1/10 VCL2 群馬・前橋大会 観戦記

成果と課題があった2日間だった。チームは、暫定ながら首位をキープしたが、リーグは道半ば。グリーンウイングスのみならず、各チームとも、優勝の二文字など遥か彼方だ。今すべきことは、一歩一歩、確実に歩み続ける事。自分たちのバレーをしっかりする事。そうすれば望むべき結果へ到達できるのだから。

リーグ再開となる前橋大会は、前橋市関根町のぐんま武道館で行われ、2日間とも大観衆がグリーンウイングスの背中を押した。

チームはこの2日間で、いくつかの成果を得た。まずは、ストレート勝ちという結果だ。土曜のプレステージ・インターナショナル・アランマーレ戦では、3-0と快勝した。これまで勝負所での不安定さが指摘されていたが、この日はしっかりとゲームをまとめる事ができ、チームは、初めてのストレート勝ちを手にした。

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そんなチームを牽引したのが、日立二高から内定選手としてチームに帯同しトレーニングを続けていた小林愛里だ。小林は11得点と活躍し、チームに流れを引き寄せた。翌日も、攻撃の一翼を担う活躍を見せ、石原監督も「期待以上の活躍だった。」と小林のプレーを振り返っており、今後の戦いに向けて、また大きな力を得た事を証明した2日間でもあった。

一方で、日曜は課題の残す一日となった。上位争いのライバル・GSSサンビームズに対し、フルセットの末、敗れた。特に浸透してきた感がある戦術について、石原監督は「上手にやろうと言うのが先行してしまった。」と振り返り、試合前に話していた、戦術を「使いこなす」のではなく、「使うだけ」で終わってしまった。特に、セットを落とした、第2、第3セットでは、攻守においてプレーが小さくなってしまったように感じられ、グリーンウイングスらしい気迫が感じられなかった。

石原監督からひと声入った第4セットでは、サーブ、アタックも強気で、迫力があり、ディグも必ず拾うと気迫に満ち溢れ、チームにようやくらしさがでた。

だが、この日のGSSは、序盤こそ、凡ミスを繰り返したが、2セット目以降は、集中力が高く、ミスも少ない上、ボールに喰らいつき、グリーンウイングスを圧倒する粘り強さがあった。

佐藤智美が「相手の攻撃、気持ちに負けてしまった。自分たちが相手を上らまないとダメなに。」と悔やんだように、本来、自分たちがすべき気迫、粘り強さで相手を圧倒する事ができなかったところが、接戦をモノにできなかった理由だと感じる。

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グリーンウイングスは、実績あるエリート選手が揃うチームではない。バレーボールが大好きで、ひた向きに取り組む選手が揃ったチームだと思う。相手以上にボールに喰らいつき、拾い、繋ぎ、何度はじき返されても打ち込み、まさに全員バレーで1本を取るチームだと思う。その上で、石原監督がタクトを振るう戦術が活き、個々のレベルアップがチームをより強くするのだと思う。

常に右肩上がりとは行かないだろうし、紆余曲折もあるだろう。過密日程のリーグ戦に立ち止まる余裕などないが、敗戦から学び、今後の試合に活かせたならそれは意味があることではないか。次戦、そして、この後、グリーンウイングスらしいバレーボールで勝利を届けてもらおう。

前橋大会を終え、グリーンウイングスは、暫定首位に立った。だが、リーグはまだ折り返し地点にも至っていない。我々は、リーグ優勝を手にしたわけではない。いつでもその座から滑り落ちる可能性はあるのだ。

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グリーンウイングスの選手は、誰もが「最後は気持ち」と話してくれる。ならば相手を上回る気持ちあるプレーを見せてもらおう。私たちは、気持ちで負けないグリーンウイングスのバレーボールが見たいのだ。そして、「負けない気持ち」で歩み続ければ、求めるものは必ずや彼女たちのものになると信じている。

VCL2 群馬・前橋大会

9日 ○プレステージ戦 3-0(25-21、25-19、25-16)

10日 ×GSS戦 2-3(25-20、22-25、23-25、25-14、14-16)

VCL2 1月10日現在

1位 群馬銀行 4勝3敗 13ポイント

2位 GSS 4勝2敗 12ポイント

3位 トヨタ自動車 3勝3敗 11ポイント

4位 ブレス浜松 3勝3敗 8ポイント

5位 プレステージインターナショナル 2勝5敗 4ポイント