ザスパチャンネルコラム#85 ~FMGUNMAザスパ中継連動企画 笹川アナ 第36節琉球戦プレビュー~

ザスパチャンネルコラム#85 ~FMGUNMAザスパ中継連動企画 笹川アナ 第36節琉球戦プレビュー~



今シーズンのJ2も残り7試合となりました。残念ながら今シーズンも残留争いを戦うザスパにとって、今節の琉球戦はじめ、ここからは残留を争うライバルとの直接対決を中心に、ゴール、勝利という結果が求められる戦いが続きます。

残留争いは、現実的に4チームでの争いになっています。19位大宮(勝ち点34)、20位盛岡(勝ち点33)、21位ザスパ(勝ち点32)、22位琉球(勝ち点29)という状況で、僅差の中で、リーグ最終盤の戦いを迎えます。この中で20位以上に入ればJ2残留です。

ザスパにとって幸運なのは、自らの努力で、自らの運命を決められる状況にあるという事です。残留の勝ち点目安は40ポイントです。つまり、大宮、盛岡、琉球と、いずれのチームとも直接対決を残しているので、この3試合をしっかりと勝ち切り、勝ち点3×3試合分=9ポイントを詰めれば、目安の勝ち点をクリアできます。自分たち自身で残留を決められるのです。

ですから、今節の琉球戦は大一番。勝てば勝ち点を伸ばし、順位を上げるチャンスですが、敗れれば琉球に勝ち点で並ばれ、残留争いはさらに混とんとしていきます。

残留争いをするという事はシーズンを通じて苦しんできたという事です。いきなり状況が好転することは考えにくいです。それでも、シーズンを通じて積み上げてきた成長、手ごたえ、そして、修正を施した中で、改善はあります。それをどう結果につなげるか、そこが大切です。

ザスパの好材料を挙げるならば、夏場の移籍市場で、FWの選手を数多く迎え、攻撃面でのテコ入れを行ったことです。鈴木国友、川本梨誉、高木友也、長倉幹樹の4選手を迎えましたが、彼らは、得点力、または、得点力につながるプレーで、能力が高く、個性も豊かです。途中加入ですが組織への対応も早く、もちろん、個人での局面打開も期待でき、ここまでの出場ゲームでもそれを証明してくれています。得点力不足に泣いた今シーズン、ここから周りの選手とともに大きな力になってくれるでしょう。

また、シーズンを通じて変わらず、積み上げてきたのが、大槻毅監督が示してきた誰が出ても変わらずに表現するザスパのサッカーです。結果という部分ではつながっていない試合も多いですが、攻守の約束事や、やるべきことは明確で、戦い方に迷いはありません。あとは、相手が変わる中での対応、局面での状況判断の部分で、いいものを出していけるかになります。

他方、勝てていないという事で言えば、もちろん課題もあります。

得点力への改善、期待はあるものの、現在、リーグワーストタイと、チーム得点力は低いチームです。そうしたチームにおいて、先に点を与えてゲームを難しくしてしまう、何とか引き分けまでは持っていくけれども、勝ち切れないというもどかしさ、そうしたものが現在のザスパの位置にもつながってしまっています。今節も、失点を許さず、シーズン序盤の様に、堅く、安定感のある守りで、試合の流れ、リズムをつかみたいところです。

また、ザスパは今月、チーム内で新型コロナウイルスの陽性判定者が数多く出てしまいました。試合に出られる選手は限られており、今節も総力戦となります。残留争いの真っただ中で、1試合も無駄にできない上に、今節の琉球戦は、平日ゲームを挟んでの3連戦の2戦目です。台所事情が苦しい中、今回の大一番を含め、連戦をどう乗り切れるか?ザスパの総力が問われるゲームでもあります。

残り試合も少なく、残留争いも緊迫したものになっています。ザスパだけでなく、琉球の選手たちも、気持ちの部分も含め、緊張感が高く、勝ちたいけれども、負けられない、どこまでリスクを取れるのか、そんな、堅いゲームになることも予想されます。如何に、そうした、内側の難しさを乗り越えるか、そして、自分たちの良さを出し切れるかが大きなポイントになるでしょう。

ただ、そんな厳しい選手たちの大きな力になることがひとつあります。それは、「声援」です。2年半以上に渡り、正田醤油スタジアム群馬では声を出しての応援が制限されていましたが、エリアは限定されるものの、今夜のホームゲームから、シーズン終了までの4試合で声出し応援が解禁となったのです。

2試合前の栃木戦でも、アウェイですが、声出し応援がOKとなり、1点を追いかける、試合終了間際にPKのチャンスを掴み、劇的な同点ゴールが生まれました。その際、選手たちが口にしていたのは、「応援の力」です。

苦しいです、厳しいです、ただ、選手、チームは、ゴールと勝利を目指して、今節も全力で戦ってくれます。そんなザスパを力強く後押しできるのは、応援してくれる皆さんの声援、応援です。残り7試合、ぜひ、応援する皆さんの力でザスパを支えてください、力を与えてください。そして、この残留争いをみんなで乗り越えましょう!

文/笹川裕昭