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s**t kingz・shoji、半沢直樹語る
 初回視聴率から前作超えと華々しいスタートダッシュだったTBS系日曜劇場『半沢直樹』(毎週日曜 後9:00)。香川照之や市川猿之助、尾上松也などの“歌舞伎役者無双”が話題となっているこの作品だが、実は普段、俳優とは異なるフィールドで活動しているキャストがもうひとり。ダンスパフォーマンスグループ・s**t kingzのリーダーであるshoji(35)が本名の“持田将史”名義で出演している。35歳にして念願のドラマデビュー。しかも社会現象を巻き起こした『半沢直樹』にいきなり抜てきされた持田にその心境をインタビューした。

【場面カット】『半沢直樹』で役者デビューしたShoji

 前作は出演決定前にDVDをレンタルして楽しんでいたという持田。「まさか自分が『半沢直樹』に出ることができるなんて…聞いたときは全力で飛び跳ねました」と喜ぶ。「視聴率がよかったというニュースも聞き、現場にいて何度も鳥肌が立った役者の皆さんの芝居、スタッフの皆さんの熱量、スピード感のある物語の展開を、一人でも多くの人に見てもらえて嬉しい限りです。ただ知人からは、普段の印象と違って気がつくのに時間がかかったと言われて(笑)。え! 本当に!?って(笑)」と反響について語る。

 今年1月放送のスピンオフ企画『狙われた半沢直樹のパスワード』出演を機に今回の連ドラで本格的に俳優業挑戦のチャンスを得た持田。堺雅人演じるの半沢直樹の出向先である東京セントラル証券のいわゆるプロパー組。営業企画部に所属する原田浩平役に起用された。銀行からの出向組にいいところを奪われることも多く、少し仕事に対して斜に構えた部分もあるという会社員、といったドラマのオリジナルキャラクターだ。

 「業績を上げても、なかなか上に行けないなか仕事に取り組んでいる人間。出向組に嫌味な態度を取っています。どんな思いで日々仕事をしているのかとか、プライベートは何してるかなとか、原作に登場しない分、自由に人物像を考えることができました。大体、ポケットに手を突っ込んでいます(笑)。シャキッとしているわけでも媚びへつらうわけでもない。仕事に慣れていて余裕があって、フレッシュじゃない感じは意識しました」。

 実は、持田は2007年のs**t kingz結成後に一度就職しサラリーマン時代を経験している。「演じる上で『あの社員さん、ああだったな~』とか昔の職場のことを思い出しながらいろいろ、参考にしていました。エッセンスで入ってたりもすると思います。なので、サラリーマン経験がいきているかもしれませんね。

 『半沢直樹』を観ていると、こんなに強い人間になりたかったなと思います。僕はサラリーマン時代はこんなに強い人間ではなかった(笑)。サラリーマン時代は強く物事を面と向かって言えるわけでもないし常に正しいことをしようとも思えている人間でもなかった。どちからといえば、目先の営業成績だけを気にして取り繕っていたので、原田も同じような人間かも?(笑)」と共感しながら役に臨んでいる。

■主演・堺雅人の魅力を目の当たりに「自分の世界に引き込んでくる」

 
 『東京セントラル証券』のパートでは堺をはじめ、今田美桜や賀来賢人など今をときめく俳優たちが登場。そのなかにいることで「とてつもなく緊張すると思っていったら、皆さんが自然に世界観の中にひっぱり入れてくれて、思ったほど緊張はしませんでした。とても恵まれた環境でした」と周囲に感謝する。

 「みなさん撮影中の集中力はすごいですが、カットがかかれば優しく、やわらかく、フランク。堺さんは僕が普段ダンスをしていることや今までの活動も知っていてくださった。こちらからすると、話しかけていい状態かもわからない、雲の上の存在と思っていたのですが、「普段はダンスやってるんだよね?」とフランクに話しかけてくれて…。話しかけ方もリラックスさせてくれるような感じで、それもやはり堺さんも持つ力なのだと感じました」。

