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Snow Man岩本、現状に満足せず
人気グループ・Snow Manが主演する『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』が12月4日に公開される。今作の撮影裏話や劇場・映画館での二段階上映という新たな試み、そして今年1月の鮮烈なCDデビューを飾ってから、激動の日々を過ごす現在の心境についてメンバーの岩本照(27)、ラウール(17)にインタビューを敢行。記事では前編をラウール、後編を岩本に分けて紹介していく。リーダーを担う岩本への取材では、ジャニーズJr.時代から出演し「親父から受け継いだ畑」と語る今作への思い入れはもちろん、「安全な道はつまらない」という言葉には、グループ1年目で怒とうの活躍をみせる現状に満足しない高い志が感じられた。

 『滝沢演舞城』として2006年に誕生して以降、人気を博してきた舞台シリーズは昨年、滝沢秀明からSnow Manへと座長が受け継がれた。コロナ禍の今年は劇場公演ではなく、縁の深い東京・新橋演舞場ほかでの撮影を行い、舞台の世界観をそのまま映画作品として構築。名物の和太鼓や激しい殺陣やアクロバット、白塗りや女形での歌舞伎演目、そして笑いあり、人情ありの時代劇『鼠小僧』パートに加え、洋装のままSnow Manとして魅せる息のあったダンスなど、息もつかせぬパフォーマンスが繰り広げられる。

【写真】映画『滝沢歌舞伎』で肉体美を披露するSnow Man

 
 舞台作品を映画に。新たな形での『滝沢歌舞伎』には「純粋にうれしい以上に『映画になるんだ』と…。そこはみなさんと同じ第一印象でした。そこから、どういう内容になっていくのかという、うれしさの反面、やっぱり観ていただく人たちの度肝を抜くクオリティーに仕上げるには…という考えにシフトチェンジしていきました」と、すぐに作り手として意識を切り替えた。

 一番大変だったのは“歌舞伎”の演目。「舞台だと10分、15分で終わるシーンを5、6時間かけて撮る。さっきは汗をかいてなかったのに、次のシーンで汗をかいていたらダメ。気持ちも切らさずに、白塗りもしてますから、汗もかかずに…あの感じは味わったことがなかった。刀投げも舞台ならよくも悪くも1回で終わりなのが、手にカメラが寄ったり、普段なら見えない角度があったり、新しい緊張感がありました。舞台と違って『OK』と思うのは、こちらでなく、監督やスタッフさん。『今のでOKなんだ』と次のシーンにいってしまい後悔が残るのが嫌なので、常に切り替えて対応する。そのスピード感は面白く新鮮でもあり、難しかったです」。

 名物“腹筋太鼓”は、筋肉美が自慢の岩本にとっての注目ポイント。ほかの撮影では苦労もみられたが、このシーンに関しては「もう少しやりたかった。あっという間に終わっちゃったという印象。『腹筋太鼓はキツイ』ってなるのには『嘘つけよ(笑)』って言われそうなくらい、普段からトレーニングしているので、程よい筋肉痛です(笑)。もう少し追い込みたいかな?くらい。僕は楽しみました」とさすがの涼しい顔をみせる。
 
 「僕自身、ラストの「WITH LOVE」の踊りが一番好きなんですよ。言葉にして伝えたい感情を、歌で表現するか、踊りで表現するか、立ち回りで表現するか…気持ちは全部一緒なので。自分たちの熱量、気迫みたいなのをその人が受け取りやすいシーンで受け取ってくれれば『もう一回みたい』という熱が広がるのではないかな」と“みどころ”は映画を観るそれぞれへと託している。
 
 今年、CDデビューという大きな区切りを経たことで、昨年と比べての“成長度合”には「ラウールはいろんな意味で成長した。サイズが成長してる(笑)」と冗談めかしつつ、「『滝沢歌舞伎』が映画になるという点は、全員が“はじめまして”だったので、良い経験をさせてもらった。でも、これを思い出として終わらせるのはもったいなさすぎる。という感情がまだまだ残ってます。

