ザスパチャンネルコラム #115「60分の変則マッチ!?-再開試合・金沢戦を振り返る」



再開試合となった27日の金沢戦。試合は、中断時点の前半31分から再開となり、前半はおよそ15分、そして、後半45分と、トータル60分の変則ゲームになりました。イレギュラーなゲームに難しさはあったのか、関係者の声で、振り返りましょう。


ザスパクサツ群馬の大槻毅監は、「(中断時点で)0-0だったし、メンバーの縛りを無くして、90分でやってもいいのかなと。お客さんも入るし90分の試合を見てもらっても良かったかなと思った。ゲームは60分で、試合開始15分で休息も入るので、難しいのは重々承知の上で入ったし、しかも失点してしまったので、ものすごく難しくなってしまった。時間も短くなってしまったので何を求めるのか?バランスを見ながら進めていったが、結果、追いついてよかったです。」と振り返りました。


Jリーグの規定では、中断時点からの再開だけでなく、ノーカウントからの90分フルゲームもできたわけですが、チーム状況だけでなく、日ごろから、サポーターはじめ、応援してくれる皆さんを第一に考える大槻監督としては、90分フルマッチでのチャレンジが理想だったようです。

そして、この日スタメン出場した城和隼颯選手は、「中断試合は初めてで、入りを徹底しなければいけなかった。そこで失点してしまうとゲームプランが崩れてしまう。試合時間も短く、勝ち越すのは難しいと感じた。」と悔しさを口にしていました。

また、途中出場となったザスパの髙木彰人選手は、「正直、前半の15分はすぐ終わって、失点もして、修正する前に終わってしまった。前半は難しい所もあったかもしれないが、後半45分はいつもと変わらなかったと思う。」と振り返ってくれました。


一方、敵将・ツエーゲン金沢の柳下正明監督は、「前半は、もっと相手も来るかなと思ったが、90分と同じような入りで、こちらもいつもと同じように入れて、変化はなかったと思った。(試合時間が短く)もっと激しい攻守が見られるかなと思ったが、終わってみると普通だった。前半で得点も取れて、選手たちも落ち着きが出たと思う。」と振り返りました。


金沢としては勝ち切れなかった悔しさはあるでしょうが、試合開始直後の早い段階での得点もあり、いつもと変わらずにゲームに入れたようでした。


両監督、そして、選手たちのコメントからも、やはり、キーになるとみられていた、ゲーム開始直後の15分間。ここでゲームが動いたというのは、特に失点したザスパにとっては難しさが増したゲームとなったようです。


試合中断、そして、再開試合というのは、そうそうあるものではありませんし、あったとしても、同じような残り時間という事はまずないわけで、何とも不思議な時間になりましたが、いかなる状況でも、臨機応変に対応できるかどうか、そうした柔軟性を兼ね備えることは他のケースでも重要ですから、もちろん逆転で勝ちたかったですが、負けて連敗にせず、勝ち点を積んだことを前向きに捉えて、次節以降に向かいましょう。


文・写真/笹川裕昭