ザスパチャンネルコラム #40 困難を乗り越え、声援を力に-ザスパ草津チャレンジャーズ、シーズン最終盤へ!

困難を乗り越え、声援を力に-ザスパ草津チャレンジャーズ、シーズン最終盤へ!   10月を迎え、国内サッカーリーグの多くはシーズン終盤戦に入っている。トップチームが残留争い、そして、クラブ目標の勝ち点50、16位以内に向かって戦う一方、草津町を拠点に活動するザスパ草津チャレンジャーズも、関東リーグ2部残留に向け、シーズン最終盤に入っている。チームは8月に選手5名が新型コロナウイルス検査で陽性判定を受け、およそ4週間、活動停止となるなど難しい時間を過ごしたが、草津町の皆さん、サポーターの皆さんの温かいサポートの元、再び動き出した。トップチーム同様、声援を力に、シーズン最終盤を駆け抜けるのみだ。 チームを預かる木村直樹監督は、活動停止時期を振り返り、「選手たちが生きて帰ってきてくれてうれしかった」と話した。決して大げさな表現ではない。陽性となった選手の中にはなかなか熱が下がらなかった選手もいたという、また、他の選手も、接触機会を避けるため、隔離生活となり、本人も、周囲も、不安な時間を過ごした。     そんな時期を支えてくれたのが拠点となる草津町の皆さんや、応援するサポーターだったという。町民の皆さんは、不自由な生活を強いられるチームのために食事の提供をしてくれるなど、身の回りのサポートをしてくれた。また、サポーターは、SNSなどを通じ、選手、チームに励ましの声を届けたという。吉原隼加選手は、「周りの支えがあって、またサッカーができている。皆さんのサポートに改めて感謝の気持ちを感じている」と振り返る。幸い、選手たちはサッカーができる状態に回復し、活動再開ができた。清水大士選手は、「サッカーをしている日々が当たり前だったが、サッカーが凄く大きなものだと感じた。感謝の思いしかない」と話す。   大変な時期を乗り越えたチャレンジャーズだが、所属リーグの関東リーグ2部では、残留に向け崖っぷちの状況だ。10チーム2回戦総当たりで行われるリーグで、チャレンジャーズは15試合を消化し、2勝2分11敗 勝ち点8で9位だ(10月4日時点)。関東2部リーグは、原則下位2チームが地域リーグに自動降格、チャレンジャーズの場合は、群馬県リーグに自動降格となる。8位のチームとは、勝ち点差11と大きく水をあけられており、木村監督も、「勝ち点的には全部勝たないといけない」と話すなど、かなり厳しい状況だ。もちろん、1部リーグの昇格などにより、最終的にどうなるかはわからないが、まずは自分たちのできる事をやるしかない。     チャレンジャーズと関東2部リーグの各チームの差について、木村監督は、「県リーグではレベルの高い選手が3人くらいだったが、関東リーグは全員が上手く、穴が少ない」と分析する。一方、清水選手は、「多くのチームは力の差がないと感じるが、耐えなければいけないところの甘さがでている。試合に対する気持ちやチームの団結力が足りない」と話し、吉原も、「失点も多く、得点も取れていない。一気に修正するには時間が足りない。必要な事を修正して、チャレンジしたい」と話す。関東2部リーグと言えども、近年は、元Jリーガーがプレーするのも珍しくはなくなってきたリーグだ。だが、トップ昇格、Jリーグデビュー、そして、プロ契約を勝ち取ろうとチャレンジャーズに集まった彼らは、そうしたライバルを上回らなければそこで終わりだ。ぜひ、この困難な状況を乗り越えて欲しい。     木村監督は、「絶対にあきらめて欲しくない。勝つためには得点が必要だ。自ら仕掛けて、臆することなくゴールを奪って欲しい」と期待を寄せる。もちろん、選手たちも思いは同じだ。清水選手は、「毎試合が決勝戦のつもりで戦い、全力でぶつかりたい。FWなので得点、前からのプレッシングで貢献したい」と話し、吉原選手も、「すべて勝って、上に食らいつくしかない。自分はセットプレーキッカーなので、1本1本集中して、点を取りたい」とそれぞれの特徴でチームの勝利に貢献するつもりだ。   残留へ向け、厳しい状況は続くが、より良い条件を掴むことはもちろん、プロチームの弟分として、1試合も無駄にすることなく、シーズンを全力で戦い抜く姿勢が求められる。それがいつもチャレンジャーズを支えてくれる草津町の皆さん、応援してくれる皆さんへの恩返しになるのだから。そして、ぜひ、サポーターの皆さんにも、トップチーム同様、ザスパ草津チャレンジャーズの皆に、更なるエールを届けて欲しい。     文・写真/笹川裕昭