【オリコンニュース】
大泉洋「三谷さんに感謝しかない」
 俳優の小栗旬が北条義時役で主演を務める、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(毎週日曜 後8:00 NHK総合ほか)。圧倒的な存在感で作品を牽引してきた鎌倉幕府初代将軍・源頼朝がついに最期を迎えた。改めて頼朝役を全うした大泉洋が本作の魅力を振り返る。

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――今作に出演されて、改めて三谷作品の面白さをどういうところに感じていますか。
毎回すばらしいんですけど、こんなことを言うと失礼かも知れませんが、三谷さんの円熟期の、集大成のような大河ドラマなのかなという気がします。海外のドラマなんかを見てると、やっぱりすごいじゃないですか。本当に面白いし、すごく重厚なものが多くて、どうしてもそこと比べてしまうと日本のテレビドラマというのはどこか成熟していないような気持ちがあって、「海外ドラマってすごいな」と思っていました。

でも今回の『鎌倉殿の13人』って初めて、本当に「日本にもこんなにすごいドラマがあるんだ!」って自慢したくなるような。 僕は全部の大河ドラマを見てるわけじゃないし、全部のテレビドラマを見てるわけじゃないから、あくまで僕の個人的な感想だけど、そう思えるようなドラマですよね。三谷さんが書いているので、単純な面白さ、笑いの要素もあるんだけど、笑いから“どシリアス”への振り幅がすごくて。よくファンの皆さんが「風邪引きそうだ」とか言っていますが、本当にそんな感じですよね。笑ってたところからこんなシリアスになっちゃうんだ、とかね。

僕なんか今でも第15回、もう本当にあれで日本中から嫌われましたけれども(笑)。やっぱりあんなにおもしろい回はないなと思いましたね。あのときも三谷さんからメールが来て「案の定、日本中を敵に回しましたね」ってひとこと目に書いてあって、最後に「でも僕は大好きです」って書いてあって(笑)。あきらかに面白がってますよね(笑)。

――愛がありますね(笑)
三谷さんの歪んだ愛が私をいつも襲ってます(笑)

――頼朝が死に向かっていくあたりの台本を見た感想は?
面白いと思いました。一人の、権力の頂点に上り詰めた人がどんどんダメになっていく。巻狩りの最後でも口にしていましたが、どこか天にも見放された気持ちになってきて、どんどん自分の犯してきた、罪…とは言いたくないけど、たくさんの人を排除してきた男が、そこに苦しめられていくというか、その亡霊に苦しめられていくというか。

25回の頼朝は精神分裂気味の人になってしまったのかなと思っていました。突然、巴御前のところに行って、義仲を討ったことを申し訳ないって思っちゃった。その気持ちも分かる気がしました。死ぬ直前に今まで自分がやって来たことを謝りたくなるような気持ちでした。

――これまで主要人物が亡くなると「○○ロス」とSNSが沸いてきましたが、頼朝の死はどう受け入れられると思いますか?
好きに受け取ってほしいです(笑)。どう思うんでしょうね。あまりにも頼朝はひどく描かれてますからね。頼朝が倒す相手はものすごくいい人に、とにかく性格良く描いてるから、そりゃ頼朝が悪く見えるし、「ひどい殺され方してほしい」なんて言われてしまってる(笑)。でも僕は、実にシンプルというか、素直に頼朝の最期が描かれていて、とっても面白いなと。25回では馬から落ちて、そのあとの26回もまた、三谷さんらしいですよね。頼朝がただ寝てるだけっていうのは面白いなぁと。寝てる頼朝の周りでどんどん動いていく。まさに劇作家・三谷幸喜の真骨頂というか。基本、三谷さんの舞台はワンシチュエーションですよね。

1つの部屋があってそこで何かがずっと起きてくのを描くのが上手な方だから。大河ドラマだから頼朝の最期も大きなうねりの中で描いていきたいだろうけど、それが、頼朝が眠ってるそこだけで起きていく。小さいんだけども、今後の鎌倉がどうなっていくかの大事な話し合いが行われていく。

そして頼朝の本当の最期は政子と2人で迎えましたけど、演出の保坂慶太さんが非常によく撮ってくれて、すごく美しいカットだったんです。小池栄子さんの熱演も素晴らしかった。とても印象に残ってます。こんなドラマとこんな役にはそうそう巡り会えないなと、とっても幸せだなと思いましたね。もう、こんな役をいただいて三谷さんには感謝しかないです。

(提供:オリコン)
『鎌倉殿の13人』の場面カット(C)NHK
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