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サザン40周年ツアーでレア曲祭り
 昨年6月にデビュー40周年を迎えたサザンオールスターズが16日、東京ドームで自身初となる6大ドームを含む全国ツアー『サザンオールスターズ LIVE TOUR 2019「“キミは見てくれが悪いんだから、アホ丸出しでマイクを握ってろ!!”だと!? ふざけるな!!」』(11ヶ所22公演)の千秋楽を迎えた。5人全員が60代にして、実に3時間半にわたって全36曲を大熱演。40年の歴史の中で最多となる55万人を動員した巨大ツアーを完結させた。

【ライブ写真】3時間半にわたって36曲を大熱演したサザン

 サザンの全国ツアーは2015年以来4年ぶり。過去に5大ドームを含むツアーを2回(2005、15年)、4大ドームを含むツアーを1回(1999年 ※札幌ドーム開業前)実施しているが、埼玉・メットライフドームを含めた6大ドームツアーは初。千秋楽は待ちきれないファンが開演15分前から自発的にウェーブを作り、メンバーの登場に胸を高鳴らせた。

 会場が暗転すると「Wow Wow…」の雄叫びが響き渡り、「東京VICTORY」のイントロとともに右手を掲げたメンバー5人のシルエットが紗幕に投影され、場内は大歓声。幕が落とされ、桑田佳祐(Vo/G、63)、原由子(Key、62)、関口和之(B、63)、松田弘(Dr、63)、野沢秀行(Per、64)とおなじみのサポートメンバーたちが姿を現すと、会場は興奮のるつぼと化した。

 「壮年JUMP」は歌詞を替え、「全国巡り 今日は千秋楽 お越し下さいまして ありがとう みんなの笑顔に逢いたくて 東京ドームへ 帰って来た♪」「おかげさまで40周年 見てくれ悪くてすまないけど 今日は最後までよろしくね~♪」と桑田が替え歌でメッセージ。ブラスセクションの華やかなファンファーレに続く「希望の轍」では、桑田のエネルギッシュなボーカルで会場の熱気をさらに上昇させた。

 40周年のヒットパレードになるかと思いきや、ここからはファンが「レア曲祭り」「まさかのレア曲のオンパレード」「かなりマニアックな選曲」「レアでコアなセトリ」とSNSに投稿するほど、コアファンをしびれさせるような曲を連発。キャリア40年の重みと深みを感じさせるステージとなった。

 また、今ツアーのハイライトとなったのは、“未完成”の新曲。タイトルやリリース日なども未定の新曲は、3月30日に宮城・仙台で行われたツアー初日で初披露され、桑田は「ツアーでお客さんとともに熟成させていく曲」と説明した。平成から令和をまたいで熟成された胸にしみるバラードは、現段階では「愛はスローにちょっとずつ」の仮題がつけられており、桑田は「いつかよりよいチャンスがあったら世に出そうと思っています」と話した。

 サービス精神旺盛なサザンは、MCやメンバー紹介で昭和風のベタなボケやネタを随所に仕込んだ。巨人ファンの松田はジャイアンツのキャップをかぶると、各地のドームで大ブーイングを浴びてきたことを報告。この日はホームとあり、「俺は巨人が大好きだ! 東京ドームで原監督を胴上げするぞー!」と雄叫びをあげた。

 SEKAI NO OWARIのDJ LOVEのお面をかぶった毛ガニこと野沢は桑田にしゃべらせてもらえず、原は『忍者ハットリくん』のテーマに乗せてハットリくんのお面を外し「還暦過ぎてもバンド女子頑張ってます」と笑顔をみせると、桑田が「あ、お面だったのか、わかんなかった!」とイジる“夫婦漫才”も。カールおじさんのお面を外した関口は「実はまだあきらめきれない夢が一つあります。僕は踊ることが好きなので、ダンサーになってEXILEに入るのが夢です。当然ライバルは、関口メンディーです」と関口つながりのライバル宣言で爆笑をさらった。

