スマートボール柳屋

母さん、今回も中之条に行って来ました。今回からしばらくは四万温泉をめぐるそうです。そういえば中之条の観光商工課があるつむじの足湯は、四万のお湯でしたね。

車に揺られ・・・あ、僕は運転してないです。先輩の黛さんがしてくれているんですが、そろそろ「僕が代わります」って言うべきタイミングなんでしょうか。そうだ、僕が運転すれば竹村さんと並ばなくていいのか・・・いや、でもそうなると助手席は三千代さんで、それはそれで面倒。

あ、着きました!四万温泉郷です!空が青い!そして、川面も青い!!

おしゃれな四万温泉協会で、担当の宮崎さんにご挨拶。今日は、落合通りにある遊技場、スマートボールを楽しめる「柳屋」さんに伺います。

風情溢れる町並みを行くと、ひときわ昭和レトロな「落合通り」に到着。暑さを忘れるほどテンションがあがります。

柳屋のママはもともとここで働いていた方で、今は亡きオーナーの女性から店を受け継いだそうです。生まれて初めて見るスマートボールはとてもシンプルで、懐かしい遊戯台です。

「故障中」の文字が痛々しい台も。実は、スマートボールはもう製造されていない絶滅危惧遊具なんだそうで、部品すら入手することは困難。ママが長年の勘で修理をしているそうで、もし「うちが部品を作れるよ!」という人がいたら、手を挙げて欲しいと思いました。

それでは、いよいよ実際に遊ばせてもらいましょう。ママが孫の手を使って分かりやすく説明してくれます。あ、ビー玉がごろごろと出て来ました!いい音だなぁ。

それにしても心配になるくらい真剣な竹村さんの横顔。

スタート時点ではほとんど差のない持ち玉でしたが・・・

なぜか僕だけどんどん穴に入ってしまい、ゴロゴロとビー玉が出てきます。爽快、爽快!

ついに真ん中の蝶も羽を閉じて、さらに玉が入りやすくなりました!こうなると次々と当たになります。

その結果・・・こんなに差がついてしまいました。ゲームに勝って嬉しいはずなのですが、帰りの車内のことを考えると複雑です。

シンプルで誰もが楽しめるスマートボールや懐かしいパチンコ台を揃えている遊技場は、もう本当に少なくなりました。どこかで、また台を作ってくれないだろうか、せめて3Dプリンタで部品を作れないだろうか。僕の切なる願いです。その日が来るまで、ママの笑顔とバイタリティでこの柳屋さんを守ってもらいましょう。

それにしても、この二人。取材場所とはいえゲームに夢中になりすぎです!

 

 

 

 

 

沢渡温泉組合組合長 林伸二さん

母さん、今回も中之条に行って来ました。沢渡温泉最終日、今日は沢渡温泉組合の組合長、林伸二さんをたずねます。

林さんは、沢渡名物になっている楽しいお土産物やさんを奥様と共に営んでいます。とにかく沢山の品が並ぶ店内には見たことのないものも!ぐっすり眠れるとの声が高い塩まくらにはとても惹かれました。

林さんは学生時代から野球選手として町を代表する存在でした。様々な経験を活かして、今は沢渡の町の活性化に尽力しています。ユーモアを交えながら展開される林さんのトークには、時間を忘れて聞き入ってしまいました。

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沢渡の魅力は、人工物に頼らない自然美だと林さんは語ります。派手な遊戯施設などはなくても、この緑と風と、四季のうつろいこそが沢渡の醍醐味。中でも紅葉の季節には木々の錦に見惚れてしまうとのこと。気軽に立ち寄れる共同浴場も人気です。一浴玉の肌の効能は林さんご夫婦の美肌を見れば一目瞭然!

林さんおすすめ、沢渡の新たな名物として人気の「玉の肌豆腐」は、温泉郷入り口すぐのお蕎麦屋さん、よしのやさんで頂けます。

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最後に、ひとつだけ、ひとつだけ納得のいかないことがあったので、ここは母さんの意見を聞かせてください。このランキングなんですが

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僕は1位タイで、「美人おかみ」がランクインすると思いますよ!

 

 

龍鳴館

母さん、今回も中之条に行って来ました。今回も沢渡温泉です。訪れたのは源頼朝にゆかりあると言われる龍鳴館です。

これぞ昭和の旅館、と嬉しくなる佇まい。お忙しい中をお願いして、女将にお話を伺います。

この旅館の娘さんとして生まれた女将は、ご両親の看病のため沢渡へ戻ります。お二人が旅立たれた後、この宿を継ぐことを決意。戦後の大変な状況の中、必死の思いで旅館を成長させたご両親の忘れ形見として宿の湯を守っています。

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お風呂から出た後も芯まで温まるのが、沢渡のお湯の魅力と語る女将。食事は女将考案の体に優しい、アットホームなメニューです。歴史ある建物は隅々まで手入れされ、女将の愛情が垣間見えます。

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今日は女将のおもてなしに「ありがとうございます」を言ってばかりの日でした。僕にはまだ経験がないけれど、いつか守るものが出来たとき、僕は改めて女将に会いに来ようと思いました。ありがとうだけじゃなくて、僕なりの言葉を伝えに。

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宮田屋旅館

前略、中之条より

母さん、また中之条に行って来ました。今回は、沢渡温泉という場所をめぐります。まず訪れたのは、宮田屋旅館さんです。

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一歩入ると、「旅館に来たー!」モード全開に。もう何年もこういう宿に泊まっていません。旅館独特の畳の匂いに癒されながら、食堂へ。ご主人の鉾田さんいお話を伺います。

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お宿の自慢は、お湯はもちろん、この景色。四季折々の風景を求めリピーターさんがやってきます。この日は夏山の緑が輝いていました。仕事じゃなかったらいいのいなぁ・・・。

県外出身の鉾田さんですが、学生時代から大の温泉好きで、出会ったのが今の奥様。沢渡温泉の娘さんだったなんて、まさに運命ですね。奥様と沢渡の湯に恋した鉾田さんは、こちらを継ぐことを決意します。

館内はバリアフリーに改装され、お年寄りや車椅子の方でも過ごしやすくなっています。客室は落ちついた雰囲気。ここから見える景色もまた風情があります。

宮田屋自慢のお風呂では、一浴玉の肌、と名高い沢渡の湯を贅沢に堪能できます。季節の山の幸を楽しめるお食事も嬉しいですね。

群馬出身じゃないからこそ、見える群馬の魅力。僕も中之条を訪れて、鉾田さんと同じ視点で色々なものを見ているのかもしれません。そしてもうひとつ、鉾田さんの奥様が恋したのは、鉾田さんの笑顔なんじゃないかと・・・ちょっと勝手に想像してみました。母さん、この方の笑顔は今日の太陽よりまぶしかったです。