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映画『グリード』予告編
 資本主義が産んだ“怪物”の栄光と転落を描く映画『グリード ファストファッション帝国の真実』が、6月18日より全国で公開される。「グリード=強欲」の意味を持つ本作は、ファストファッションブランドを経営し、業界トップにまで上り詰めたリチャード・マクリディ卿のセレブレティな生活の裏に隠された、ファッションビジネスの闇を鋭い視線で暴き出す。競技場にライオン&プラチナディスク受賞アーティストの無駄遣い!? 史上最悪な超ド派手なパーティー、それは悲劇の始まりを垣間見る予告編とポスタービジュアルが解禁された。

【動画】映画『グリード ファストファッション帝国の真実』予告編

 監督・脚本を手掛けたのは、イギリスを代表する奇才、マイケル・ウィンターボトム。『イン・ディス・ワールド』(2002年)、『グアンタナモ、僕達の見た真実』(06年)で国際問題を取り上げ、それぞれベルリン国際映画祭で金熊賞、銀熊賞を受賞したウィンターボトム監督が、今回はユーモアを織り交ぜながら経済第一主義の社会への問題提起に挑戦した。

 予告編では、富の象徴である日焼けした肌と不自然なまでに輝く歯を見せつけるリチャード・マクリディのまさに最低最悪な経営者の日常が映し出される。「服は金の卵を産むガチョウだ」と言い切り、彼の元妻も「彼は駆け引きが好きなの」と評する通り、リチャードにとって大切なことはファッションへの愛ではなく、ただひたすらに“金”。発展途上国の下請け会社には限界を超える低予算でゴリ押しながら、部下にはパワハラ三昧。

 自身の還暦パーティを盛大に開催するために訪れたギリシャ・ミコノス島にやってきたリチャード一行。パーティ演出用に本物のライオンまで用意して、超ド派手にショーアップされた宴が始まる…かと思いきや、招待したセレブリティたちから総スカンをくらい、急いでソックリさんを集めるなど雲行きが怪しくなっていく。「欲張り卿」「インチキ卿」と呼ばれながらも、「俺はなにも恐れない」とうそぶくリチャード。しかし、悲劇はもうすぐそこまで迫っていた…!

 公開時、イギリスのセレブリティと親交が深いウィンターボトム監督作品ということで、数々の俳優やアーティストがカメオ出演したことでも話題の本作。予告編ではイギリスの人気歌手でプラチナディスク受賞歴もあるピクシー・ロットがリチャードの誕生パーティで歌う姿が見られる。

 日本版ポスターのビジュアルは、ドヤ顔でランウェイを闊歩するリチャードをオーディエンスが拍手で迎えているが、よく見ると観客に笑顔は無い。誰もが羨む成功者だと思っているのは当の本人だけ、という痛烈な風刺が込められている。

 主人公リチャードのモデルは、昨年に破産申請をした「TOPSHOP」をはじめとする複数のファストファッションブランドを保有していたアルカディア・グループのオーナー、フィリップ・グリーン卿。『24アワー・パーティ・ピープル』(02年)の出演をきっかけに監督と交流を深め、本作で7度目のタッグとなるイギリスのカリスマ的コメディ俳優、スティーヴ・クーガンが付け歯を装着して、嫌味なまでの富裕層を怪演。そしてリチャードに負けず劣らずお金に目がない元妻を『グランド・イリュージョン』(13年)のアイラ・フィッシャーが演じるほか、『24アワー・パーティ・ピープル』のシャーリー・ヘンダーソン、Netflixオリジナルシリーズ『セックス・エディケーション』の主演で注目を集めるエイサ・バターフィールドらが出演。

 人間が生きる上で欠かせない“衣食住”のひとつである衣服。特にファストファッションはなくてはならない存在となっている今日この頃。そのファッションを、「本当に」作っているのは一体誰なのか。マイケル・ウィンターボトム監督が贈る、資本主義のタブーを大いに笑い飛ばしながら楽しめる“笑”撃作となっている。



(提供:オリコン)
映画『グリード ファストファッション帝国の真実』(6月18日公開) (C)2019 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. AND CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION
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