【藤岡紀行vol.1】南仏のかほり

陽射しは夏を残し、雲は秋へと急ぐ。9月のとある土曜、私は「約束の場所」へと向かっていた。そう、群馬のゴッサムシティこと藤岡だ。前橋からあえて高速に乗ったのは、はやる気持ちをラグジュアリーに表現したかったから。

インターを降り、ららんを撮影・・・と思ったものの、シャッターチャンスを逃してしまった。まったく、気が利かないドライバーだ。目的地に着くまでに、数々の観光名所を通り過ぎる。ご存知のように、藤岡のフォトジェニックな場所を全て撮影していたら、何テラバイトあっても足りない。だから私は、心のファインダー越しにのぞいて満足する。藤岡という奇跡を、記録ではなく、記憶に焼き付けるのだ。

そんな私でも、気づいたらシャッターを押していた・・・というパワースポットが、ここ「コート・ダ・ジュール」。南仏の空気を感じさせる佇まいに、思わず息を呑む。ひとカラを楽しむジーン・セバーグが目に浮かぶようだ。

さらに車を転がし、たどり着いたのは本日の目的地「甘楽亭」。ご存知、唯一無二の「たれカツ」を楽しめるお食事処だ。あれよという間にパーキングが満車になる。ここでは毎日、「美食」という名のフェスが開催されているのだから至極当然といえば、それまでか。

駐車場でパン、と響く乾いた音に、思わず身構えたのはご愛嬌。どうやら今日は伊勢崎花火大会のようだ。ご覧のように、藤岡では地域猫すら防犯意識が高い。音が鳴った瞬間に壁を駆け上っていた。

迷うことなく、甘楽亭御膳に舌鼓。聞けば店主の宇留間さんのもとに、TV局の取材が入ったとのこと。ますます藤岡の知名度が上がってしまうことが、嬉しくもあり、寂しくもあり。

気づけば日が沈み、本当の意味でのフジオカン・ドリームがひしめく時間が近づいてきた。異邦人は、そろそろ帰途につくべきか。宵闇に輝くコート・ダ・ジュールはひときわ妖艶だ。

あ!社長、お疲れ様でーす。

名曲「ガンダーラ」の歌いだしを思い出して欲しい。そして、考えてみて欲しい。「そこ」とは「どこ」なのか、と。ある人は天竺と答え、ある人は楽園と答えた。それなら私は、こう答えよう。「そこ」は、「藤岡」なのだと。

どんな夢も叶う、約束の地「藤岡」。私は再びこの地を訪れる日を夢見て、今日から明日へと時を紡ぐのだ。

Hold on to your FUJIOKAN Dream!

 

~written by 旅人 a.k.a.  Michiyo Sakurai~

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