【オリコンニュース】
狩野英孝、ゲーム実況で活路
 ゲーム実況界に彗星の如く現れ、視聴者を爆笑の渦に巻き込んでいる狩野英孝。配信するたびに起こす珍プレイや天性のリアクション芸から繰り出される名言の数々は、“伝説”と呼ばれているほど。現在のYouTube登録者数は118万を超えるが、2019年の開設当初は何をやっても再生数が伸びなかったという。「へたくそだからゲーム実況やりたくなかった」と言いながらも、そのゲーム実況でいまや絶大な人気を得ているところはいかにも狩野らしい。芸人、歌手、神職など多くの顔を持つ彼が、さらに“人気ゲーム実況者”の仲間入りしたことで至った境地を聞いた。

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■ピン芸人としての力が生きたゲーム実況「街ブラロケに近い感覚」

──昨年2月にゲーム実況を始められるまで、狩野さんがゲーム好きだとは知りませんでした。

【狩野英孝】そうですよね、あまり表では言ってこなかったので。ただゲームは子どもの頃からずっと好きで、大人になってからも1人でゲームショーに行ったりしていて。でもYouTubeを始めてしばらくは、ゲーム実況をやろうとは思わなかったんですよね。

──それはなぜですか?

【狩野英孝】センスがゼロなんです(苦笑)。こないだもサンドウィッチマンの富澤さんの6歳の息子さんとApex Ledgends(エーペックスレジェンズ)をやったんですけど、僕より全然うまくて。ゲーム実況ってやっぱり、みなさんスゴ技とか神業が見たいでしょうし、僕なんかがやってもなぁと思ってたんです。

──逆にその“下手さ”が、今やゲーム実況界隈でも唯一無二の存在を放っています。

【狩野英孝】ゲーム実況をやるまでYouTubeの再生数が全然伸びなくて。自分の引き出しも全部出し切って、もうほかにやれることないぞって心が折れかけてたときに残ってたのがゲームだったんです。しかもやってみて気づいたんですけど、ゲーム実況って僕がテレビでよくやらせてもらってきたピンの街ブラロケに近い感覚があったんですよ。

──「あっちに何があるか行ってみましょうか」と一人語りするみたいな?

【狩野英孝】そうです。時に起こるハプニングなんかも含めて。こないだ品川庄司の品川さんに言われて気づいたんですけど、僕ってずっと1人でしゃべってきたんですよね。テレビだったら視聴者の方に向かって、ライブだったらお客さんに向かって。だから最初から割とすんなりゲーム実況も出来たんです。だけど品川さんは、基本的に庄司さんに向かってしゃべってきたから、最初はだいぶ苦労したとおっしゃっていて。

──ピン芸人として培ってきた力がゲーム実況に生きたんですね!

【狩野英孝】でも相変わらずゲームは上達しないですし、「こんなんで見ていただけるの?」という気持ちは今でもありますね。

■本職のゲーム実況者に後ろめたい気持ちも…「芸人としてゲーム業界に恩返しを」

──最近では、ゲーム動画コミュニティチャンネル「OPENREC.tv」で人気ゲーム実況者とコラボすることも増えてますね。

【狩野英孝】最初はお会いするのが後ろめたかったんです。ゲーム実況を生業にされてる方々のところに、芸能人ごときが後から来て畑を荒らしたみたいで申し訳ないなぁと。ところが皆さんすごくウェルカムで、「いやいや、狩野さんのおかげで僕らの動画を見てくれる人が増えてるんですよ」っておっしゃってくださって。

──ゲーム実況の人気は凄まじく、今年はついに子どものなりたい職業の上位にもランクインしました。

【狩野英孝】でも皆さんすごく苦労されて、この世界を切り拓いてきたんですよね。それこそゲーム実況1本で食っていく覚悟で仕事を辞めて、いまだに家族から心配されてるという方もいます。この間すごく嬉しかったのが、あるゲーム実況者の方が「狩野英孝と今度コラボするんだ」とご家族に報告したら、「テレビに出てるあの狩野英孝と!?」ってすごく安心してくれたそうなんですね。それを聞いて、芸人としての自分がゲーム実況界隈にちょっと恩返しができたかなって思えたんです。

