ザスパチャンネルコラム #7 ~勝たなきゃいけない愛媛戦~

今シーズンのJ2も、開幕して5試合が終わりました。ザスパは、開幕戦の秋田戦こそ勝利したものの、その後、1分3敗。現在、リーグ22チーム中、18位で、下位4チームが対象となるJ3降格圏がすぐそこという状況です。   守備の要でもある渡辺広大選手は、開幕5試合の結果について、「正直、もう少し勝ち点を伸ばせるかなと思ったし、そういうイメージもあった。」と話すように、選手たちにとっても想定外のスタートになりました。私も、もう少し上位でのスタートが切れると踏んでいただけに、この結果には、驚きともどかしさがあります。 決して力負けというわけではなく、時に、強風や際どい判定など、ザスパにとっては不運ともとれる部分もありましたが、それもサッカー。お互い様な部分もあるし、不利な局面に陥る前に、主導権を握る、ゴールを挙げるなど、相手を上回らなければいけません。     ~球際で負けない、走りきる。ザスパの原点~ 序盤戦を戦う選手、監督から聞こえてくるのは、球際で競り負けない、相手より走り切るというサッカーのベースの部分、それと、戦術や戦い方のわずかなずれの部分の改善です。   ※渡辺広大選手   渡辺選手は、「(球際など)局面で勝てば、得点や勝ち点が近づくのでそういうところにフォーカスしたい。ひとりひとりが、チームのために何をできるか突き詰めることが大事。自分の身を粉にして戦う姿勢を持つことを大事にして戦いたい。」と話し、得点源として期待される青木翔大選手も、「球際の部分、切り替えの部分、相手より走る事など、戦術云々より、個人としてやらなきゃいけないことがある。ここ何試合かは、相手より劣っていると思うので、強い気持ちを持ってやるしかない。できない選手がいるなら、周りが助けないといけない。そういう部分を大事にしたい。」と強調しています。そして、奥野僚右監督も、「相手より上回ることで、リズムやペースがよくなる。それが、試合に勝つための必須条件だと考えている。」と話すなど、何を置いても、まず相手よりも戦えるサッカーができるか。今一度、ザスパの原点ともいえる部分を取り戻さなければいけません。     ~戦術面での修正~ その上で、戦術面での細かな修正にも取り組んでいます。ボールを保持し、自分たちの時間を長くする、そして、サイドを起点にゴールチャンスを生み出すザスパのスタイルは、連携や意思疎通といったものが重要になってきます。   ※青木翔大選手   青木選手は、「クロスは上がるが、上げる位置や工夫が必要だし、お互いにタイミングをすり合わせる必要もある。いい場面も作れている時はあるが、ひとつひとつの質を求めていかないといけない。」と話します。また、奥野監督も、「私たちは、攻守で流れるようなサッカーを目指している。トレーニングでは、選手同士の係わりやサポートのスピード感はいいものが出せているが、相手があるゲームでは、うまく出せていない。細かい部分の詰めや、失点のシーンではボールウオッチャーになってしまう部分もある。事前の指示や声掛け、相手選手への寄せ方や方向、距離などをもっとこだわらなければいけない。味方への働きかけと準備をもっと丁寧にやっていこうと話している。」と教えてくれました。     ~カッコいいサッカーはいらない・・!~ 相手と力に差はなく、良いサッカーをしても、細部のこだわり、高い質を表現できなければ、J2でゴール、勝利につなげることはできません。継続、成長、向上を結果につなげるために近道はないのです。一方、残り試合はまだ多いですが、このままズルズルと負けが込めば、降格圏に落ち、抜け出せない状況がすぐにやってきます。そして、次節は、アウェイで最下位の愛媛と対戦します。カッコいいサッカーは要りません、必要なのは、勝利という結果です。そのためには、前述のとおり、相手を上回り、自分たちのスタイルを出し切ることです。選手、監督も、その気持ちは強く持って挑もうとしています。   渡辺選手は、「うまくチームが回れば、攻守で相手を圧倒できるし、勝利が近づく。新しく入ってきた選手もマッチはしている。序盤戦だからは言い訳でしかない。一戦一戦、勝つしかない。」と話し、青木選手は、「愛媛戦は絶対に勝たないといけない。勝てるようにではなく、勝たなきゃいけない。」と勝利への意欲を強くしています。そして、奥野監督は、「自分たちの力を出し切る事がすべて。躍動する姿を見せたいし、前節を引きずらないようにしたい。今週は、選手たちに次のゲームに向かう気持ちを大切にした。愛媛戦をいいきっかけにして、次につながるようなゲームにしたい。それがザスパに関わる皆さんの願いだと思う。」と話しています。愛媛戦に勝つことで、勝利以上のものも得られる大事な戦いになります。   ※奥野僚右監督     ~一体感を持ち続け、勝利を掴め!~ 昨シーズンから見ていて、奥野ザスパのいい所は、どんな時でもチームの一体感を失わないところ、そして、明るく、ポジティブに、前を向けることです。開幕戦以降、勝利はありませんが、チームはしっかりと前を向いています。状況を変えられるのは自分たちだけです。チームとともに、県民、ファン、サポーターもひとつになって、愛媛戦で勝利を掴みましょう!   文/笹川裕昭