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山田涼介、役に必要なら「丸刈り」
 人気グループ・Hey! Say! JUMPのセンター、そして俳優としても活躍する山田涼介(26)。17日には主演映画『記憶屋 あなたを忘れない』も公開されるなど、順調に俳優としてのキャリアを積む彼にインタビューを敢行した。アイドル、役者という2つの顔を持つ山田だが、いつの間にか芝居に魅せられたことで「かっこつけなくなった」と変化を明かす。作品に必要であるならば「丸刈りにだってするし、眉毛だって剃る」と語る彼の言葉からは、芝居への情熱が垣間見えた。

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■変化のきっかけは「芝居が好きになったから」現場ごとに自分のあり方を変える

 刊行以降の累計が50万部を超える織守きょうやの小説が原作。人の記憶を消すことができるという“記憶屋”。ある日、恋人が自分に関する記憶を失ってしまった大学生の遼一(山田)は、彼女の記憶を取り戻すべく、都市伝説めいたその人物を探すこととなる。

 俳優業のなかで忘れられない“記憶”について聞くと「基本的に出演した作品、知り合ったスタッフさん、キャストさん、何一つ忘れたくないです。初めて出演したドラマのことも鮮明に覚えています」と力を込める。その頃と比べて変わったことについては「かっこつけなくなりました。自分がどう映っているか、なんてどうでもよくなった。きっかけはわからないんですけど、芝居が好きになったからだと思う」。

 「若い頃って、自分がアイドルだからというのもあるけど、お芝居をしていても『かっこつけたい』って気持ちがどこかにあるんです、でもその気持ちって、演じる上では邪魔でしかない。だから、それがなくなりました。言われたらすぐ丸刈りにするし、眉毛だって剃ります。見た目で要望があるならなんでもやりますよって。役にもよりますが、『かっこつける』芝居はなくなりました」。その言葉にも飾るものはひとつもない。

 では、どんなところに芝居の面白さを見出したのか。まず前提に「自分が演じるものに対して誰かがなにかを感じてくれれば、そこに存在意義を感じています。映画だから、ドラマだから、舞台だから…とそういう区別は考えたことはないです。自分が演じることで、誰かに届くものがあるなら精一杯演じさせてもらう。演技をするのが好きなので、その場所がどうこうというのは考えたことがないです」という。

 その上で「芝居では自分が知らない自分を引き出さないといけない。でもそれって結果的に自分が持っていた部分でもある。“殺し屋”の自分なんて知らないけど、でも“殺し屋”を演じるためには、自分のなかにあるものを引き出して表現していかなければいけない。それは面白い作業だと思います。毎回見つかるわけではないけど、今回の作品は割と“優しい自分”が出ていたのかな。優しいときはこんな風なんだって観ていました(笑)」。

 作品のために尽力する姿勢はカメラの前以外でも、他のキャスト・スタッフとのチームの作り方への意識からも感じられる。今作では「芝居って大変なのが、会ったその日にカップルを演じたりすることがあるじゃないですか。だから会う時間は限られるけど、現場で会ったときは敬語をなくしたほうがやりやすいかな」と幼なじみを演じた女優・芳根京子(22)に敬語をやめることを自ら提案した。

 「最近だと、特に年下の役者さんが増えてきて、ありがたいことに座長も多いですし…。真ん中に立つ人間としてなにができるんだろうと思い、現場ごとに自分のあり方を変えています。主演でガッツリ引っ張るときは『ついてこい!』というスタンスでいるときもあるし、生徒の一人なんだけどセンターポジションのときは、みんなで足並みそろえてやろう、とか作品ごと、場所ごとに変わりますね」。胸に刻んだ一つ一つの大切な“記憶”を糧に役者として成長を遂げている。

■「アイドルの自分を演じている」ファンの心を掴む才能と努力

 作品のなかでは、天性の“華”を消して、あくまで普通の大学生である遼一をナチュラルに演じている。顔合わせでは監督から「キラキラを消してほしい」と言われたそうで「見た目もそうですけど、喋り方。角が立たないように。僕は普通に話していても強い口調になってしまう時があるので、それがでないように柔らかく…」とこだわりながら演じた。

 漫画や小説原作モノなどの非現実的なキャラクターを演じることが多いが、本人としては“普通の大学生”を演じることは特別、難しいことではないという。「自分としてはアイドルとしての自分の方が演じているかな。キラキラしていないです。そんな夢を壊すような事を言ってはいけないのかもしれないけど…。でも実際はそうだから。あくまで、僕の感覚の話なので、みんながみんなそうではないと思いますが、アイドルの自分を演じていると思います。そうでなければできない仕事です。

 だから僕は24時間、Hey! Say! JUMPの山田涼介でいることはないです。それは疲れてしまうから…。一歩、外に出たらスイッチを入れる人っていると思うんですけど僕は全然違います。“アイドル”スイッチは本番ギリギリまで入れないです。普段の性格は、明るくはないし、結構根暗な方なのでステージの上とは全然違いますよ(笑)。ただ、ライブは好き。お客さんと触れ合う時間が好きです。そこに嘘はないです。

 こういうのも本当は言わないほうが“アイドル”なんでしょうけど、嘘をつくのも、面倒臭いなって思ってしまう性格。だから、すごく“アイドル”らしいことを言うこともなくなりました。本音でぶつかっていくというか。受け入れてくれる人だけ、付いてきてくれればいい。バラエティーとかでは素を見せているので、わかってくれている人のほうが多いのかな? 素の自分の時と、アイドル活動をしてる時のギャップに魅力を感じて、ついてきてくれている人も多いと思いますね」。

 インタビューの数日前に取材した『Hey! Say! JUMP LIVE TOUR 2019-2020 PARADE』東京公演では完璧なまでにアイドルを全うし、観客の熱狂を生む山田の姿があった。アイドルとしての自分を「演じている」とはっきり言い切ってしまっても、多くのファンの心を掴み続けている。それが山田涼介の才能であり、磨き抜かれたプロ意識から来る努力の賜物なのかもしれない。

■山田涼介(やまだ・りょうすけ)
1993年5月9日生まれ、東京都出身
2007年よりHey! Say! JUMPのメンバーとして活動。俳優として第39回日本アカデミー賞・新人俳優賞(映画『暗殺教室』)、第25回日本映画批評家大賞・新人男優賞(映画『グラスホッパー』)、第91回キネマ旬報ベスト・テン・新人男優賞(映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』『鋼の錬金術師』)受賞歴を持つ。

(提供:オリコン)
映画『記憶屋 あなたを忘れない』で主演を務める山田涼介(C)2020「記憶屋」製作委員会
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