【オリコンニュース】
瀕死から復活、寛平ちゃん似の子猫
 その子猫の仮名は「ミラクル寛平」――。こんなユニークな名前がついたのには、理由があった。瀕死のギリギリ状態で運び込まれ、NPO法人『ねこけん』代表理事・溝上奈緒子氏の手で救われたこの子猫。奇跡の復活の裏には、どんな事情があったのだろうか。懸命なケアや子猫が生まれた環境について、溝上代表に話を聞いた。

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■ギリギリで運び込まれた子猫、獣医でも慣れない処置に“猫のプロ”が加勢

 その子猫が動物病院に運び込まれたのは、1月下旬のことだった。猫は茶トラの男の子で、生後約1ヵ月。室内で繁殖していたようだが、5匹いた兄妹のうち、すでに3匹は亡くなっていた。生き残っていたのは、運び込まれた猫ともう1匹だけだったそうだ。

 「子猫が運び込まれたときは、とても危険な状態でした。下痢はしているし、ミルクを飲むこともできない。ガリガリに痩せていて体力もなく、体重も200グラムくらいしかありませんでした」

 そんな弱った子猫を獣医師が緊急で処置。その後入院することになりICUにも入ったが、動くこともなく、こんこんと眠っている。そこに到着したのが、歴戦の猫のプロ・溝上代表だった。

 「子猫って、処置がとても難しいんですよ。臨床データが少なく、そもそも子猫の時期は母猫と一緒にいることが多いし、患者として病院に来ることがあまりない。実は獣医師さんでも、子猫の処置には慣れていない方が多いんですね。なので、そんなときは私が呼ばれます。今回のケースでも、一晩うちで預かってケアをしました」

 「絶対に復活させるから、大丈夫」。小さな小さな命をタオルにくるみ、カテーテルでミルクを与え、力強く語りかける。寝ずのケアをしながら、猫の仮名も決めた。その名は、以前も瀕死の状態から復活させた子猫「ミラクル太郎」にちなんだ、「ミラクル寛平」――。なぜ「寛平」なのかというと、ちょっとばかり目が小さめで、「(間)寛平ちゃんに似ていたから」。ユニークな名前をもらったミラクル寛平、はたしてその運命はどうなったのか。

 寝ずのケアから一夜明けると、ミラクル寛平は無事に復活を遂げていた。少し風邪の症状は残っているものの、キャリーを咬み咬みするイタズラをしたりと、かなり元気を取り戻した様子。危険な状態を脱したことで目もパッチリ開き、顔立ちが“寛平ちゃん似”ではなくなるのか…? と思いきや、やっぱり似ていた。

 こうして復活したミラクル寛平は、ミルクボランティアの元へと引き取られた。これからたくさんミルクを飲み、元気に大きく成長していくことだろう。そして、ミラクル寛平のほかにもう1匹生き残っていた兄妹猫も、あらためて引き取ることに。ミラクル寛平同様に健康状態が懸念されたが、思いのほか問題はなさそうだった。だが、さらに心配なのはこの子猫たちが元いた家庭だ。

 「猫たちがいたご家庭は、多頭飼育崩壊していると言っていいでしょう。飼い主さんには、親猫たちの処置をするので猫を連れてきてほしいとお願いしてあります」

 複数猫がいて、不妊・去勢手術が済んでいなければ、猫はどんどん増えてしまう。だが、病院に行こうにも、飼い主が猫を捕まえられないケースも多いそうだ。

 「飼い主さんが悪いわけではないんです。もし捕まえられないようなら、『手術したいので』と言えば保護ボランティアの人たちが協力してくれると思います。なんなら、便利屋さんなどに頼むのも手です。今回の飼い主さんもお金がないわけでもなく、ただ捕まえられなかった。そういうときは、誰かにSOSを出してください。それが猫ちゃんのためになるんです」

(提供:オリコン)
ガリガリで運びこまれた子猫、その顔は…?(写真:ねこけんブログより)
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