 『誰が成長した』と言う余裕があるなら、俺がもっと何かをやらないと、と思ってしまうタイプ。ジャニーズJr.の子たちを含めて、自分が引っ張っているという思いはない。『よっしゃ、やろうぜ!』というのも得意じゃない。『なんで、これができないの?』と言うよりも自分ができるとことまでやって、その姿勢をみせてケツを叩く。そこはまだ成長、と言えるほどの感じはみえてないかな」。ストイックかつどっしりと構えるその言葉は、メンバーの“大黒柱”と呼ばれる所以かもしれない。

■阿部亮平、深澤辰哉と日光観光 温泉でも一緒「『なんで誘ってくれなかったの?』ってなっちゃう(笑)」

 今作は、すでに東京・新橋演舞場、京都・南座、愛知・御園座でのスクリーン上演を終え、12月から全国の映画館で上映を控える。メンバーと演舞場で完成作を鑑賞した際は普段、立っているステージを客席から眺めたことで「不思議な感覚」を味わった。「オープニングから、今の劇場じゃ絶対に無理ってくらい盛り上がってしまいました(笑)。周りの関係者さんを気にせず『イエーイ!』みたいにやっちゃった(笑)。それくらい、自分たちが演ったものを自分で観ることはあまりなかった。新鮮かつ、課題も見つかりましたし、グッと引き込まれましたね」。

 なかでも「『鼠小僧』の芝居はそれぞれのキャラやせりふの言い回しを含めていいな、と思いました。舞台って自分が出てるシーン以外、どういう表情をしてるか、までは見られなかったりする。なので大画面で見られるのはレアでした。自分が振り付けした踊りを映画で観るのも新鮮でいろんな感情になりました」とお客さん目線で楽しんだ。

 そんな『鼠小僧』パートでは、イケメンで愛された義賊『鼠小僧次郎吉』が姿を消した江戸の街で、2代目『鼠小僧次郎吉』に就任することを熱望される岡っ引き・新吉を演じている。クライマックスは江戸村から新橋演舞場のステージへと移り9トンの水を使った大立ち回りなど大迫力のパフォーマンスが用意されている。撮影は日光江戸村で行われた。

 「僕はあべぞう(阿部亮平)とお丸(深澤辰哉)と東照宮にいって、山の中のレストランで3人で食事をして楽しみました(笑)。僕は、気象予報士の資格を持つ阿部ですら、予測できないくらい最強の雨男なので…『こんなに晴れてたら雨降らないでしょ』って思ってたらポツポツときて、撮影スケジュールが変更されて、ちょっと時間ができたので撮影の安全祈願をしに行きました。

 日光では、まともに会ってないメンバーもいるんです。金さん(佐久間大介)、銀さん(渡辺翔太)とか、ほぼ絡んでない。『日光いた?』みたいな(笑)。撮影期間中もそんな感じで3、4日くらい、日光にいたので、ホテルのロビーですれ違ったりはしましたが、部屋もバラバラで、あまり固まってもな、というところ。ただ、一人で温泉に行くのも嫌で…そういう時に『今部屋にいる?』みたいな。お丸とあべぞうを誘って3人で行動していました。お風呂場に行く前に声かけないと、お風呂場で会った時に『来る時言えよ』『なんで誘ってくれなかったの?』ってなっちゃうから(笑)」と和やかなエピソードを語り、長年連れ添ったメンバーを“役名”で呼ぶお茶目さものぞかせた。

