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日向坂46渡邉美穂【スピーチ全文】
 アイドルグループ・日向坂46の2期生、渡邉美穂(22)の卒業セレモニーが28日、東京国際フォーラム ホールAで開催された。アンコールで淡い空色のドレスに身を包んで一人ステージに立った渡邉は、2017年8月の加入から約5年の活動を涙ながらに振り返り、約15分にわたってファンやメンバーに感謝の想いを伝えた。スピーチ全文は以下のとおり。

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 アンコールありがとうございます。ドキドキしますね。まずは改めて、こうして卒業セレモニーを無事に迎えられたこと、本当にうれしく思います。会場に足を運んでくださった皆さんも、配信をご覧の皆さんも、本当にありがとうございます。

 ずっと…卒業を発表してから、この場で何を話そうかなって、最後、私はおひさま(ファンの総称)の皆さんを目の前にして、どんなことを伝えようかなって、何ヶ月も考えてきたんですけど、伝えたいことがありすぎて、全然決まらなくて。結局、この場に立って、ここまでいろんな楽曲を披露してきて、今素直に感じることを伝えるのが一番私らしいかなと思って、ここまでやってきてその想いを伝えようかなと思います。

 なんか正直、ずっと実感がわかなくて。今この瞬間も、あれ? 私って本当に卒業するのかなって思うくらい、なんか本当に信じられないなんですね。それくらい、この日向坂46というのが私の人生の一部になっていて、それがこれからなくなるって全然想像できないんですよ。

 でも、それってすごい寂しいなとも思うけど、幸せだなとも思って。メンバーって本当に家族みたいな存在で、メンバー以外にもいつも支えてくださっている周りの方々だったり、おひさまの皆さんも、本当に私にとっては、とても大切な人たちで。そんな人たちに囲まれて、今この場を迎えられるって本当に幸せだなって思います。

 正直私は、入ったときからしっかりしてる人とか、スポーツ少女とか思われがちで。自分もそう徹してきたんですけど、でも実際にはすごい繊細で弱い部分もあったし、でもそれをすべて包み込んで受け止めてくれる人たちが周りにはたくさんいて。この5年間で本当に、アイドルとしてはもちろん、人間としても、大きく成長させてもらえたなって思います。

 この5年間活動している中で、必死にこうして駆け抜けてきていると、自分が今、どういう状態で、周りからどう見られてるのかなとかもすごく悩んだんですよ。あまり成長できてないんじゃないかなぁとか、皆さんの期待に応えられてないんじゃないかなってすごく悩むこともあったし。

 もちろん、楽しかったり楽なことばかりじゃないので、いっぱい悩んだりもしたんですけど、その中で自分って誰かのためになれてるのかなとか、すごく悩んだんですね。でも、4月3日に卒業発表してから、自分の思ってる以上に、いろんな人から愛を与えてもらえて…。自分ってこんなに愛されていたんだなって、初めて知りました。

 誰かの役に立てないんじゃないかなぁとか、自分は何者にもなれないって、入ったばかりの17歳の頃はすごい悩んで。でも、5年間頑張ってきて、今この瞬間、こんなにもたくさんの人に私は常に見守ってもらえてたんだなって、強く感じました。幸せだなって言葉では収まり切らないくらい、大げさかもしれないけど、本当に、生きててよかったなって、この道に来てよかったなって、そう思います。そして、そう思える5年間でよかったなと本当に思いました。

 今、“ミーグリ”(メンバーとファンがオンラインで対話するミート&グリート)というものをやっていまして、前は握手会でもおひさまの皆さんからいろんな言葉を受け取るんですね。その中で、すごく涙ながらに私に向かって『美穂ちゃんのおかげで、人生が変わったんだ』って。『すごく苦しかったことがあったけど、それを乗り越えることができたんだ』って、みんな涙を流しながら伝えてくれるんです。

 それを受け取ったときに、自分って誰かのためになれてたんだって。自分がかつて大好きな、憧れているアイドルの方々から生きる希望を与えられたように、今私も誰かの希望になれているのかなって。もし1人でも私の存在に救われた人がいたら、それだけで私はアイドルになってよかったなって本当に思います。

 4月3日に卒業を発表してから約3ヶ月弱ですかね、本当にいろんな方から「卒業おめでとう」とか「また会おうね」って言われて。私も感謝の気持ちしかなくて。ふだんから私のことを支えてくださったスタッフさんだったり、メイクさんだったり衣装さんだったり。このイベントを一緒にこうやって作り上げてくださったライブチームの皆さんだったり。