 このあいさつを布石に、関口が「忘れられたBig Wave」をBGMにスローなダンスを披露するコーナーも。野沢はアンコール3曲目になって「はじめまして、私がパーカッションの毛ガニです」とあいさつすると、「俺のこと、メンバー紹介で無視するな! 俺だってメンバーなんだよ、多分…。俺だってサザン大好きなんだ、ふざけるな!!」とツアータイトルに絡めてオチをつけた。

■桑田佳祐が変態仮面に!? ジャビットくんが胸騒ぎ腰つき披露

 クライマックスは「マチルダBABY」で炎が立ち上る中、桑田が右に左に正面にハイキックを連発。「ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)」で会場を一体化させ、「シュラバ★ラ★バンバ SHULABA-LA-BAMBA」「マンピーのG★SPOT」ではサザンならではのエロ満載のド派手なステージに。桑田がGマークのついたパンツを頭からかぶり、変態仮面2人に挟まれながら歌うカオスぶりで観客を笑顔にさせた。

 アンコールに応えてメンバーが再登場すると、桑田は「もっとやりますかー!? 元気があればアンコールにいっぱいお応えできる! もっとやりますかー!?」とアントニオ猪木風にあおり、「今日帰るのやめますか?」とおどけた。

 おなじみのコール&レスポンスから昨年大みそかの『NHK紅白歌合戦』を爆発的に盛り上げたデビュー曲「勝手にシンドバッド」に突入。金銀のテープが勢いよく噴射されると、大勢のビキニの女性ダンサーや桑田が主題歌を担当する映画『男はつらいよ50』(12月公開)の寅さんも登場し、ジャイアンツのマスコット・ジャビットも“胸騒ぎの腰つき”をするなどお祭り騒ぎとなった。

 会場が異様なまでの興奮と高揚感に包まれるなか、桑田は「皆さん本当にありがとう! 3月末から始まったツアーも今日をもって無事にファイナルとなりました。サザンも40周年を迎えることができました。いつもいつもありがとうございます。こうして皆さんと盛り上がれることは還暦を過ぎたメンバー一同、大変、大変、幸せでございます。ありがとなー!」と絶叫した。

 ラストナンバーは「旅姿六人衆」を替え歌にした「旅姿四十周年」。最後まで張りのある歌声を響かせた桑田は、メロディーに乗せて「東京ドームでまた逢おうね みんな元気で ありがとうね」と再会を約束し、「サザンオールスターズ!」と誇らしげにバンド名を絶叫した。

■サザンオールスターズLIVE TOUR 2019「"キミは見てくれが悪いんだから、アホ丸出しでマイクを握ってろ!!"だと!? ふざけるな!!」セットリスト
01. 東京VICTORY
02. 壮年JUMP
03. 希望の轍
04. 闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて
05. SAUDADE~真冬の蜃気楼~
06. 彩 ~Aja~
07. 神の島遥か国
08. 青春番外地
09. 欲しくて欲しくてたまらない
10. Moon Light Lover
11. 赤い炎の女
12. 北鎌倉の思い出
13. 古戦場で濡れん坊は昭和のHero
14. JAPANEGGAE(ジャパネゲエ)
15. 女神達への情歌(報道されないY型の彼方へ)
16. 慕情
17. 愛はスローにちょっとずつ(仮) ※新曲
18. ゆけ!!力道山
19. CRY 哀 CRY
20. HAIR
21. 当って砕けろ
22. 東京シャッフル
23. DJ・コービーの伝説
24. わすれじのレイド・バック
25. 思い過ごしも恋のうち
26. はっぴいえんど
27. シュラバ★ラ★バンバ SHULABA-LA-BAMBA
28. マチルダBABY
29. ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)
30. イエローマン~星の王子様~
31. マンピーのG★SPOT
【アンコール】
32. I AM YOUR SINGER
33. LOVE AFFAIR~秘密のデート
34. 栄光の男
35. 勝手にシンドバッド
36. 旅姿四十周年(※オリジナルは「旅姿六人衆」)

(提供:オリコン)
55万人動員ツアーに幕を下ろしたサザンオールスターズ Photo by 西槇太一
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