 もちろん堺に対してはその気遣いだけではなく圧倒的な演技力にも驚かされた。「お芝居のけいこを受ける段階で思ったのが、ダンスはいい意味で独りよがり。どれだけ自分の世界観に染められるかが勝負。でもその姿勢でお芝居の現場に行くと浮いてしまう。お芝居には世界がある。そこにどれだけ自然になじんでいけるか、自然にコミュニケーションをとっていけるか。そもそもダンスとは目指す方向も少し違うところはあるだろうなと思っていました。

 それでも堺さんをはじめ、みなさん、自分の世界に引き込んでくる。ダンスもお芝居も結局はどちらも“エンターテインメント”なんだと感じました。そこになじむだけだったら、演技としてはリアルなのかもしれないけど、“エンターテインメント”かはわからない。でも、一流の役者さんは、ささいなやり取りを“エンターテインメント”にする力を持っている」。人を楽しませ、ワクワクさせる力を身をもって体感した。

 だからこそ、「お芝居を経験させていただくなかでダンスの幅も広がっていくはず。これまで大きく動かなくては伝わらなかったものが、目線ひとつのほうが伝わるかもしれない。持田将史の魅せ方のバリエーションはこれからもっと増えると思う。もっともっと芝居を深く自分のなかで掘り下げていくことで、ダンスも深く追求できる。自分と向き合うことが増えたので両軸でやっていけば、表現できるものの幅は広がり深まるのではと感じています」と芝居の経験はダンスにも糧にしていきたいという。

■35歳で役者デビューの意義「強いバックグラウンドが個性となる」

 AAAやジャニーズの振り付けを担当することでも知られるs**t kingzとして活躍しながらも、「ずっとやってみたかった」という念願かなっての役者デビュー。「芝居は大好物でした! 今後もやりたいです。撮影はもう終わりましたがすごく幸せでした。素晴らしい皆さんの才能を間近で体感させてもらった。」と充実した日々を満面の笑みで振り返る。

 「35歳になって、新しいことを始められてこんなに燃えて、悩んで、ハラハラして。なかなかできることではない。こういうことがあるから人生は楽しい。芝居でもいろいろ経験させてもらいたい。常に新しい自分と出会う人生でありたい。死ぬまで勉強していたいです。このチャンスを経験させてもらうには色々な人の協力がありました。自分に関わった人たちが胸を張れるような役者になりたい。

 そのために、この歳から役者を始められたのかもしれない。20代でダンスを頑張ってきて、その途中で役者の仕事に出会ったからこそ、これからのダンスもまた変わって成長していけると思うし、大きな人生のターニングポイントにいる気がします。共演させていただいたキャストの方も、モデルさんや歌舞伎役者さん、強いバックグラウンドがあるからそれが個性となって面白い。僕はダンスをやってきたことを強みにして頑張っていきたいです」と力を込める。

 『半沢直樹』ではキャストとして、他にも代表作を持ち演技力に定評のある役者だけでなく、歌舞伎や演劇など、テレビというフィールド以外でも第一線で活躍してきた役者たちが顔をそろえている。それぞれが『半沢直樹』の世界に絶妙になじみながらも、あるときは強烈な個性を放ち、物語に引き込む。まさに持田の言葉通りそういった部分も『半沢直樹』が支持される理由のひとつだろう。芸達者たちに囲まれたこの作品への出演経験、ダンスで培った経験値を武器に持田が“表現者”として今後踏み出すステップに期待が高まる。

 また、8月29日には生配信のダンスショー『s**t kingz Live streaming dance show Vol.2』(後8:00)も開催。「現状、オフラインでの舞台やパフォーマンスが難しいなかで、どうすればみんなを楽しませることができるのだろうと、自粛中に考え今回はその第二弾です。さらにパワーアップしたパフォーマンスとなっていて、ひたすらダンスを踊るだけではなく、ダンスをどうすれば面白くできるか、日々みんなで考えた答えを詰め込みました。ダンスに興味ない人にこそ観てもらいたいです!」と“本業”でもパワーアップを誓った。

(提供:オリコン)
日曜劇場『半沢直樹』に出演中のs**t kingz・shojiこと持田将史 (C)ORICON NewS inc.
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