【オリコンニュース】
人間に疲れたら…“人外コスプレ”
 「9年もコスプレし続けると人間辞めて神様にもなれちゃうんだな」という言葉と共に投稿された、ものすごい落差の写真。現在、創作コスプレを楽しんでいる風邪猫さん(@aoiuso)によるものだ。Twitterで批判されて自信を失い、コンプレックスにさいなまれたという彼女。それを救ったのが、「悪魔にも天使にも神様にもなれる」人外コスプレだ。彼女にとって、「人間に疲れたら、人間を辞める」とは、決してマイナスな考えではない。悩みを脱するきっかけとなった人外コスプレについて話を聞いた。

【写真】「まるで別人…いや、別の種族!」こんなの見たことない! 驚きの人外コスプレ

■「私もしかしてめちゃくちゃブスだし、メイクも下手?」、SNSの批判がコンプレックスを刺激

――創作コスプレはいつ頃から始められたのでしょう?

【風邪猫】今みたいな人外の創作コスプレに取り組むようになったのは、4年くらい前からですね。メイクの方向性を大きく変えて、ウィッグにもいろんなものを取り付けるようになりました。

――そちらの方向に舵を切った理由・きっかけが気になります。

【風邪猫】それまでは『ONE PIECE』など、既存のアニメキャラのコスプレをして、イベントに遊びに行ったりすることを楽しんでいたんですけど、あるとき、Twitterに投稿した自撮り写真に対して、「どのキャラもメイクが一緒ですね。努力してますか?」というコメントが届いて。その瞬間、目の前が真っ暗になってしまったんです。

――楽しく取り組んでいた趣味をいきなり否定されたわけですね。

【風邪猫】「あれ、私もしかしてめちゃくちゃブスだし、メイクも下手?」という感覚になり、いままでSNSに投稿してきたことが、急にものすごく恥ずかしくなってしまって…。それと同時に悲しい気持ちにもなり、けっこう凹みました。

でも、それから1週間くらい経つと、今度は「絶対に見返してやる!」という気持ちがメラメラと湧き上がってきて。そこから、めちゃくちゃメイク動画を見て研究したり、それまで手の出なかったちょっと高めのメイク用品を使うようにしていって。あれこれ試すうちに、どんどん表現がオーバーになっていき、気づいたら人外の創作コスプレに行きついていました。

――新たな方向性を確立したことで、悩みや葛藤なども吹っ切れたと?

【風邪猫】それは未だに続いています。あのコメントが来たことで、もともとあった顔やスタイルに対するコンプレックスを意識するようになって。何をするにしても、人と比べてしまうようになってしまいました。「あの子の鼻、高くていいなぁ」とか、「あの子の腕は細くていいな」とか。ほかにも「もっと薄い唇だったら」、「肌が綺麗だったら」と、鏡を見るたびにそういった感情が湧いてくるんです。そんなときに心の負担を軽くしてくれたのが、もとの容姿を気にしなくていい、人外創作のコスプレだった…というわけです。

――容姿に対するコンプレックスがあったからこそ、コスプレ活動における新たな道が切り開けた…とも言えそうですね。

【風邪猫】離れ目、団子鼻、たらこ唇、まん丸で大きい顔、肌の汚さなど、気にしている点を挙げていったらキリがないので。そうした欠点を何とかしたいという思いが、コスプレメイクの向上に繋がっているんだろうなと思います。

離れ目だから、オーバーな切開ラインとハイライトの仕方を工夫したり、団子鼻だからシェーディングを何回も練習したり。たらこ唇は消し方だけでなく、逆にぷっくりときれいに見せる方法も勉強したりと、日々勉強の積み重ねで己と戦っています。なので「すごく変わったね」と言ってもらえると、やっぱり嬉しいですね。とはいえ、どれだけメイクのクオリティが上がっても、「生まれ変わったらオードリー・ヘプバーンになりてぇ!」という思いは、一生変わりませんが(笑)。

――わかりやすいキャラのコスプレとは、周囲からの受け取られ方も違うと思います。モチベーションを維持するのは大変ではないですか?

