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中谷美紀、12年間砂糖摂取してない
 今年、俳優デビュー30周年を迎える中谷美紀。4年前にドイツ出身のビオラ奏者と国際結婚し、年の半分はオーストリアで暮らしながら、結婚後も日本のドラマや映画に精力的に出演している。海外移住に迷いや不安は全くなかったそうで、デビュー当初から今も変わらず「芸能界はいつ辞めてもいい」と話す中谷に、30周年を迎えた想いや結婚後の変化を聞いた。

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■綾瀬が見せたお茶目な一面とプロ根性の“ギャップ”、信長演じた木村に垣間見えた「孤独」

 主演・木村拓哉×共演・綾瀬はるか×脚本・古沢良太×監督・大友啓史という日本最高峰のキャストとスタッフが集結し、総製作費20億円をかけた超大作映画『レジェンド&バタフライ』(27日公開)。木村演じる織田信長とその正室・濃姫の激動の33年を描いた本作で、綾瀬はるか演じる濃姫の筆頭侍女・各務野を中谷美紀が演じている。綾瀬とはドラマ『JIN-仁-』などで度々共演しており、プライベートでも親交があるという。

「綾瀬さんが17歳の頃に初共演していまして、ずっと仲良くさせていただいている大好きな俳優さんです。ただ、今回のお話をいただいたときに、お互いを知っているからこそ、もしかしたらそれがマイナスに働いてしまうのでは?という不安も正直ありました。でも、いざ現場に入ってみると、そんな不安を吹き飛ばすほど綾瀬さんのお芝居が素晴らしかったですし、濃姫を見守る各務野と、これまで綾瀬さんの成長をそばで見てきた自分自身が重なっていって、とても感慨深かったです」

 濃姫の一番の良き理解者である各務野を、中谷は「姫に対する愛情を大事にしながら演じた」という。作中では、セリフこそ少ないものの、濃姫を心から案じ、想い、愛する各務野の表情や仕草が、より一層シーンを引き立てる。今作の陰の立役者だ。撮影現場でのエピソードからも、中谷と綾瀬の仲の良さが伝わってきた。

「時代劇はかつらをかぶるので、お顔が少しふくよかなほうが美しく見えるんですね。それを口実に、撮影の合間は隙あらば2人で食事に出かけて、お腹いっぱい食べていたんです。それでお互いに『太ったね』なんて言いながら鴨川沿いを散歩したりして(笑)」

 しかし映画の後半には、弱っている濃姫を訪ねてきた信長に対して、その姿を見られたくない濃姫が「来るな」と必死に拒絶するシーンが待っていた。

「綾瀬さんが『ねぇお姉ちゃま、濃姫は弱っているのにこんなに太って大丈夫かな?』と言っていたんです(笑)。でも本番になると、このシーンの綾瀬さんのお芝居が本当に切なくて、何度テイクを重ねても涙が出ました。濃姫の悲痛な声はいまでも忘れられないです」

 本作の脚本家・古沢良太が目指したのは、笑えて泣けるロマンティックコメディ。政略結婚で結ばれた2人の間にいつしか愛が芽生え、天下統一という壮大な夢に向かって、男女を超えたパートナシップを築いていく。“普通の幸せ”が許されない2人の姿は、何より「孤独な夫婦」に映ったと中谷は明かす。

「信長は、どんなに大勢の家臣を従えていても孤独だったのだと感じましたし、そんな殿の姿とトップスターとして走り続けている木村拓哉さんが重なって見えました。今の時代は、割と身近な存在として愛されているタレントや俳優、アーティストの方が多いと思うのですが、木村さんは他の追随を許さない孤高のスターというイメージがあるんですよね。そして、いつも明るく朗らかなオーラを放って太陽のように輝いている綾瀬さんもまた、トップスターとしての並々ならぬ努力や知られざる苦労を持ち合わせている。そんなお2人の姿が、そのまま信長と濃姫に重なって見えた瞬間が沢山ありました」

■「結婚しても、死ぬときは一人」孤独を愛する中谷が語る“結婚して良かったこと”

 中谷も30年間に渡り数々の主演を務め、日本を代表するトップスターとして走り続けてきた一人だ。デビューした当初は、いまより労働環境が整っておらず、現場で怒号が飛び交うことも当たり前の時代だった。そんな中でも、「高貴」で「気品」漂うイメージを保ち続けてきた中谷。プライベート臭や親近感などはむしろ御法度のような風潮があった中、自身は“孤独”を感じることはなかったのだろうか。

