群馬大学が開発した土壌改良材を使い沼田市の農家が米を生産したところ、おいしさを示す食味値があがり、味が良くなる効果が得られたことがわかりました。より良質な米の生産に期待がかかります。
群大が開発した土壌改良材「グッドアグリ」は、収穫後のしいたけの菌床や杉の皮などの廃材を発酵させたものです。もともとコメを育てる際にカドミウムなどの有害な重金属の吸収を防ぐ土壌改良材として開発されましたが、実証実験で「味がおいしくなった」「収量がふえた」といった声があがったため、2019年から沼田市の水田で米の食味への影響について検証が始まりました。沼田市の農業生産法人 金井農園で農家6人が導入したところ、食味値が2から7あがり、先日行われた米・食味分析鑑定コンクールでは6人全員が金賞を受賞したということです。「グッドアグリ」を開発した群馬大学大学院 理工学府の板橋英之教授は「食味があがる仕組みは解明できていないが、水田に入れることで土の中の酸素が増え、稲の成育にストレスがかかることが理由ではないか」と推測しています。