【オリコンニュース】
吉田美月喜、俳優になる「運命」?
 俳優の吉田美月喜が初めて主演映画の撮影に挑んだ『あつい胸さわぎ』が、『第35回(2022年)東京国際映画祭』でのワールドプレミアを経て、本日(27日)より新宿武蔵野館、イオンシネマほかにて全国公開される。Netflixシリーズ『今際の国のアリス』(20年)、ドラマ『ドラゴン桜』(21年)で注目された吉田が、18歳の不安定な気持ちをリアルに演じている。

【動画】映画『あつい胸騒ぎ』親子喧嘩の本編映像

 『あつい胸さわぎ』は、初恋に胸を躍らせる18歳の主人公・武藤千夏が、突如発覚した若年性乳がんと向き合う姿を中心に、久々の恋に胸を高鳴らせるシングルマザー・昭子(常盤貴子)との複雑な親子の葛藤を、優しく繊細にユーモアをもって描いた物語。

――初めての主演映画を振り返っていかがですか?

【吉田】現場が楽しかったので、演技をしていた感じがなく、千夏のことが私自身のことでもあるように思えて。全力で楽しんで、千夏を演じることができました。でも、それは監督をはじめ、お母さん役の常盤さんと、トコちゃん(昭子の同僚の花内透子)役の前田(敦子)さんら共演者の方々、周りのスタッフの方々に全力で支えていただいてたからなんだと、今はすごく感謝しています。

 「主演らしくしっかりしなきゃ」という意気込みはあったのですが、主演として何かできたことはあったのか、と振り返ると何も思いつかなくて。だからこそ、いつか私も周りを支えられる人になりたい。「吉田美月喜がいる作品、現場なら安心だね」と言ってもらえるようになりたいという新たな目標が見つかりました。

――「千夏のことが私自身のことでもあるように思えた」とのことですが、どんなところに共感しましたか?

【吉田】千夏は18歳で、私も撮影当時18歳。高校を卒業して、千夏は大学生になって、私はお仕事に専念するようになって、何かちょっと大人になったような気持ちもありながら、でも大人に頼らなきゃ生きていけない、大人になりたいのになりきれない、そういうもどかしい気持ちが一緒だな、と思っていました。

 今回、オーディションで主演に選んでいただいたのですが、その時、監督が私自身のことを知ろうとして、質問してくださった感じもうれしかったんです。生まれてからどういう環境の中で育ってきたのか、何人家族で、特に母との関係はどうなのか、といったことをお話しさせてもらいました。母と私は姉妹みたいだね、と言われるほど仲良く一緒にお出かけもするし、喧嘩もしっかりする関係で、その雰囲気がきっとこの作品の母娘の関係に通じるものがあったのではないかと、思います。

――演劇ユニット「iaku」の横山拓也氏が作・演出を務め、各所で大きな話題を呼んだ舞台「あつい胸さわぎ」を、まつむらしんご監督と『凶悪』(13年)などの高橋泉氏(※高=はしごだか)の脚本で映画化した作品ですね。

【吉田】撮影前にはあえて舞台版の映像資料は観ないようにして、自分なりに若年性乳がんについて病院で取材させてもらったり、当事者の方がどう思っているかを調べたりして、千夏の悩みや不安、葛藤を理解しようと思いました。撮影が終わってから、ちょうどiakuさんの「あつい胸さわぎ」が東京で再演されていたので、監督と2人で観に行きました。本当にすてきな舞台で、私自身すごく胸にくるものがありました。

 舞台版のファンの方が映画版を観たらどう思うのだろう、と不安な気持ちとワクワクが入り混じった感情になりました。不安は、舞台があまりにも素敵だったから。ワクワクは、脚本を初めて読んだ時に感じたあたたかさ、そして、この作品に人一倍愛情と熱意を持っているまつむらしんご監督と、みんなで力を合わせて映画版が作れたことが純粋にうれしかったんだと思います。

――劇中で、小説家を目指して芸大に通う千夏は、授業で出された創作課題「初恋の思い出」の事で頭を悩ませますね。もし、今、課題で何か書くとしたらどんなテーマにしますか?

【吉田】この仕事のことですかね。子どもの頃、かわいい服を着れるモデルさんっていいな、と思ったことがあって、母に「モデルになりたい」と言ったら、「今はちゃんと学校で勉強して、もしあなたがモデルになる運命だったら、きっとそういうチャンスが巡ってくる。でも、今じゃない」と諭されて、泣く泣くあきらめたことがあったんですね。

 でもその言葉どおりになったというか。その後、身長も伸びて、メガネもコンタクトにして、そうしたら、街でスカウトされて。しかも、あるモデル事務所でカメラテストを受けた帰り道に、今の事務所のマネージャーに声をかけてもらったんです。お芝居をやってみたいと思っていたので、奇跡みたいな話。ちょっと時間がズレていたら、また違う人生を歩んでいたかもしれないです。オーディションを受けて、仕事が決まる、決まらないというのも、運だと思っていた中で、この『あつい胸さわぎ』の千夏とも出会えたのもすごく大きな貴重な経験になりましたので、運命を感じつつ、こうして芸能活動ができている奇跡に感謝しかありません。

――「新たな目標が見つかった」というお話をしてくださいましたが、目標に向かってどう前に進んでいきたいですか?

【吉田】今回、憧れの存在だった常盤さん、前田さんと、しっかりぶつかることができて、それが自分にとってとても貴重な経験になりました。常盤さんも前田さんも、いろいろな作品、いろいろな現場を経験して、今のお二人になっていったのだと思うので、私もいただいたチャンスは無駄にしないように、とにかくいろいろな役、現場を経験して、いろいろ吸収していこうと思っています。

(提供:オリコン)
吉田美月喜 (C)ORICON NewS inc.
【関連記事】
吉田美月喜、常盤貴子と互角に渡り合う 勝手にパソコンを覗き見た母に激怒する本編映像
吉田美月喜、破ったポスターを元に戻す“超能力”を披露
吉田美月喜・井頭愛海ら超能力を手に入れた女子高生に 映画『メイヘムガールズ』主題歌はano
吉田美月喜・常盤貴子、映画『あつい胸さわぎ』東京国際映画祭でお披露目へ
吉田美月喜『ドラゴン桜』で平手友梨奈とダブルス バドミントン“イワキヨ”ペア結成

▲ページTOPに戻る