■ハードルは自分たちで上げ、乗り越える「良くも悪くもSnow Manっぽい」

 デビュー以来、シングルの売上はもちろん、メディア露出、登場雑誌の売上、SNSのトレンド1位など、話題には事欠くことはない。年末には、大みそか恒例『第71回NHK紅白歌合戦』の単独初出場という大舞台を控える。反響は本人にも届いていて「毎回、CDショップを見に行くんですが、(陳列の)ポップがうれしい。応援してくれる人がいることを生で実感する」「電車に乗っていて、男の人に『岩本くんですか』と声かけられたりする」「この前、映画館にいったときに『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』のポスターの前にいたご夫婦が『Snow Man知ってるよ』『これ、タッキーが監督したらしいよ』と会話しているのをちょっと離れたところで見ていました。うれしいです(笑)」と一つひとつを、少し恥ずかしそうに、楽しそうに語る。

 だが、そんな生の声に触れながらも、SNSは「あまり見ない」とも。「そこで左右されすぎて自分がやりたいことがブレるのは嫌。いろんな情報が溢れすぎていて、自分の言葉が『そんなつもりないのに』という拾われ方をしちゃうと、じゃあ何も言わない方がいいのに、とか(自らが演じた)新吉みたいになっちゃう。良くも悪くも切り替えないと、自分が自分でいる意味がなくなっちゃう。なにか自分たちが番組を演らせてもらったり、それがトレンド1位になる、とかはもちろん知っていますが、そのためにやってるわけではない」とネットに対しては適度な距離感を保っている。

 「『ついてこい』と口で言うのは簡単だけど、それより、『ともにサポートしてくれる人たち含めてSnow Man』だと。みんなでいろんなことを達成していければ。デビューしてから恩返しという想いはありながら、結局サポートされっぱなしになっちゃっている。『ありがとうございます』『いえいえそんな…』の一生“いたちごっこ”なんでしょうね。純粋にうれしいですし、良くも悪くもハードルが上がるのはSnow Manっぽい。ハードルを自分たちであげて、それを乗り越えていかないと面白くない。安全な道はつまらない」。

 妥協のない姿勢は今までの、そしてこれからの『滝沢歌舞伎』にも表れるだろう。「滝沢くんが主演をしていた時と、昨年、自分たちがメインで演らせてもらった時の心境は違いました。去年は、プレッシャーもあったけど『本当にできるの? 大丈夫なの?』みたいな煽られ方が好きで(笑)。プレッシャーがないとやりがいを感じないんです。だから、初日の幕をあけて、舞台に入ってきた時は気持ちが良かった。

 でも千秋楽では“やりきった感のなさ”というか、達成感はなかった。今までは千秋楽、おつかれ!みたいな感じがあったけど、『一旦休憩しましょう』みたいな感じ。今までは、目的地に向け、スタートして目的地が千秋楽。(前回は)目的地はないけど出発して、千秋楽は最初のサービスエリア。まだ始まったばかりという感覚があった。千秋楽は過ぎたけど、ここからすごい道のりになってくるぞ、みたいな感覚を鮮明に覚えています。

 それほど、背負っている人についていく側から、背負う側についた瞬間だったんです。フロントに立つってこういうことなんだって。(その後主演した)『映画 少年たち』とはまた違った。滝沢くんが客席にいて、あの感じは不思議でした。絶対に守らなきゃいけない、親父から受け継いだ畑みたいな感じでしょうか。いずれバトンを渡す準備もしなければいけない。その時、バトンが重ければ、重いだけ、これを受け継ぐんですか、と後輩が思うくらい進化させた状態で次に渡したいです。それほど作品と向き合ってるのかな」。

 このインタビュー後、舞台『滝沢歌舞伎ZERO 2021』が来年4、5月に新橋演舞場、6月には御園座において劇場公演されることが発表された。これからのSnow Man、そして『滝沢歌舞伎』。ジャニーズの伝統を守りながらも、想像もできなかったチャレンジで驚かせ、新たなファンを獲得していく。ひとつの大きな経験を胸に、9人はこれからも高みを目指して歩んでいく。

(提供:オリコン)
『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』(12月4日公開)で迫力あるアクションをみせるSnow Man・岩本照  (C)2020「滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie」製作委員会
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