──やっぱりある世代以上の方にとっては、「テレビに出てる人」の影響力は大きいんですね。

【狩野英孝】それとは逆パターンで、人気ゲーム実況者のフルコンさんの娘さんが僕の出るテレビをよく見てくれているらしいんです。こないだも「パパ、英孝ちゃんが『逃走中』(フジテレビ系)に出るからゲームしないで一緒に応援しよう」って言ってたってTwitterでつぶやかれてて。ゲーム実況をきっかけに今まで知り合うこともなかった方たち、それも家族も含めて繋がれるようになったのがすごく楽しいですね。

──現在はお仕事の中でゲーム実況はどのくらいの割合を占めていますか?

【狩野英孝】そうは言ってもやっぱり芸人の仕事が最優先で、ゲーム実況は家に帰って「今日やろっかな~」くらいの楽しみに取っておいてるんです。ただ、今はコロナの前までやってた隔月ライブがほとんどできてなくて。それが寂しいというか、ライブという場でしかしゃべれないこともあるんですよね。

■所ジョージの生き方に感化 「家族のため」と語る理想の仕事のあり方とは

──やはり芸人にとってライブは特別なものなんでしょうか?

【狩野英孝】今の時代ってテレビでもSNSでも、それこそ配信でも発言の一部が切り取られてニュースになることが多いじゃないですか。本当はその発言の前後が大事だったりすると思うんですけど──。ただライブというのはわざわざお金を払って足を運んでくれる方々だけが集まってくれてるわけで、その信頼関係があるからこそ魂で叫べたりもする(笑)。そういう意味では、OPENREC.tvのサブスク会員さんとのチャットもライブに近い感覚がありますね。

──クローズドなチャットルームだから?

【狩野英孝】そうですね。だから結構悩み相談なんかもしちゃうんです(笑)。「こういうオファーが来たんだけど、できるか不安で」とか。そうするとみんなが「それ見たいです!」とか応援してくれるので、「よし、じゃあやってみるよ」と決めた仕事もありましたね。

──狩野さんは年々仕事の幅が広がってる印象です。最近では「阪急メンズ」の2021秋冬のファッションアイコンを務められたり。

【狩野英孝】ナルシストと思われてるフシもあるんですけど、正直ああいうイケメン仕事には慣れてないんです。自分で言う分にはいいんですけど、カメラマンさんから「いいね、いいね、イケメンだね!」って言われながら撮られるのがとにかく恥ずかしくて、「そろそろ黙っていただけないだろうか……」と心の中で祈ってました(笑)。いや、イケメンに仕上げてくださってめちゃくちゃ嬉しかったんですけど。

──では、狩野さんにとって理想の仕事のあり方とはどういうものですか?

【狩野英孝】やっぱり仕事って自分のため、家族のために頑張るものであって、それとは別に楽しみとして趣味があると思うんです。だけど、こないだ所ジョージさんのご自宅にお邪魔させてもらったんですけど、所さんってタレントとして極めた先に、全力で極めてきた趣味も仕事になったわけで。それってすごくカッコいいなと思ったんですよ。

──今の狩野さんにとって芸人は“仕事”、ゲームは“趣味”といえるのでしょうか?

【狩野英孝】そうですね。ゲームは大好きですけど、極めてるなんて恐れ多くて言えないですから(苦笑)。ただいつかゲームにまつわる仕事はしてみたいですし、そのためにも芸人の仕事をもっと頑張りたい。そんな風に今はゲームが本業の背中を押してくれる存在になったんだなと感じています。

(取材・文/児玉澄子)

(提供:オリコン)
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