【オリコンニュース】
元保育士が明かすブラック保育園
 過酷な労働環境に、園長・ベテラン保育士による支配、不当に搾取される給与。10年間保育士として働いていた女性がかつて経験した「ブラック保育園」について、その実態をSNSに投稿した。「たった3ヵ月間だったが、人生の中でとてつもなく長く辛い3ヵ月だった」「精神的に追い詰められた」と話す投稿者に話を聞いた。

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■「残業ゼロ」「交通費全額支給」「実働8時間」は全部ウソ? 見せかけの求人票

 保育士としてこれまでに5園を経験、10年強のキャリアを持つはちみつこさん(@hachi_mitsu89)。今年7月からはじめた『ブラック保育園 辞めました』で描くのは、実際にあった保育現場での壮絶体験だ。

 新卒から5年間働いた園を辞め、次に就職したのは保育人数や残業時間など、より希望にあう条件の園だった。ところが初日から求人票とあまりにも異なる事実が次々に判明する。

「休憩あり8時間勤務」だったはずが、実際には休憩時間にトイレ掃除や他クラスのサポートを指示され、座る時間すらなかった。早番は6時半、遅番は10時出勤だったが、園を出られるのはそろって19時。園長が来る日は20時前後まで園を出ることはできなかった。

 早番勤務を割り当てられることが多かったはちみつこさんは、休憩&外出なしで12時間前後拘束されることも多かったという。

「求人票には月の残業0時間と書かれていたのに、実際は毎日残業で手当も一切つきませんでした。さらに、毎月の給食費(9800円)や茶話会費(4500円)などの項目で給与から天引きが多く、手取り額を見て、毎月貯金を切り崩さないとやっていけないことを確信し絶望しました」

 他クラスの創作物の手伝いに、先輩保育士の買い出し代行など独自の園ルールにも驚いたそうだが、最も辛かったのは待遇面と話す。全額支給だったはずの交通費も入園後に月の上限1万円までと知らされた。早朝6時半の早番は自腹タクシーだった。先輩保育士からは「早く園の近くに引っ越してくださいね」と注意を受けた。

「当時はテレビの笑い声や楽しい音楽を聴くのがつらく、大好きだったテレビと音楽を拒絶するくらい精神的に参っていました。たった3ヵ月間でしたが、人生の中でとてつもなく長く辛い3ヵ月でした」

■「保育士の人員不足が1番ヒューマンエラーに繋がりやすくブラック化しやすい」

 辛い記憶を「浄化する意味もこめて漫画にした」というはちみつこさん。当時を振り返り、保育園がブラック化する要因をこう推察する。

「当時開園10年目の園でしたが、ベテランの先生が開園からずっと勤務されている方々だったので、『これが当たり前』になっていたのだろうと思います。保育園はとても閉鎖的な面があり “ブラック改善”は簡単ではありません。ただ、良い保育園は、常に職員間でどんなに小さな事でも声をかけ合っています。私がこれまで色々な園を経験してきて思ったのは、保育士の人員不足が1番ヒューマンエラーに繋がりやすく、ブラック化してしまう要因かなと思いました」

 漫画を通じて最も伝えたいのは「逃げる勇気」だ。

「私は3ヵ月でブラック保育園を辞めました。今、『仕事を辞めたい』『私の職場は変なんだろうか?』と悩んでいる人がいれば、辞めていいんだよ!と伝えたいと思って描いています」

 これまでの投稿には、現職の保育士からも多くのコメントが寄せらせ、「全く同じ」「休憩がある園で働いたことがない」など、改めて保育士の過重労働が恒常化している現状がうかがえる。そんな読者たちに向け「切なすぎるコメントたくさんいただきますが、自分を犠牲にせず、大事にしてください。辞めたっていいんです」とエールを送るはちみつこさん。ブラック保育園経験者として、保身の必要性を説くと同時に保育現場の環境改善を願っている。

(提供:オリコン)
早番勤務(6:30~15:30)でも園を出られるのはなぜか19時。その間の外出は許可制で、うかつに外出すると先輩保育士らの「買物代行」をするはめに…。『ブラック保育園辞めました』(@hachi_mitsu89)より。
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