「私にとって本を読むことやアートに触れる時間はとても大切で、むしろ孤独を愛しているんです。ですから、誰かに会いたいと思えば迷わず会いに行く一方で、常に人と繋がっていなくてはならないという強迫観念もないですし、誰かと密に連絡をとったり、SNSで繋がることのほうが苦痛に感じてしまうんですよね」

 圧倒的な美貌と品性を保ちながら、42歳まで独身を貫いた。仕事終わりには、一人でしっぽりと食事を嗜む事も多かったという。そんな彼女が4年前に結婚を決めた相手に出会ったのも、“一人しゃぶしゃぶ”をしていたお店だった。

「結婚しても、どのみち一人で死んでいくことには変わりないと思っていますし、そういう覚悟はできています。ただ、夫と結婚してからは、美術館に一緒に行ってアートを楽しめるのは素敵なことだと感じるようになりました。価値観の合う人に出会えて本当に良かったなと思います」

 第一印象は「どこかのマフィアかと思った」と話す夫は、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団に所属するドイツ人ビオラ奏者。中谷は結婚後、オーストリアのザルツブルクを生活拠点に置き、日本で俳優業を続けている。海外移住をするに当たり、キャリアへの迷いや不安はなかったのだろうか。

「全くなかったです。若い頃から“いつでも辞めていい”と思いながら続けてきたといいますか、失うことに対する恐怖があまりないんです。このお仕事は身を削る職業ですので、しがみついていたら、とてもじゃありませんが続けていられません(笑)。ただ、幸いなことに撮影は3ヵ月から長くても1年ほどで終わるので、クランクアップしてしまえば解放されるのが、このお仕事のいいところなんですよね。ひとつの作品が終わったら旅に出て、そこで嫌なことは全て忘れて清算。特に外国に行くと“世界は広い。自分の居場所はひとつじゃない”と思えて気が楽になるのでおすすめです(笑)」

■30周年迎えた今も「一寸先は闇」 “引退”よぎりながらも走り続けてきた原動力とは

 今年は他にも、4年ぶりとなる主演ドラマ『連続ドラマW ギバーテイカー』(WOWOWで放送・配信中)や、3月にニューヨークで上演される主演舞台『猟銃』など、47歳を迎えた今も幅広い活躍を見せる。「いつ辞めてもいい」と思いながらも、挑み続ける原動力は何なのだろうか。

「俳優という職業は、はっきり申しまして一寸先は闇ですし、不確実性の中で生きているような感覚があります。でも不思議なことに、それが楽しかったりもするんですよね。この30年を振り返ってみると、自分がどうのというよりも、共演者の方々の素敵なお芝居を間近で見て心が震えるということがとても多いように感じます。本作でも、濃姫が父の死の知らせを受けるシーンで、綾瀬さんが“こらえても涙が溢れて仕方がない”という素晴らしいお芝居をされたんですね。それを目の前で見た瞬間に“この作品に携わってよかった”と思いましたし、そうした体験こそが、一番のモチベーションになっているのかもしれません」

 また、俳優を続けてこられた理由には、体質改善もあったという。

「2010年に医師の方にお勧めされてから、お砂糖を摂取していません。それ以来、大人のにきびがなくなりましたし、気分の浮き沈みもなくなりました。調味料はエリスリトールやキシリトール、羅漢果などを代用しています。以前は、引退を考えるほど常に不調で不機嫌で疲れやすい体質だったのですが、お砂糖をやめて、必要な栄養素を摂るようになってからは、メンタルも体もバランスを崩すことがなくなりました」

 インタビュー中、笑顔と気遣いの言葉を絶やさず、口調、所作、佇まいすべてから美しさがにじみ出ていた。日本では、40代を超えてもなお、主演を張り続ける女性俳優は稀有だ。去り際には、「殿と姫をどうか宜しくお願いします」と告げていった中谷。自身と向き合う孤独の時間を大切にしながらも、いつも各務野のように誰かを想い、支え、尽くす彼女は、これからも多くの人が舞台の中心に立ってほしいと願う逸材であり続けるだろう――。


(取材・文=奥村百恵)

(提供:オリコン)
47歳を迎えた今も、変わらぬ美貌を放つ中谷美紀
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