させていただけて良かったなと思います。

――本作はBL(ボーイズラブ)をテーマとしていますが、同ジャンルに挑戦することに戸惑いは?

【赤楚衛二】最初にお話をいただいたとき、マネージャーさんから「30歳の童貞で、BLで、魔法が使える役だ」と言われて(笑)。そこだけを聞いたら、「一体どんな作品なんだ?」というのはありましたね。でも、原作を読ませていただいたところ、一人一人のキャラクターがすごく丁寧に描かれていて、とても心が温まる作品で。だから、演じるうえでは戸惑いはまったくありませんでした。

――いろいろな受け取られ方があるかと思うのですが、演じるうえで気を付けたことは?

【赤楚衛二】あの原作、あの台本であれば、どなたに観ていただいても楽しんでもらえると思える作品だったので。喜び、嫉妬とか、人と人との関係から生まれる愛、というものだけを意識していました。

――男性同士の恋愛を演じることには、何を感じましたか?

【赤楚衛二】最初は少し戸惑いもありましたが、男女の恋愛と一緒。人を好きになるのは、深いところでは何も変わらないのかなと思います。それに、もともと僕自身は、男女関係なく、友情の延長線上に恋愛はないと思っていたんです。でも、黒沢の優しさに触れることで、安達にいろいろな感情が生まれて積み重なり、気づけば好きになっていく。そんな流れを演じることで、恋愛と友情は別軸ではないのかなとも思いました。

――赤楚さんが演じた安達清には、「冴えない感じが最高」「もっさり感がイイ!」との声も。どんな風に役作りしていったんでしょう?

【赤楚衛二】考えたのは、人との距離感や挙動の部分です。人との接し方については、僕自身が人見知りなので、そこをどれだけ増幅させられるかがキモだと思いました。増幅することで、距離や目線にすごく敏感になれたと思います。あと、もっさり感というと(笑)、背中を掻いたり、あくびをしたり…。そんなさりげない仕草を出せば出すほど、人間味が出てくると思ったので、スキさえあれば、そういう仕草を入れていました。

――黒沢役の町田啓太さんとは、演技について話し合うことも?

【赤楚衛二】はい。そこに至るまでの経緯とか、二人の心情についても、話しながら進めました。僕がやりづらいと感じたところ、ちょっとした疑問なども相談させてもらって、一緒に解決していきましたね。演技以外でもいろいろ話すんですが、町田さんとは共通点がすごく多くて。好きな歌、習い事、家庭環境、抹茶好き…とか(笑)。落ち着いたら一緒にご飯に行きたいと思っています。

――ちなみに、好きなシーンは?

【赤楚衛二】好きなのは、僕のシーンというより、黒沢のシーンばっかりですね。最初のマフラーを巻いてくれる場面、2話の資料を拾う場面。黒沢がなにか安達にしているシーンは、基本ぜんぶ好きです(笑)。

■人を羨み悔やんだ日々も…、不安と反省でパンクして「開き直れた」

――格好良くてデキる男・黒沢に当初は劣等感を抱いていた安達ですが、赤楚さんも同じような経験はありますか?

【赤楚衛二】それはもう、いくらでもあります。オーディションを受け続けていた時代、ずっと受かり続けている人を横目に見て、なぜ僕は落ちてしまうのかと、才能を羨んでいた時期もありました。僕が役者活動をスタートしたのは21歳のときなんですが、もっと昔からやってる人を見ると、芝居も意見もしっかりしていて、ものの見方も素敵な人ばかり。僕は、なんでもっと早くやらなかったんだろうと、悔やみもしましたね。

――そんな時期があったんですね。

【赤楚衛二】はい。と言いつつ、僕は僕なので、「自分を肯定して生きていかなければならない」と思うようになってからは、ずいぶんラクになりました。

――そう思えるきっかけがあった?

【赤楚衛二】きっかけは、思いつめて思いつめて、パンクしたことです。仕事がない将来への不安、競い合いに負けることの連続で、反省して反省して…。「あー、もうわかんない! もういいや」と開き直れたんです。

――赤楚さんといえば、『仮面ライダー』シリーズにも出演。ライダー出身の俳優さんは多いですが、最近でも菅田将暉さん、吉沢亮さんなど、活躍している若手俳優も多いです。次は自分が! という思いはありますか?

【赤楚衛二】行けるものなら行きたいですが(笑)、実は「俺が行ってやるぜ!」という強い気持ちは、あまりないんです。それよりも、素敵な人、監督、作品と出会っていきたい。あまり、俺が俺がっていうタイプではないのかもしれないですね。ああ、でも、オーディションを受けていた頃は「俺が絶対(演技で)食ってやる!」というところはありました(笑)。

――とはいえ、本作をはじめドラマ、映画に続々出演。11月28日はファースト写真集も発売されます。周囲やご自身で、変化を感じることもあるのでは?

【赤楚衛二】周囲と言っても、コロナ禍であまり人に会えていなかったので、実はよくわからないんですよね。自分自身の変化というと、緊急事態宣言のとき、1ヵ月以上ずっと家にいたことは大きかったです。実はその頃、ずっとお芝居に悩んでいて、自分が嫌いだった時期が続いていました。でも、その1ヵ月で自分と向き合って、あらためて自分を肯定できるようになったんです。人に会いたいと思う自分、人がいてこその自分なんだと気づいて、いろんなことを楽しめるようになりました。

――なぜ自分が嫌いになってしまったんでしょう?

【赤楚衛二】どこか完璧主義者みたいなところがあって、ドMなのかわからないけれど(笑)、うまくいったことすら「全然ダメだ!」と自分で自分に鞭を打ち続けていて。あのまま続けていたら、もっと自分を嫌いになっていたかもしれない。少し立ち止まれたことが、逆に良かったんだと思います。このドラマの撮影は9月上旬からだったんですが、自分としてもいいタイミングで撮影に入ることができたと思っています。キャスト、スタッフ、素敵な方たちに出会うことができて、幸せな日々でした。

――今後はどんな俳優を目指したいですか?

【赤楚衛二】あまり目標を立てると、そのあとに燃え尽きそうで怖くて(笑)。目標はなるべく立てずに、これまで共演してきた先輩たちのような素敵な人になりたいです。中井貴一さんはすごく尊敬してるので、あの方のような俳優になれたらと思っています。

――最後に、クライマックスに向けてメッセージをお願いします。

【赤楚衛二】柘植と湊たちにも動きがありますし、安達と黒沢はただただ幸せですが、まだ山もありますね。観終わったあとにはきっと幸せな気持ちになっていただけるんじゃないかと思います。

(提供:オリコン)
ドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』に出演中の赤楚衛二(写真:田中達晃/Pash) (C)oricon ME inc.
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