【オリコンニュース】
2年ぶり『ロミオ&ジュリエット』
 ウィリアム・シェイクスピア原作、2011年に日本オリジナル版として誕生したミュージカル『ロミオ&ジュリエット』<日本オリジナルバージョン>の初演から10周年の今年、新キャストで2年ぶりに上演されることが決まった。

【写真】ロミオ役の黒羽麻璃央/甲斐翔真(Wキャスト)

 仇同士の家に生まれながら運命的な恋に落ち、争いの終結を願いながら、ひたむきに互いを愛したロミオとジュリエット。言わずと知れたシェイクスピアの名作に、本ミュージカルでは、“ティボルトの従妹ジュリエットへの密かな恋情”“ロミオに恋人の死をベンヴォーリオが伝える”といったオリジナルの設定を加え、登場人物の葛藤をより繊細に描き出す。特に全編を通じて登場する“死のダンサー”の存在感は強烈で、これによって愛と死、破壊と再創造といった哲学的テーマを表出させた点も、大きな特長。

 そして、この日本オリジナルバージョンの魅力は、ヒットメーカー・小池修一郎の手腕を抜きには語れない。『エリザベート』『モーツァルト!』など手掛けた日本初演作は軒並み大ヒットし、近年では『ポーの一族』『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』といった、“名作の世界初のミュージカル化”も成功裏に収めている小池。本作『ロミオ&ジュリエット』でも、迫力の歌とダンスで、若者の疾走感と感受性を巧みに表現し、2017年の新演出からは、“近未来を思わせる、破壊された世界で起こる物語”という設定を据え、この世の荒廃と、その中でなお煌めく愛の崇高さを、より鮮明に浮かび上がらせた。

 彼の演出作品を通じてジャンプアップした俳優は数多く、過去のロミオ役を翻っても、城田優、山崎育三郎、柿澤勇人、古川雄大、大野拓朗と綺羅星の如き俳優たちが並び、ジュリエット役には、昆夏美、フランク莉奈、清水くるみ、生田絵梨花、木下晴香、葵わかなと、本格的ミュージカル女優としての第一歩を踏み出す機会を作り出している。

 3シーズン5度目の上演となるミュージカル『ロミオ&ジュリエット』にもライジングスターが集結。ロミオ役には、黒羽麻璃央と甲斐翔真が決定。2019年の本作上演ではマーキューシオ役として、若さの危うさを瑞々しく表現した黒羽は、代表作であるミュージカル『刀剣乱舞』の三日月宗近役のほか、昨年ミュージカル『エリザベート』の暗殺者ルキーニ役、ミュージカル『るろうに剣心 京都編』の“悪のカリスマ”志々雄真実役と次々難役に抜てきされ(いずれも公演中止)、次代を担うと期待される注目株。一方の甲斐は、昨年『デスノートTHE MUSICAL』で初舞台にして主人公・夜神月役を堂々務め、その後もミュージカル『RENT』でHIVポジティブのミュージシャン・ロジャー役、ミュージカル『マリー・アントワネット』で王妃の恋人フェルセン役と大役に挑み続けている、まさに伸び盛りの新星だ。

 ジュリエット役には、伊原六花と天翔愛というフレッシュな二人を大抜てき。伊原は、高校時代にはダンス部のキャプテンとして“バブリーダンス”で一世を風び。18年よりドラマ・CMで活躍するほか、昨年は『ウエスト・サイド・ストーリー』Season3のマリア役(公演中止)にも配され、これからが楽しみな逸材だ。一方の天翔は、藤岡弘、の長女として幼い日から父の薫陶を受け、現在は音楽大学で実力を磨きながら、夢であるミュージカル出演を叶えたシンデレラガール。高校在学中に、自主制作映画の全国コンクール「高校生のためのeiga worldcup2019」で最優秀女子演技賞を受賞しており、その演技力に期待が高まる。

 さらに、ベンヴォーリオ役に味方良介と前田公輝、マーキューシオ役に新里宏太と大久保祥太郎、ティボルト役に立石俊樹と吉田広大、死のダンサーに小尻健太とKバレエカンパニー所属の堀内將平と、いずれも魅力的なWキャストが集っている。そして、キャピュレット夫人に春野寿美礼、乳母に原田薫、ロレンス神父に石井一孝、モンタギュー卿に宮川浩、モンタギュー夫人に秋園美緒、パリスに兼崎健太郎、ヴェローナ大公に岡幸二郎、キャピュレット卿に松村雄基をキャスティング。彼らが10周年の節目にどのような新風を巻き起こすのか、楽しみだ。

 ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』は、東京・TBS赤坂ACTシアターで5月21日~6月13日、大阪・梅田芸術劇場メインホールで7月3日~11日まで上演予定。

(提供:オリコン)
新キャストで2年ぶりに上演決定、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』(左から)甲斐翔真、黒羽麻璃央、伊原六花、天翔愛 (C)Takashi Okamoto
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