【風邪猫】私はコンプレックスの塊なわけですが、それでも、そんな私が生み出す創作を大好きだと言ってくれる方たちがいらっしゃるので。応援してくれる人がいる限り、今後もずっと続けていくんじゃないかと思っています。

それと、先ほど「すぐに人と比べてしまう」と言いましたが、人外キャラになってしまえば、“人と比べる”とかの次元じゃないですからね。なんといっても、人を辞めているんですから。「私は人じゃないので、人の世界のルールは通じない最強の悪魔! 人を救っちゃう天使! 世界を作っちゃう神様! といった気持ちになれるので、ずっとずっと創作は続けていきたいです。そう考えると、人との関わりに疲れたときに“人を辞めたコスプレ”をすることで、気持ちがリフレッシュしているのかもしれないですね。

――もはやアートといえる数々の創作衣装を作り出すにあたり、特別な勉強などはされたのでしょうか?

【風邪猫】衣装製作そのものは完全に独学ですね。ただ、芸術系の大学の劇作コース(脚本を執筆するコース)出身なので、学生の頃から本はたくさん読んでいました。ほかにも舞台を観に行ったり、絵を描くことも大好きなので、そうした経験がキャラクターの創作に生かせているのかもしれないですね。

――メイクに関しても、先ほどのお話からすると独学ということですよね?

【風邪猫】メイクに関しては、YouTubeでドラァグクイーンの方や、ちょっと変わったメイクをされる海外の方の動画を見て、参考にしています。もちろんそれだけでなく、普通に日本の方のメイク動画も見て、幅広く知識を取り入れている感じですね。

――コスプレ活動を通して、表現したいことや、世の中に対するメッセージのようなものはありますか?

【風邪猫】メッセージだなんて、そんな大それたことはおこがましくて言えませんが、私の考えた人外創作が少しでも誰かの楽しみに繋がったり、ほかの方の創作意欲を刺激して、新たな創作物が生まれるきっかけになったりしたら嬉しいです。

それと、先ほども言いましたが、あえて伝えたいことがあるとしたら、「人間に疲れたら、私といっしょに人間辞めましょ!」みたいな気持ちですかね。途方もなく人生が長く思えて、しんどさに吐きそうになることがあるんですけど、そんなとき、まったく違う世界の何かになれることが私にはとっては救いになっているので。同じような悩みを抱えている方たちに、こういった世界もあることが伝わればいいな…と勝手に思ったりしています。

――そのようにして日々、新たな創作コスプレを生み出している風邪猫さんですが、現在のご活動について、周囲の反応はいかがですか?

【風邪猫】活動に関してはいっさい隠していないので、家族や親戚だけでなく、リア友や以前勤めていた会社の同僚にも知られているのですが、皆、めちゃくちゃ褒めてくれて、応援してくれるので本当にありがたいですね。モノを作るのが得意な友だちは、私の創作キャラをグッズ化してプレゼントしてくれたり。母はネットに疎いのに、わざわざTikTokのアカウントを作って、私の投稿や写真をチェックしてくれたり。しかもそれを、友だちや会社の人たちに見せて、私の活動を布教してくれているそうで、恥ずかしいやら嬉しいやら、よくわからない感情が渦巻いています(笑)。

――それは素敵ですね。

【風邪猫】私のメイクは、どちらかというと拒絶されるほうが多いジャンルだということは十分自覚しています。SNSにも「怖い」、「気持ち悪い」、「私ならやらない」、「自分の娘がこうだったら自殺する」など、厳しめのコメントが寄せられていますが、それでも創作は続けていきたくて。この気持ちを応援してくれる方たちがいてくれて、精神的にも本当に助かっています。エグいコメントはめちゃくちゃ傷つきますが、そうした負の感情も人外コスを続けるモチベーションに変えているので、こうしたやり取りは今後もエンドレスで続いていくでしょうね。

(文:ソムタム田井)

(提供:オリコン)
“人外コスプレ”で救われたという風邪猫さん(@aoiuso) 写真:本人提供
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