【オリコンニュース】
結成30年 くりぃむのコンビ愛
 お笑いコンビ・くりぃむしちゅーによるテレビ朝日系の新バラエティー番組『くりぃむナンタラ』(毎週日曜 後9:55)が、17日よりスタート。長きにわたって、根強いファンから支持されてきた“くりぃむシリーズ”が、13年ぶりプライム帯(午後7時から11時の時間帯を指す)の全国放送となるが、スタートにあたってくりぃむしちゅーの2人は何を思っているのだろうか。リモートでインタビューを敢行し、今回の番組にかける思い、海砂利水魚時代から数えると30年を迎えたコンビ関係などに迫った。

【写真】ケーキ入刀の瞬間!改名20周年を祝うくりぃむしちゅー

 鋭意制作中の待望の新企画とともに、さまざまな場所に赴き、そこにある間違いを“ビンカンに”察知して見つけ出すことができるかを競う『ビンカン選手権』や、審判・有田哲平のもと、上田晋也が男性ゲスト陣とともにミニスカートを着用し、パンツが見えないよう陸上競技に挑む名物企画『ミニスカート陸上』、さらに、くりぃむしちゅーがタレントを遠隔操作する『人間インストール』、逆に上田&有田が後輩芸人に遠隔操作され、体を張った仲良しコントを繰り広げる『こっそり楽屋選手権』など、長年のファンから根強い人気を誇る企画も夜10時台に向けて続々アップデートされる予定。

■上田晋也日曜夜10時枠での新番組に複雑な胸中も「フルスイングでやっています(笑)」

――今回、日曜の午後9時55分から“くりぃむ”シリーズをやると聞いた時の心境は?

【有田哲平】ぶっちゃけた話をすると、深夜の時はスタッフも少人数でやっていたので、こんなことをやりたいなと思ってもできなかったり、先送りにしていたこともありまして。それが時間帯が上がったことで、スタッフの数も増えて、環境もよくなって、活気づいていますので、よかったなと。やっと、もっと外に出て派手なことができるという感じですね。

【上田晋也】時間帯が上がるということは、もちろんうれしいことなんですけど、この時間帯を聞いて、ご存知かわかりませんが、僕16年半裏番組をやっていたんですよ。裏番組っていうか、ごめんなさい、向こう(『おしゃれイズム』)が本番組で、こっちが裏番組なんですがね。それが終わるやいなや、3ヶ月とか半年か間を置くならまだわかりますが、それが、イズムが終わってからすぐやるのかな?(スタッフから「2週空きます」との声)「2週空くからいいじゃない?」なんていうね、無法者なんですよ(笑)。でも、これは僕が望んだことではないんですよ。いや、ありがたいんですよ。日曜の夜10時から、バラエティーをやらせていただけるというのはね。でも、人には恩義とかね、義理とかあるわけじゃないですか。日本テレビさん、資生堂さんに16年半もお世話になって、いきなり裏はできないと。でも、いや今しかないですよって言われたら、よしやろうという話になりますよね。今、フルスイングでやっています(笑)。

■ANNでの名言封印? 時間帯が上がっても深夜時代の勢い変わらず

――ANNファンからは「俺、イズムあんのよぉ」ロスの声も聞かれていますが…

【上田】そんなのはオレ1回か2回くらいしか言ってないんですよ。だから、聞けなくなるって言っているんですけど、言ってないんだから聞けないんですよ。もともと聞けないです。

【有田】やっぱり、上田さんが『おしゃれイズム』というものに関わって、気持ちが入っていましたからね。いつからか、本当に上田さんの中に『おしゃれイズム』というイズムがありましたからね。あの言葉が聞けなくなると思うと(笑)。

【上田】いや、ほとんど言ったことないのよ。お前にも2回くらいしか言ったことないのよ。

――お2人にとって“くりぃむシリーズ”は、それほど思い入れの強いものだと思いますが、生涯続けたいといった気持ちはありますか?

【有田】いろいろと形を変えながらも、やり続けてきていますので、これは体が続く限りというか、どういうものになっていくか。僕らも言葉は出てこない頭は回らない、体も動かないってなったら、どんな番組形態になるのかわかりませんけど、一生やらせていただけるとありがたいですよね。

【上田】あくまでの僕の周りの評価ですけど、ここまで両極端な評価を得る番組ってないんですよね。ウチの娘と息子は、一番評価してくれるんですよ。僕がミニスカートをはいて、見えるか見えないかってやっているのを楽しんでくれて、この番組を録画して、僕がいない時に一気に見てくれたりしているみたいなんですね。一方「あの仕事をやめるわけにはいかないか」と言っているのが、ウチのおふくろなんですよ。僕が50歳を過ぎて、ミニスカート姿で番組に出ていることに、あきれ果ててはいるんですよね。両極端なんですけど、僕としてはくっだらない、何の情報性もなく、何の足しにもならないことをやりたくて、この業界に入ってきましたのでね。できれば、テレ朝さんでずっと続けられたらと思っています。テレ朝さんから、お前ら付き合いきれんってなってしまった場合は、YouTubeでやります。

――「ビンカン選手権」「ミニスカート陸上」など、往年の名企画復活への喜びの声も相次いでいます。お2人も待ちわびた、うれしいなどといった気持ちはありますか?

