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生涯上坂すみれ推し、佐野夏水
 上坂すみれ初の完全撮り下ろし写真集『すみれいろ』の売上が好調だ。『スター☆トゥインクルプリキュア』キュアコスモ役など、幅広い役どころででブレイク中の声優。写真集では、貴重な水着ショットやランジェリーカットのほか、等身大の姿やポップでガーリーな世界観のものまで、彼女の魅力が凝縮されている。写真集のキーパーソンであり、上坂すみれのアーティストデビュー時からステージ衣装などを長く手がけているスタイリストの佐野夏水氏に、上坂の魅力について話を聞いた。

【写真】数百枚から厳選した上坂すみれの貴重な素顔オフショット

◆上坂すみれは「私のミューズ」、創作意欲が湧いてくる特別な存在

——現在、声優さんの写真集は、扱われているのが男性であれ女性であれ、とても人気があります。声優さんにとって、ビジュアルイメージの確立も重要な要素のひとつになっている。そんな状況ですが、今回の上坂すみれさんの『すみれいろ』は、スタイリストが監修を手がけるという、少し変わった経緯だそうですね。

【佐野夏水】 きっかけとしては、私もスタイリストとして関わった『上坂すみれ 25YEARS STYLE BOOK Sumipedia』という、祥伝社さんから2016年に出たスタイルブックがあります。主に女性ファンに向けて、はっきりとファッション寄りに作った本。いわゆる声優さんの王道からは少し外れた、女の子に喜んでもらえるスタイリング中心に構成されていました。

 とはいえ、言葉でイメージを補完する部分もかなり多くて。直感的に、じゃあこれ、もっと写真にこだわりつつ、どんどん追求していったら上坂さんもっと素敵になっちゃうかもしれませんよね、というワクワクする感じがあったんです。そこから、約3年かかりましたが、各方面への調整や働きかけもしながら、ようやく念願かなって今回の写真集という形にできました。上坂さん本人はもちろん、事務所の方や周囲のスタッフさんにも、こういうのやりたいですよね、やりましょうよって、それこそサブリミナル的にずっと話していて(笑)。ですから、結果的には私が半ばディレクターのような立場になってしまった経緯はあります。そういう意味では、特殊な写真集なのかもしれません。

——言語化は難しいとは思いますが、上坂すみれさんの、いったい何がそれほど佐野さんのモチベーションを上げている要因なのでしょうか。

【佐野夏水】 最初はシンプルにお仕事で出会って、かれこれ7年以上になりますが、様々な現場で何度もお会いして、一緒に過ごす時間が積み重なっていくうちに、少しずついろいろなことを伝えあいました。仕事として、スタイリストとして接するうち、彼女の外見的な素晴らしさだけではなく、その人間性、内面のような部分にも、どんどん魅力を感じていったのだと思います。一緒の時間の積み重ねはとても重要で、だからこそ簡単には崩れない信頼関係というか、そういうものが構築されていった。

「生涯上坂すみれ推し」という宣言は数年前になりますが、当時、ライブの幕間用の映像として、私のリクエストで「食パンくわえて制服で走る上坂さん」、というものを作ってもらったんです。思えばその頃から、明確に私のなかで、上坂さんというのは「こんな服を着せたい」「あんなことに挑戦させたい」という、創作のためのイメージがどんどん湧いてくる、特別な存在になっていたのだと思います。私のミューズ。そういう思いを自覚したのが、「生涯・上坂すみれ推し」宣言につながっています。

◆いちばん近くにいる“トップオタ”、上坂さんの価値を最大化できるのは私だという強い思い

——それは、プライベートでも仲良しな、いわゆるお友だち関係とも異なる感覚なのでしょうか。

【佐野夏水】 上坂さんとは会う回数がとても多くて、意思疎通をする機会も多いんです。でもそれは、おそらく友情ではないんですよ。だって、完全なプライベートでは数える程度しかごはんへ行ったことがないくらいなんです。うまく表現できないけど、なんというか…おそれ多いなと思って、無意識に常に一定の距離をとる(笑)。

