新たな力を迎え入れ、よりたくましいチームに。

リーグは間もなく折り返し。そして、2月末のリーグ最終戦まで一気に駆け抜ける過密日程がスタートしている。混戦が続くVCL2を抜け出すには、戦力アップに努めたいところだが、連戦の中では疲労回復、体調管理が優先され、レベルアップをする時間も限られてしまうのが現状だ。

そうした中、各チームが新たな風として取り入れるのが「内定選手」だ。

春の正式入部を前に、現在の所属のままでリーグ戦に出場できるという制度で、グリーンウイングスも、6人の選手が内定選手として登録されており、すでに試合に出場した選手もいる。

先日の前橋大会でブレイクした小林愛里もそのひとり。173センチの小林は、茨城の日立第二高校に在学中で、茨城県内を代表するレフトの選手だ。高い打点からの強打が持ち味で、本人も「スパイクでチームに貢献したい。」と意気込んでいる。

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「Vリーグでできるとは思っても見なかった。石原監督に声をかけていただいたおかげ。」と話す小林だが、前橋大会では強打と軟打で相手を翻弄し、チームに貢献。リーグで戦える力があるところを見せつけた。小林は「やるからには試合に出たい。誰にも負けたくない。」と頼もしい限りだ。

そして、小林より早く、大泉での開幕2連戦で内定選手として出場したのが、数多くのVリーガーを輩出している大阪国際滝井高校を経て、現在は、富山大学に在学中の三好紗弥香だ。三好は160センチと決して大きくはないが、ディフェンス面を中心にトータルバランスに優れた選手だ。

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大学もあり、チームに帯同できる日数もかぎられている三好は、「100%の力を出すことがなかなか難しい。」としながらも、「自分ができることをしっかりやるのがチームのためになると思う。」と冷静に自分の役割を分析している。そして、限られた中でも試合を通じて自信を深めていて、「守備では少し自信も出てきた。」と話すなど、今後の活躍に、ますます期待が高まる。

他の内定選手も個々、特徴を持った選手で、石原監督は「内定選手も活用して、チームをバージョンアップさせたい。」と話しており、今後も、内定選手の活躍、そして、チーム力アップに注目だ。

もちろん、これまでいる選手たちも内定選手の活躍を黙って見ているわけではない。

ある選手は「内定選手が試合に出て活躍する姿を見て、悔しさもある。自分だけの負けないものを作っていきたい。」と話すなど、これまでチーム内にはあまりなかった「競争」という感情も芽生えている。

新たな仲間を迎え、刺激を受け、チーム内でのポジション争い、レギュラー争いといったものにつながり、そうしたものが、個人、チームともにレベルアップにつながっていくだろう。

リーグは間もなく折り返し。ラスト1か月半はこれまで以上に濃密な時間になるだろう。内定選手も加わり、グリーンウイングスがどんな成長を、そして、どんな結果を見せてくれるか期待しよう。