【有田】世の中が落ち着いてからというのがありますが、スタッフ一同、そういう準備はやっておりますので、必ずいろいろと復活してくると思います。

【上田】ビンカン選手権をやっていたのも、もう10数年前だからっていうんじゃなくて、別に今やって面白かったらやってもいいじゃんっていうのもありますし、昔の企画ばかりにこだわるのではなくて、みんなでアイデアを出し合って、こういうのどうってやってみるのもいいですし。思いつきでやって、失敗を繰り返すこともけっこう今まではあったと思うのですが、たぶん今後もそうなると思います(笑)。絶対この企画、シミュレーションやってないなっていうものが出てくるので。それでね、これよく日曜の夜10時にオンエアしたなということも込みで楽しんでもらえたらなと。

■コンビ仲の秘けつは“あきらめ”と“仕事量” 猪木の姿に感動「元気があれば何でもできる」

――コンビ仲の良さも番組を通じて感じられますが、仲のいい秘けつなどはありますか?

【有田】あきらめじゃないですか? 僕なんか特にそうですけど、高校の頃とかは上田さんに相談したりしていましたし、芸人になってから、もっとこうしていくべきだと語り合って、場合によってはケンカになることもありましたけど、だんだんと、僕からしたらそれが上田さんだし、上田さんからしたらそれが有田だしってあきらめというか、認め合うようになって。残りの芸能生活もそんなに長くないんだから、もういいだろうと。上田さんって、反コンプライアンス委員会の代表じゃないですか(笑)? だけど、それでいいじゃないかと。

【上田】あっ、どうも。反コンプライアンス委員会の委員長をやっておりますけどね(笑)。やってませんよ。ちゃんとコンプライアンスを守っていますけど。芸人のコンビやトリオなどが仲良くできる秘けつって、たったひとつで、仕事があるかどうかなんですよ。仕事があれば、なんとなくうまくいくんです。仕事がないから、余計なことをいろいろと考えたりとか、仕事がないのは相方のせいじゃないかとか、ギスギスしちゃうんですよ。我々の場合、ありがたいことにお仕事をいただいているのでね。これが減っていって、残りひとつくらいになっていたら、もう殴り合いになっていると思いますね(笑)。

【有田】青あざ作って、どっちかが番組に出ていたら、何かの番組が終わるんだなと思っていただけたら(笑)。

――今年は海砂利水魚時代から数えると、結成30年という節目を迎えます。この際だからお互いに言っておきたい「ナンタラ」はありますか?

【有田】(上田が新型コロナウイルスに感染して)改めて思いましたけど、体には気をつけてほしいですよね。僕らももう歳なので、何があるかわからないですからね。上田さん、ジムとかに行っているみたいですけど、体を鍛えようが鍛えまいが、体弱いですし、すぐ骨折するし、飯を食った後に薬を10錠くらい飲んだかと思ったら、次の日に風邪で休むなんてこともありましたし、本当に心配なんですよ。自分に子どもができて、だんだん長生きしたいって思うようになってきたのですが、上田さんは子どもが2人いるから…。

【上田】本当にね、4~5年くらい前から健康とか無事であればいいやなっていうくらいしか思わないんですよ。若い頃は確かに、初詣とかに行っても、仕事が増えますようにとかっていう願いを込めたりしていたのかなっていう気もしますけどね。もうみんな無事で健康であれば…っていうことしか求めない。平穏無事に平和に生きていけたらいいですよ。

ちょっと、こういう言い方は語弊があるかもしれないですが、アントニオ猪木さんの「元気があれば何でもできる」って、これまでは正直なところ疑問があったんですよ。昔から猪木さんのことは大好きなんですけど。でも、この歳になるとわかるのは、確かに、元気があれば何でもできるんですよ。実際、猪木さんのYouTubeを見て、体調を崩されていたここ数ヶ月本当に心配していたんですよ。そうしたら、猪木さん元気になられたじゃないですか。すごいと思う。アントニオ猪木は。本当にリスペクトしている。元気があれば何でもできるんですよ。猪木さんに、また励ましてもらいましたね。猪木さんにも元気でいてほしい。

――あすから学校や会社が待っているという気持ちを抱えがちな日曜夜に、くだらない番組があることの大切さを視聴者としても感じますが?

【上田】それが理想ですよね。あした会社とか学校があるのかっていう気持ちの時に、テレ朝をつけて、なんにも考えずに、こいつらバカだなと思っていただいて、なんかスッキリしたから寝て、あしたからまた楽しくやるかっていう気分のほんの少しのお手伝いになれば、それが理想ですよ。やっぱりね、あしたからきらびやかにファッショナブルにいきたいなっていう方は、やっぱり『おしゃれクリップ』をご覧いただけたらなと(笑)。

【有田】ミニスカート選手権などを見ていると、上田さんが50歳過ぎてからなりたい自分になっているというか、心の中の自分になっているというか…。そういう「本来のなりたい自分になる」というコンセプトでやるのが『おしゃれクリップ』らしいんです。

【上田】そっちかい! あちらのお知らせはいいよ!

【有田】だからね、ウチもね、なりたい自分になるバラエティー番組というか。お笑い『おしゃれイズム』というかね。『おしゃれイズム』は終わりましたけど、終わってないんだと。こっちでやるんだと。

【上田】いや、終わりましたね。こっちでやらないです。

【有田】『おしゃれイズム』をこれからもよろしくお願いいたします(笑)。

【上田】いや、結果的にどっちを応援しているかわからないから(笑)。

(提供:オリコン)
バラエティー番組『くりぃむナンタラ』とコンビ30年でたどり着いた境地を語ったくりぃむしちゅー(C)テレビ朝日
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