 これまで私と一緒にお仕事してくださったたくさんの方々にも本当にたくさんの刺激を受けたし、いろんなところで「また一緒にお仕事しようね」って、そうやって言ってもらえるのって、やっぱり簡単なことではないので。本当にここまでやってきてよかったなって思いました。

 そして、やっぱり家族は一番身近なところで私を支えてくれて。きょうも観ていると思うんですけど。家族に「美穂がアイドルになったから、みんなで毎回ライブに行ったり、ツアーのときは全国いろんなところに行ったり…大人になってこんなに家族で集まることってきっとなかったから、美穂がアイドルやっててよかった」と言われたときに、今、すごく親孝行できてるんだなと思ってうれしくなりました。

 ライブとか毎回本当に楽しみにしてくれてたので、これからその景色を見せてあげられないのはすごく申し訳ないなって思うんですけど、私はこれからまた違う道で、違った景色をみんなに見せてあげたいと思うので、これからも一番近くで見守っててもらえたらなと思います。

 そして、大好きなメンバー。メンバーは今、(ステージの)袖にいるんですけど、本当にすてきなグループに入れたなって、改めて思います。1期生の皆さんのあの明るさに、私も本当に励まされたし、(グループのモットー)“ハッピーオーラ”の根源というか、このグループの雰囲気は1期生がいなかったらきっと作られなかったものだし。

 このセレモニーのリハーサルをやっているときも、一緒に楽曲をやるときとかも温かく迎えてくださったり。『誰跳べ(誰よりも高く跳べ!)』のときに私を一番前に出してくれたのも1期生から提案があって。こんなすてきな先輩の元で、後輩できてよかったなって思ってます。「卒業したら、これからは親友になれるね」って言ってもらえて、その言葉で私は前を向くことができました。

 そして、3期生は4人で少ない人数なんですけど、私はみんなの雰囲気が大好きで。一緒に「Right?」を踊るのがずっと夢だったから、セレモニーをやると決まったときも「Right?」やりたいってずっとずっと言ってて、それがかなって私はもう、大満足です。本当にすてきな後輩で、どんどんどんどん成長していく姿が感じられて、すごく頼もしいなって思っていました。これから私は外から見守ることになるけど、毎回のライブのたびに、さらに成長した姿を見せてくれるのかなって楽しみにしています。

 そして、同期の2期生は、本当に個性豊かな子たちばかりで。みんな優しくてすごく面白くて、私は大好きです。「沈黙が愛なら」を歌っているとき、2サビのときに一番上に立っているから、みんなの後ろ姿が見えたんですね。そのとき、みんなの背中が5年前よりすごく大きく見えて、みんなこんなに大きくなってたんだなってすごい感動したし…。

 一つ言うと、卒業を決めて、同期の2期生の中では最初なんですけど、同期の全員に囲まれて卒業できる人って最初の1人しかいないので、その点ではちょっとラッキーだったなと言ったらアレですけど、みんなに囲まれて卒業を迎えられて本当によかったなって思います。

 そしてやっぱり、私が一番感謝を伝えたいなって思うのは、おひさまの皆さんですね。きょうもこうやって会場で話を聞いてくださったり、配信をご覧になってくださっている皆さんがいなかったら、今の私はいません。皆さんの何気ない一言が、私を勇気づけてくれたし、卒業を決めた今でも、もちろん寂しいと言って惜しんでくれるのはすごくすごくうれしいし、でも、「寂しいけど美穂ちゃんの幸せを願って送り出すね」って、そう言ってくれるファンの人がいるって、本当に私は幸せだなって思います。

 本当に、私を見つけてくれて、ありがとうございました。好きって言ってくれて、ありがとうございました。本当に5年前、ひらがなけやきのオーディションを受けてよかったなって思います。

 これから日向坂は、4期生も新しく入って、きっともっと違った形になってくると思うし、永遠に同じものなんてないから、この先いろんなグループが見えてくるのかなと思います。それでも私は、卒業したら、おひさまになれるし、外からグループを見たことが実は一度もないので、そういうまた違った景色から見れるのは楽しみだなと思います。

 私は本当にグループが大好きで、メンバーが大好きで、絶対絶対、みんなには幸せになってほしいです。共にいろんなことを乗り越えてきた仲間たちを、私はこれ先の人生もずっと応援しています。そして、私はこれからまた違った道を自分の足で歩き始めますが、もっとなりたい自分になって、また皆さんと違った形で会えるのを楽しみにしています。

 長くはなりましたが、ここらへんで締めさせていただこうかなと思います。改めて、5年間、本当にありがとうございました。



(提供:オリコン)
『日向坂46 渡邉美穂 卒業セレモニー』より Photo by 上山陽介
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