 撮影時のオフショット写真はパシャパシャ撮れるんですけど、自分とのツーショットなんて、とてもとても。多分、それがちょうどいい距離感なんだと思います。そもそも私も上坂さんも、簡単に他者に心を開くタイプではない、という要因もあるかも。でも、その距離感があったからこそ、今回『すみれいろ』という写真集が作れたということだと思います。

——写真集『すみれいろ』では、10数種以上のスタイリングパターンで、多彩な上坂さんの表情とポージングを収録。20代後半にある彼女の美しさをこれでもか、と展開しています。

【佐野夏水】 今回は、私が上坂さんに抱いていた願望、やりたいことを形にする企画でした。大まかには、私が彼女に着せたいもの、やってみたいこと、そういう骨組みになるアイデアをスタッフさんと共有して、チーム全体で肉づけして作っていった、というイメージです。

 チーム編成は理想的なものでした。ヘア&メイクの双木昭夫さんはCDジャケットや雑誌企画などでご一緒していた方で、ロリータに強いというか、女の子の儚い世界観を引き出すのがとてもお上手です。フォトグラファーの桑島智輝さんは、双木さんとの仕事での相性も抜群ですし、女性の美しさを引き出すことに定評のある方。お2人とも、上坂さんの様々な表情をすごくよく引き出し、捉えてくれる、とても才能ある方々で。それを、私のようなペーペーごときが、なんというか思いの丈をぶつけるという企画に快く応じてくださって。とても感謝しています。

 ロケを含めた撮影も、すごく良い雰囲気で、まるで家族旅行をしているような、終始どこかリラックスした感覚で。それでいて、みなさんがそれぞれ全力で良い仕事をする。上坂さん以外は、ほとんどみんな、彼女のお母さんや親戚の叔母さんたちのような、愛情あふれる現場でした。

——それは写真集そのものから、とてもよく伝わってきます。ですが、やや下世話な話になりますが、水着やランジェリー姿での撮影は、スムーズに行われたのでしょうか。

【佐野夏水】 上坂さんという素材の持つ価値を最大化できるのは私だ、という強い思いが根底にあったんです。いわゆる男性目線、女性目線ということならば、完全に女性目線での、彼女のかわいさ、美しさを前面に出そうと考えていました。基本的には、シンプル系というよりは、ちょっと凝ったスタイリング。視線のフックになるような、ものすごい大きな赤いリボンのような変わったアイテムをつけるとか、背景にあるストーリーを想像させるような画面構成を考えるとか。

 実は私自身、声優さんにもアニメ自体にもあまり詳しくないので、だからこそ、あまり先入観や固定概念がないところから、フラットな彼女の魅力を発信できるんじゃないかな、と思っています。どこかで“自分こそが上坂すみれの同志(上坂すみれのファンの総称)代表です”と言いたい気持ちは常にあるんですよ。いちばん近くにいる上坂さんのトップオタ、という感じです。そういう意味では、彼女の魅力を同じように感じている同志への信頼も、強くあります。だからこそ、たとえば撮影時の布が少なめであれ多めであれ、彼女が嫌がることは絶対にやらない! そういう気持ちで臨んだ現場でもありました。でも結果的には、上坂さんはすごく楽しそうに様々なセッションを全力でこなしてくれました。

——そこまで上坂さんに注力していると、他のクライアントなどから苦言などはありませんか?

【佐野夏水】 もしかすると、上坂さんへの思いがバリアになって、本来いただいてもおかしくなかった機会を失う、といったこともあるのかもしれませんけど。でも、すみれちゃんに出会っていなかったら、おそらくは接点がなかった方々とのお仕事などもたくさんありますし、そういう意味でも、上坂すみれさんという稀有な存在との関係はずっと続けていけたら、と思います。
(文:及川望)

(提供:オリコン)
上坂すみれのデビュー時から衣装を手がける佐野夏水氏(左)
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