ザスパチャンネルコラム#73 ~FMGUNMAザスパ中継連動企画 第21節栃木戦レビュー~

ザスパチャンネルコラム#73 ~FMGUNMAザスパ中継連動企画 第21節栃木戦レビュー~



栃木との北関東ダービーは、0‐0のスコアレスドローに終わりました。

ポジティブな見方をすれば、連敗を4で止め、5試合ぶりの勝ち点を掴むとともに、今季9回目の無失点で終えたゲームになりました。守護神の櫛引政敏選手の再三のビッグセーブ、負傷交代の畑尾大翔選手に代わり、途中出場した藤井悠太選手の対応力、前線では久々のスタメン起用になった髙木彰人選手も、山根永遠選手とともに、最後まで走り続ける献身さを見せてくれました。






一方、ネガティブな言い方をすれば、ライバルをホームに迎え、10試合で1勝しかできていない、苦しい流れを断ち切るためにも、ゴール、勝利という結果が求められたゲームで、チームで連動した戦いができず、単発の攻撃が主で、期待されたものへの可能性を感じる時間は多くありませんでした。そして、応援してくれた皆さんの心に響くものがどれだけ残せたのだろうかと考えると、わずかなものだったと思う内容でした。






試合後、大槻毅監督は、「お互いに勝ち点が近くて「北関東ダービー」という名前のついている中で、相手に「色々なものを渡したくない」という思いが強いゲームだったと思います。」と振り返りました。勝つことで、得られるものも多いですが、敗れた場合には、栃木と順位も入れ替わり、上位との差が開き、降格圏との差が縮まる恐れもある。負の連鎖がさらに厳しく、長いものになってしまう恐れもある。そう考えると、北関東ダービーとして行われ、目の前で繰り広げられた90分間の戦いで感じたものより、選手、チームは、難しいプレッシャーの中で戦っていたように感じました。







練習場でも、この日の試合後でも、選手たちは、「手ごたえはある」、「悪くはない」と口にします。いい意味で、今季に向けて作ってきた大槻スタイルのサッカーは、変化がなく、徹底されています。シーズンが進む中で、より深化するとともに、相手も対応しています。ザスパが前線からボールを奪おうとする部分をいなし、形を作ろうとするボランチのところへは、複数人で厳しいプレッシャーをかけてきます。攻撃の起点となるサイドに対しても、ずれを生んで押し込んだり、数的優位な立ち位置で進入を防ぐなどしてきます。こちらのやりたいようには、簡単にやらせてくれません。変な言い方ですが、調子がいい時、結果が出ている時は、勢いで押せることもあるでしょう。ただ、今は、そうした時ではありません。重要局面で、もうひとつパワーをもって挑んでいく、そして、試合に勝つために必要な、ゴールを取るために必要な、シュートや、相手にとって危険な位置でのプレー機会を増やすこと、こうしたことへもっとチャレンジし、アプローチしてほしいと思います。もちろん、ザスパは日々のトレーニングからそうしたことに取り組んでいます。また、チャレンジをすることはリスクを背負うことでもあります。それでも、チャレンジしなければ今の状況は上向くことはありません。


失点してしまった後の複数失点ゲームが多いのは気になりますが、それでも、前半戦のうち、半分ほどは無失点ゲームを達成しました。守りの形のベースはしっかりとしたものがあります。となれば、次節からの後半戦は、攻撃面で、さらにパワーを出せるかだと思っています。







「Beyond THESPA」という、これまでのザスパを、自分を超えることをスローガンに掲げた今シーズン。今までと同じでは、これまでと変わらないままでは、過去を超えることはできません。私自身で言えば、一時、4位まで浮上したことで、なんとなく、「今年は大丈夫、目標もクリアできるな!」と楽観視していたなと感じています。まだ、何も掴んでいないのに。



もちろん、これまで話してきたように、頼もしいサッカー、懸命なサッカーは届けてくれています。そうした、手ごたえをつかんでいる今のザスパの形で、これまでを超えるために、後半戦の試合に、プレーに、瞬間に、これまで以上のパワーを注ぎ込んでいきましょう。そして、皆で、ゴールと勝利、さらに、過去のザスパを超えていきましょう!リーグ後半戦も、よろしくお願いします。



文・写真/笹川裕昭