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松下由樹、50代も役者にストイック
『想い出にかわるまで』(TBS系)や『ナースのお仕事』(フジテレビ系)、『大奥〜第一章〜』(フジテレビ系)、『G線上のあなたと私』(TBS系)など数々のドラマや映画で幅広い役柄を演じてきた実力派俳優・松下由樹。作品で魅せるだけではなく、長きに渡って企業CMにも出演し続け、コント番組に登場すれば“笑い”もかっさらう。安定した人気を保ち続けている彼女は、自身が演じる“役柄”とどのように向き合ってきたのか。職人のように芸を磨き上げ、これからも「役者という仕事を突き詰めていきたい」と語る彼女に、仕事への向き合い方を聞いた。

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■連続ドラマのシリーズ出演を更新「同じ役を演じ続ける楽しさを、いま改めて感じています」

4月30日(金)からテレビ東京金曜8時のドラマ枠では初のシーズン5となる『警視庁ゼロ係〜生活安全課なんでも相談室〜』。本作は主演の小泉孝太郎演じるエリートキャリアで究極のKY刑事の小早川冬彦と、松下由樹扮する男まさりで口の悪いベテラン刑事の寺田寅三(とらみ)の“迷コンビ”が事件を解決する人気シリーズだ。松下にとってこれまで連続ドラマのシリーズ最多は『ナースのお仕事』(フジテレビ系)だったが、その記録を塗り替えた。

「今回、私にとって初のシリーズ5まで続けられたことをとても嬉しく思っています。シリーズを続けたくても視聴者の皆様に愛されなければなかなか実現できることではないですから。私自身、ひとつの作品で同じ役を演じ続ける楽しさを、いま改めて感じています」

このシリーズの最大の魅力はなんといってもKY刑事の冬彦とベテラン刑事の寅三の“迷コンビ”が織り成すコミカルな掛け合いだ。

「シリーズの最初の頃はお互いに少しずつ距離を縮めていくような感じでしたが、撮影を重ねるごとに台詞の相談をしたり、現場の隅っこに行って2人で掛け合いの練習をしたりして(笑)、自然と阿吽の呼吸でできるようになっていったように思います。冬彦と寅三は息が合っている時もあれば、全く息が合わない時もあるので(笑)、そういった面白さを小泉さんと大事にしながら演じています」

これまで主演を多く経験していながらも、名バイプレイヤーとして作品に深みを出してきた彼女。寅三を演じる際に気をつけていることは「現場ではなるべく小泉さんが自由にお芝居できるようにすること」だという。

「警視殿(冬彦)はKYで傍若無人なところがありますが、それでも許せてしまうキュートなキャラクターなんです。ですから、そういう部分を寅三が壊さないようにと意識しながら演じるようにしています」

キャリアで言えば小泉は松下の後輩にあたる。だが、あくまで主役ファーストで作品ファースト。自分の役柄だけでなく、もっと俯瞰的に作品を盛り上げようとする気概が見えた。

■「ある意味ドラマや映画より大変」ターニングポイントとなったバラエティ番組出演

女優として手堅く歩んできた彼女だが、2001年にバラエティ番組「ココリコミラクルタイプ」にレギュラー出演。コントに挑戦した。

「“役者”として出演して頂きたいというオファーでしたし、こういった番組でトークをするのも初めてだったので新しいチャレンジになりそうだな、楽しそうだなと思ってお引き受けしました。もちろん様々な作品で役者として成長させて頂きましたが、2001年から6年間レギュラー出演させて頂いた『ココリコミラクルタイプ』(フジテレビ系)は私にとってひとつの転機にはなっているのかなと、そんな風に思います」

バラエティという世界へ飛び込んだ結果、コントでの芝居も映画やドラマでの芝居も“役者という意識で挑む”ことには変わりなかった。

「ドラマなら1時間×10話、映画なら2時間で演じるキャラクターを見せていきますが、コントドラマでは2、3分でどういう人物なのかを表現しなくてはいけません。時間的な違いはありますが、どれも“役を演じる”ことには変わりないという意識で挑んでいました。『ココリコミラクルタイプ』の現場はひとつのコントドラマを毎回一発勝負で演じているので、舞台でお芝居しているような緊張感もあって、ある意味ドラマや映画より大変でしたね。NGを出してしまうと全員で頭からもう一回やらなければいけないというプレッシャーの中でお芝居していました。でも楽しかったですし、集中力はこの時に凄く養われたんじゃないかなと思います」

■役で世間から嫌われることは「役者冥利に尽きる」

過去にはドラマ『想い出にかわるまで』(TBS系)で姉の結婚相手を奪うという悪女を演じ、世の女性達から嫌われてしまうこともあった松下。当時の反響をどう思っていたのか尋ねると「作品の役として私のことを見てくれているんだと思うと役者冥利に尽きますよね」と明るく語る。演じる役柄とどう向き合っているのか。

「私は基本的に演じる役柄と自分を比べたり、似ているところをあまり探したりしないんです。例えば今回だったら現場で“寅三先輩”と呼ばれるほうが心地いい。自分がどうというよりも“寅三像”のほうが大事なので、役を客観的にというか、自分自身とは切り離したところで見るようにしているんです。他の作品に関しても、職業を持っている役なのか主婦なのか、あるいは原作ものなのかでアプローチが違ってくるので、まずは作品の中の役柄にどうリアリティを出せるかを大事にしています」

役柄をあくまでも客観的に捉え、まるで職人のように磨き上げたスキルでどんな難役もこなしながら役者道を極めてきた松下。最後に今後の展望について尋ねると、真っすぐな瞳でこう答えた。

「50代という自分の年齢、そして時代にあった様々な作品にチャンレジしていきたいです。それをずっと繰り返しながら生きていけたらいいなと。私はお芝居以外でやってみたいことをあまり考えたことがないんです(笑)。これからも役者という仕事を突き詰めていけたらと思っています」

(取材・文/奥村百恵)

(提供:オリコン)
松下由樹 (C)テレビ東京
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